リツコおかあさんシリーズ

サンタクロースを信じていますか

「じんぐるべ〜〜る、じんぐるべ〜〜る、すずがなるう〜〜〜」

 リツコ宅リビング、レイは歌を歌いながら背丈と同じくらいのツリーに飾り付けを行っていた。

「レイちゃん、はい星だよ」

「ちょっとシンジ、スターはアタシがつけるのよ」

「あ〜〜アスカお姉ちゃんずる〜〜い」

 隣にはシンジとアスカ、遊びに来ていたのである。

「ふっふっふっふレイ、星を飾るのはスターであるアタシが相応しいのよ」

 ツリーの一番先に付ける大きな星を高々と突き上げ威張るアスカ。

「ス、スター?ぷ、ぷぷぷ笑っちゃうねレイちゃん」

 ボクッ!

「う・・・」

 シンジの鳩尾にアスカのパンチが決まった。

「アンタ殺すわよ」

「し、死ぬところだったよ・・・」

 鳩尾を押さえて笑ったことを後悔するシンジであった。

「アスカお姉ちゃん、私も付けたい〜〜」

「しょうがないわね、それじゃあ一緒に付けるわよ」

「うん」

 二人は星を持ってツリーの先につけ完成した。

「やったあ〜〜完成〜〜〜」

「電源を入れてみましょう、シンジ電気を消して」

「うん」

 装飾のライトを点灯させるために室内の電気を消した。

「きれい〜〜」

「神秘的ね」

「絶妙な飾りつけだね」

 三者三様に感動する、そして・・・

「お疲れ様〜お腹すいたでしょうオヤツよ」

 室内の電気が点くとリツコが台所からおやつを持ってやってきた。

「わお〜〜おいしそ〜〜」

 三人の前に置かれた皿の上にはリツコ特製のホットケーキが並べられた。

「すいませんリツコさん、おしかけた上にごちそうになっちゃって」

「良いのよ、飾り付けをしてもらって助かったわ」

「そうよシンジ、これはバイト代よ、いただきま〜〜す」

 アスカは熱々のホットケーキに蜂蜜を塗ると大きな口を開けて頬張った。

「う〜〜〜〜ん美味しい〜〜〜」

「でしょう?おかあさんのホットケーキはもの凄く美味しいんだよ」

「ふふ、レイったら」

 リツコは自慢されたことを嬉しく思い、レイの口の周りについた蜂蜜を拭いてあげた。

「X’masまでもう10日かも無いんだね」

 まだまだ先だと思っていたクリスマスだが家事に忙しい主夫シンジにとってはすぐに日にちが経ってしまう。

「むっちょっとシンジ、アンタ今なんて言ったの?」

「ん?X’masまでもう10日かも無いって」

「それよそれ、アンタクリスマスの発音がなってないわよ、ちゃんとした発音はXmasよ」

「X’mas・・・これで良い?」

「違うってクリスマスに’は要らないのよXmasよ」

「Xmasだね」

「そうよレイ、良い発音ね。それに引き換えシンジは・・・やれやれだわ」

 シンジの無能さに呆れるアスカであった。

「なんだよX’masもXmasも同じじゃないか」

「違うのよシンジ君、X’masは間違いなのよ」

「そ、そうなんですか・・・これから気をつけよう」

 これからシンジはクリスマスの発音を間違えることは無いだろう。

「今年はサンタさん何をくれるのかな?楽しみ〜〜」

「ふふふレイが良い子にしてたらサンタさんがやってくるわよ、何が欲しいの?」

 さり気無く欲しい物を聞くリツコ。

「ええとね〜〜クマさんのヌイグルミ〜〜〜」

「そうなのクマさんのヌイグルミなの、レイは良い子だからきっと貰えるわよ」

「うん、ずっと良い子にしてる〜〜」

 次の日リツコはヌイグルミを買いに行くであろう。愛するわが娘のために。




「へ〜〜レイちゃんサンタクロースがいるって信じているんだ、可愛いね」

 小声でアスカに話すシンジ、レイの純粋な心に感動してしまう。

「はあ〜〜?アンタ何言ってんのサンタはいるに決まっているでしょうが」

(へえ〜アスカも信じているんだ)

 十四歳にもかかわらずサンタクロースを信じているアスカの純粋な心にシンジは感動したが・・・

「アタシね、クリスマスプレゼントは時計が欲しいんだ」

「えっ?」

「サンタクロースは本当にいるのよねえ〜〜」

「ええっ?」

「プレゼントお願いね、シンジサンタ」

「え、ええっ?」

 ウインクするアスカにシンジはただ驚くしかない。

(シンジ君・・・不憫よね)

 クリスマスにはお小遣いが無くなるシンジにリツコは同情するのであった。


 もうすぐクリスマス、リツコさん宅でクリスマスツリーの準備はばっちり、あとはプレゼントを貰うだけですね。

 サンタクロースを信じているレイちゃん、純粋です。サンタクロースを信じているアスカちゃん不純です(笑)

 プレゼントを贈ること?になったシンジ君は不幸でしょうか。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ サンタクロースを信じていますか