リツコおかあさんシリーズ

静かな休日


「今日でごーるでんういいくも終わりかぁ〜〜」

「な〜〜にしんみり言ってんのよ〜〜アンタは年中ゴールでウィークでしょ」

   葛城家、レイは壁にかけてあるカレンダーを見てうんうんと頷いたが年中休みなのでアスカに突っ込まれていた。

「気分だよ気分」

「大人びたこと言っているわね、ほれほれ」

 こちょこちょこちょこちょ

「きゃ、きゃはははは〜〜やめてよ〜〜くすぐったい〜〜」

 レイに抱きつくとわき腹をくすぐりお仕置き?するアスカ、明日から学校のアスカにとって年中休みのレイは羨ましいのだ。

「ふふふふ、参ったか〜〜この〜〜〜」

 こちょこちょこちょこちょ〜〜〜

「きゃはは〜参らないもん、反撃〜〜」

 こちょこちょこちょ〜〜〜

 レイは負けじとアスカのわき腹に手を伸ばし反撃を開始した。

「うっこら、ぷ・・・ぷぷぷやめなさい〜〜〜ぷははははは〜〜〜」

「きゃははっはは〜〜〜」

 互いにわき腹が弱点なのだろう、くすぐり合いでリビングには二人の笑い声がこだまする。

「二人とも楽しそうだね」

 そこへシンジがジュースを持ってやって来た、二人の笑い声が笑顔にさせる。

「楽しいけど暇なのよね〜〜〜」

「うん、でもおかあさんがいないからつまんない、おかあさんどうして今日もお仕事なんだろう・・・」

 世間はゴールデンウィークで仕事は休みだが、リツコは相変わらず忙しくて連休中も出勤であった。

「リツコさんは優秀だからね、お仕事がいっぱいあるんだよ」

「そうね、誰かさんとは大違いだね」

ぐ〜〜〜ご〜〜〜が〜〜〜ご〜〜〜〜

 アスカが言う誰かさんとはリビングの中央でお腹を出して大の字で寝ている保護者である。

「どうしてミサトお姉ちゃんは出なくていいのかな?」

「それはねレイちゃん、ミサトさんは出ても役にたたないからだよ」

 シンジはだらしない保護者を横目にため息をつきながら説明した。

「まったく同期なのにどうしてこう違うのかしら?休みも出て稼いできなさいよ。って言っても無理ね」

「・・・そうだね」

ぐ〜〜〜ご〜〜〜が〜〜〜ご〜〜〜〜

 だらしない保護者は爆睡中である。



「暇ね〜〜〜どこか行かない?」

「行くってどこに?」

「私、遊園地が良い〜〜〜」

 レイは両手を上げて遊園地をアピールするが・・・

「遊園地〜〜?混んでいるから疲れるだけよ」

 先ほど見たTVニュースで行楽地の様子が放送されていた、遊園地は家族連れで大賑わいアトラクションは数時間待ちとずらっと並んだ姿がTVに映っていた。

「え〜〜〜?行きたいなあ〜〜」

「レイちゃん、残念だけどアスカがイヤって言ったならしょうがないよ」

「うん、残念」

 諭すシンジ、アスカの性格がわかっている。レイは頷いた。

「ちょっとシンジ〜〜何よそれ〜〜、アタシはイヤって言ってないわよ、疲れるって言っただけなのよ」

「じゃあ行く?」

「行かない!」

「「はあ〜〜〜」」

 きっぱり言うアスカにため息をつくしかない二人であった。

「な、なによそのため息は?何か文句あるの」

「別に文句はないけどね、アスカらしい答えだなあって思っただけだよ」

「うん、返事が速いのはアスカお姉ちゃんらしいね」

「く〜〜〜あんたらは・・・良いわよじゃあ出かけましょう」

 ここまで言われてはプライド?傷つく出かけることに決めた。

「へ?本当どこへ行くの?」

 レイは目を輝かせて返事を待った。

「公園よ」

「え?」

「公園よ、こんなに天気が良いんだから芝生でのんびりと寝転がるのが良いわ」

「そう・・・まっ良いか!行こう行こう〜〜〜」

 遊園地と期待したレイであったがそれは儚くも敗れ去った。ランクが下がるが出かけられるので嬉しい。

「じゃあお茶の用意をしないとね」

 シンジは立ち上がるとお茶を用意するために台所に向かった。






「アスカ〜〜用意はできたかい?」

 お茶を入れ着替えを済ませたシンジはレイとアスカの部屋の前に立っていた。アスカの着替えは時間がかかる。

「今行くわ〜〜、お待たせ〜〜〜」

「アスカお姉ちゃん似合ってる〜〜〜」

「当然よ」

 アスカの格好はキャップを深く被り薄青色のサングラス、TシャツにGパンの軽装である。

「ずいぶん気合が入っているね」

「当然!どこへ行くにも常に美を意識しなくては行けないのよ、わかる?あんたにはわからないでしょうね」

「そ、そうだね」

 アスカの力説にたじろくシンジであった。

「レイ、太陽が照っているから帽子を被りなさい」

「うん、ありがとう」

 用意していた麦藁帽をレイに被せると三人は出発した。






「天気良いわね、ほんとっ今日でゴールデンウィークが終わりなのが残念だわ」

 レイを真ん中に二人は左右、手を繋いで公園に向かう。

「そうだね、明日からちゃんと起きないとダメだよ」

 ゴールデンウィーク中アスカは朝は遅かった、夜更かしのし過ぎである。

「わかってるわよ、シンジこそちゃんと起きなさいよ、起こしてあげないんだから」

「起きなさいって・・・」

「シンジお兄ちゃんは毎日早起きでしょ」

 シンジの言いたい事をレイが先に言った。

「わ、わかっているわよ。でもいつもより遅く起きていたわよ」

 突っ込まれ言い訳が苦しいアスカであった。






「「「到着〜〜〜!!!」」」

 公園に着いた三人は周りを見回した、広い芝生には家族連れ姿が多くシートを広げている光景が見られた。

「さあシンジ!シートを敷くのよ」

「うん」

 リュックからキャラクターものの大きなシートを取り出すとバーンと芝生一面に敷いた。

「暖か〜〜い」

 靴を脱いでシートに上がるレイ、小さな足から芝生の温もりが感じ取れる。

「さあてやる事は一つよ」

 アスカもシートに上がりすでにやる事が決まっているようである。

「?何をするの」

「それはね・・・こうするのよ!」

「きゃっ」

 アスカはレイの体をシートに横にすると自分は隣で横になった。

「アスカ、それって・・・」

「こんな天気の良い日は日光浴に決まっているでしょ」

「それって昼寝って言うんじゃ・・・」

 誰が見ても昼寝である。

「うっさいわね〜〜昼寝よ昼寝。どう?気持ち良いでしょ」

「うん、体が暖か〜〜〜い」

 顔を見合わせて微笑む二人にシンジは微笑ましく思いレイの隣に座った。

「じゃあ僕も昼寝をしようかな」

「違うわよ、日光浴!日光浴よ」

「はいはい」

 目をつぶる三人、心地よい太陽の光を受け昼寝(日光浴)をするのであった。


 リツコさん出てきませんね(^^;)

 GW最終日を嘆くアスカちゃん、もっともっと休みたいでも明日からは平日。どこへ行くにも混んでいますので行く場所は手軽な公園と決めました。

 そこで遊ぶとおもいきや・・・お昼寝(アスカちゃん曰く日光浴)でGW最終日を満喫する三人でした。

 「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 静かな休日