リツコおかあさんシリーズ

たいふう




「きゃっシンジッ家が揺れているわ」


「大丈夫だよアスカ」



「きゃっシンジッ雨が凄いわ」


「大丈夫だよアスカ」



「きゃっシンジッ雷が鳴っているわ」


「大丈夫だよアスカ」



「ねえシンジどうして大丈夫なの?」


「それはアスカには僕がいるからね」


「シンジ・・・」


「アスカ・・・」








(な〜〜んて事にはならないわね)

 アスカはテーブルに肩肘をつきながら煎餅を頬張りテレビを見ていた。

「うわ〜〜今夜がひどいんだ」

 同じくテレビを見ているシンジ、天気予報は台風情報を流していた。

「大丈夫かな?停電になったりしないかな?」

「大丈夫でしょ、簡単に停電になったりしないわよ」

「ならマンションが崩れたりしないかな?」

「そんな強い風じゃないでしょう」

「そ、そうだね」

「はあ〜〜なに心配してんのよ」

 先ほどの妄想とは逆である、アスカはお気楽、シンジは心配性である。

「だって停電になったら何も見えなくなるんだよ、断水でもしたらご飯が作れなくなっちゃうよ」

「はいはい、主夫は大変ねえ〜」

 アスカはパタパタと手を降ると煎餅を頬張り外を見た。

 ビュウウウウ〜

 外は風が強く窓がギシギシと音をたてていた、そして雨が窓に激しく当たっていた。

(確かにひどいわね、こうひどいと・・・さっきのようにできるかしら?)

 アスカは先ほどの妄想を思い出した。

 ビュウウ〜〜

 ギシギシッ

ちゃ〜〜んす

 大きな風とともに窓ガラスが揺れた。それと同時にアスカの瞳が光った。

「きゃっシンジッ」

 怖くはないのだが抱きつこうとシンジに倒れ掛かったが・・・

「シンジお兄ちゃ〜〜ん、お水こぼしちゃった」

 ドンッ

ふぎゃっ

 洗面所から聞こえるレイの声にシンジは立ち上がり向かった。倒れ掛かったアスカはそのまま床に顔面キッスをしてしまった。

「いたたたたたた、もうレイのやつ〜いいタイミングだったのに」

 ぷう〜〜と頬を膨らましむくれるアスカであった。



「あれ?アスカお姉ちゃんお顔赤いよ、どうしたの?」

「何でも無いわよ」

 拭いてもらったレイ、シンジと一緒に戻ってきた。

 ピカッ!ゴロゴロゴロゴロ〜〜

きゃっ〜〜雷、怖〜〜い

 空が光った、雷である。音と同時にレイがシンジに抱きついた。

(くうう〜〜レイのやつ羨ましい事するじゃないのよ)

「シンジお兄ちゃん雷怖いよ〜〜」

「大丈夫だよレイちゃん、光と音だけだからね」

 優しくレイの頭を撫でるシンジ、その光景をアスカはクッションを激しく抱きしめて羨ましく見ていた。

「でも怖い〜〜」

「大丈夫大丈夫僕がついているよ」

「うん・・・」

(シンジに抱きついて良いなあ良いなあ〜〜ようしアタシも雷が鳴ったら抱きつくわよ)

 野望に燃え雷が鳴るのを待った。

 ピカッ!ゴロゴロゴロゴロ〜〜

 再び雷が鳴った、そしてアスカに瞳が光る。

「ちゃ〜〜んすきゃっ〜〜怖〜〜い

 怖くはないのだが抱きつこうとシンジに倒れ掛かったが・・・

「シンちゃ〜〜ん、おつまみ作って〜〜」

「は〜〜いわかりました」

 ドンッ

ふぎゃっ

 倒れ掛かると同時に台所で一人晩酌しているミサトの声にシンジはレイを抱えて立ち上がり、先ほどと同じように床に顔面キッスをしてしまった。

「いたたたた・・・あ〜〜もうっ!あ〜〜ああんなシチュエーションは二人っきりでないとできないのかな」

 クッションを抱きしめガックリ肩を落とすアスカであった。


 アスカちゃん妄想どおりにはいきませんね(笑)

 折角実行しようとしても邪魔?が入って成功しませんでした。アスカちゃん頑張れ〜〜

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ たいふう