リツコおかあさんシリーズ
シンジ君の憧れ
「シンジお兄ちゃん、お風呂はいろ〜〜」
台所で洗い物をしているシンジの背中から声がかかった。
「お風呂かい?アスカはどうしたの?」
「アスカお姉ちゃん、ゲームに夢中なの」
「ゲーム?」
「うん」
レイは小さく頷いた、泊まりに来た時いつもアスカと一緒に入っているので一人で入るのは寂しい。
「しょうがないなあアスカは」
シンジは水道を止めるとエプロンで手を拭きながらリビングに向かった。
「うおおおおおおおおっ!」
リビングではアスカが大声でテレビに向かっていた。額には薄っすら汗が滲み夢中である。
「アスカ〜〜」
「何よ?今大事なところよ」
耳をかすだけで顔はテレビに釘付けである。
「お風呂入りなよ、レイちゃんが待っているよ」
「後から入るわ」
「レイちゃんが待っているじゃないか、終わりなよ」
「ダメよ、これが強すぎて時間がかかるわ。むおおおおっ!!」
お風呂よりゲームである。
「しょうがない、一緒に入ろうか?」
「うん」
シンジはため息をつくとレイと手を繋ぎ洗面台に向かった。
「おっ一人で脱げるんだね、偉いぞ〜〜」
「えへへ〜〜当然」
一人で服を脱ぐレイに感心するシンジである。
「さあ入ろうね」
「うん」
「さあて身体を洗おうね」
お湯を身体にかけタオルにボディーシャンプーをつけ泡を立てる。
「ごしごし、ごしごし〜〜」
シンジに洗ってもらう度にレイは口でリズムをとった。
「ごしごし、ごしごし〜〜ひゃあ〜〜くすぐったい〜〜」
「脇の下もちゃんと洗わなきゃダメだよ」
「うひゃあ〜〜」
脇を洗われる度に声をあげるレイにシンジは笑った。
「はい、お終い」
ざっば〜〜ん!
風呂桶にお湯をタップリすくうとレイの頭からかけた。
「ふ〜〜サッパリした〜〜今度は私が洗ってあげるね」
「そうかい?お願いしようかな」
タオルと受け取るとボディーシャンプーをタップリつけて泡を立てた。
「んしょんしょっと、シンジお兄ちゃんの背中大きいね」
背中を洗うレイ、小さいので一苦労である。
「ふふ、そうかい?頑張ってね」
「うん」
振り向くシンジ、頑張っているレイの姿に頬が緩んでくる。
(良いなあ〜〜こういうのって、僕にも子供ができたらこんな風にお風呂に入るのかなあ)
シンジ至福の時である。
「パパ〜〜背中私が洗う〜〜」
「はっはっは、レイに洗えるかな?」
「ぶ〜〜洗えるもん」
「そうかそうか、ならお願いしようかな」
「うん」
「パパの背中大きいね」
「そうかい?ちゃんと洗ってくれよ」
「うん、ごしごし綺麗にするよ」
「はっはっは頑張るだぞ」
「うん、ねえママは入らないのかな?」
「ママは洗い物をしてるからなあ」
「そうなの〜?あっそうだ今日ねママにヘッドセットをかりたの」
「ママのをかい?」
「うん、真っ赤だから似合わないと思ったけど似合ったの」
「そうか〜〜似合ったのかい、見たいなあ」
「うんもう一度かりて見せてあげるね、ママって赤が大好きだよね」
「赤色はママのトレードマークだからね」
「ふ〜〜ん、そうなんだ。じゃあ私は何色かな?」
「そうだなレイは・・・
「シンジお兄ちゃ〜ん」
「はっ・・・何だいレイちゃん」
「終わったよ」
すでにシンジの背中はお湯で流され綺麗になっていた。
「あ、ああ。ありがとうね」
「どうしたのボーってしていたよ、のぼせちゃったの?」
「違うよ、良いなあって思っていたんだよ」
「?」
シンジの微笑みに首を傾げるレイであった。
シンジ君の未来はどうなるでしょうか?奥さんは勿論・・・
レイちゃんに身体を流してもらうシンジ君、至福でしょうね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ シンジ君の憧れ