リツコおかあさんシリーズ

スパ

「ん〜〜〜このいい香りは・・・」

 リビングでレイと遊んでいたアスカは台所から漂ってくる香りに気が付いた。

「どうしたの?アスカお姉ちゃん」

「気が付かない?この香り」

「くんくん、くんくん・・・あっ」

 台所に行かずに鼻を向けて嗅いでみると知っている香りであった。

「「スパゲッティ−!」」

 ユニゾンする二人、香りの正体はスパゲッティ−のミートソースであった。

「やったあ〜お昼はスパゲッティ−だ〜〜」

「う〜〜ん、この香り食欲をそそるわ」

 二人はすぐさま台所に走った。

「シンジッ、ご飯まだなの?」

「シンジお兄ちゃん〜お腹すいた〜」

「うん、もうすぐできるからお皿を用意してくれるかな?」

「わかったわ。レイ、フォークを用意してアタシはお皿を用意するわ」

「うん」

 二人はテキパキと動くとお皿とフォークを準備してリビングに向かった。シンジは二人の素早い動きに笑みを浮かべるのであった。




「お待たせ〜できたよ」

 五分もしないうちに茹で上がったパスタを持ってシンジがやって来た。

「さあ分けるよ」

 並べられた三枚の皿に均等に分けていくシンジ。どれが多い少ないが無く全て均等であった、主夫だからできる芸当である。

「次はソースだよ」

 再び台所に戻ると今度はソースが入った鍋を持ってきた。

「ん〜〜〜美味しそう〜〜」

「もうお腹ペコペコ」

 ミートソースの香りが二人の食欲をかきたてた。

「はい完成だよ」

 完成したスパゲッティ−、
三人は手を合わせた。

「「「いただきます〜〜」」」



「あっレイちゃん、ちょっと待って」

「ん?な〜に」

 フォークを持って食べる寸前のレイにシンジは待ったをかけた。

「服が汚れるといけないからナプキンを着けようね」

 シンジは台所からナプキンを持ってくるとTシャツの首元にかけた。

「これなら汚れないね」

「そうだよ、汚れたらリツコさんが大変だからね」

「うんっおかあさんが大変になるから汚さないよ〜」

「うんうん、レイちゃん偉いぞ」

 レイの頭を撫でるシンジであった。

「はい、アスカもナプキンしないと汚れるよ」

 シンジの手にはもう一枚のナプキンがあった。

「はあ?どうしてアタシがするのよ」

「ソース飛ばしちゃうだろ」

「アタシが飛ばすわけないじゃない、要らないわよ」

 ムッとするアスカ、レイと同じように扱われたのが腹立たしい。

「そのTシャツおろしたてだろ?付いたらなかなか落ちないんだよ」

「要らないって!」

 アスカは頬を膨らますとシンジを無視してフォークにパスタを絡ませた。

 ツルツルツルツル

「ん〜〜〜アル・デンテ」

 主夫シンジの真骨頂、パスタは歯応えがあるアル・デンテ、アスカは大満足である。

「本当、シンジお兄ちゃん美味しい〜」

「ありがとう」

 二人の喜ぶ顔に嬉しかった。

「あっアスカお姉ちゃん」

「何?」

 レイはアスカのある事に気が付いた。

「ソースが付いてる」

ええっ?!あ〜〜本当〜〜

 Tシャツを見ると胸のところにソースが付いていた。

「ほ〜〜らやっぱり」

「新しいのに〜〜〜」

 呆れるシンジに落胆するアスカ。

「シンジ〜〜これ落ちる〜?」

「う、うん。お、落ちるよ」

 Tシャツのソースが付いた部分を引っ張って涙目になるアスカ。その仕草がシンジをドキリとさせた。

「本当〜〜?」

「うん、本当だから安心して」

「本当?」

「本当に本当だよ」

 頷くシンジ、ずっと引っ張っているTシャツの首元から下着が見えているがアスカは気が付かない。

「良かった〜〜やっぱりナプキンしないとダメね」

 安心するとナプキンを首元からかけてスパゲッティ−を食べるアスカであった。そしてシンジは・・・

(落とすの大変なんだよなあ〜でもちょっとラッキーだったかな)

 先ほどの情景を思いだして耳を真っ赤にするのであった。


 ソースを付けてしまって困るアスカちゃん、へっぽこです(笑)レイちゃんはお行儀良いのにアスカちゃんは・・・(^^;)リツコさんのしつけが良いんでしょうね。

 Tシャツの首元から見えた下着、シンジ君はラッキーでした。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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