リツコおかあさんシリーズ
タイヤキ
「アスカお姉ちゃん〜」
「どうしたの?」
「一緒に食べよう」
レイはアスカに紙袋を渡した。
「おっタイヤキじゃない。熱々で美味しそうね」
「うん、出来たて、おかあさんが作ったの」
「へえ〜リツコが」
まだ熱いタイヤキの甘い香りがアスカの食欲を刺激する。
「カロリーを押さえているからいっぱい食べても太らないんだって」
「へ〜〜考えているわね」
「ダイエットしているから大丈夫だね」
「な、何を言ってんのよ。アタシはダイエットなんかしていないわよ」
本当はしているのだがレイには言えない。
「シンジお兄ちゃんが言っていたよ。ご飯考えるの大変だって呟いていたの」
「あのバカシンジ〜〜」
拳を握り家に帰ったら制裁しなければならないと心に誓った。
「アスカお姉ちゃんって太っているの?」
「ふ、太ってなんかないわよ。食べ盛りなだけなのよ」
「ふ〜〜ん、けどここのお肉が・・・」
レイはアスカのわき腹をつついた。
「こ、こら!やめなさい」
「ふふ、シンジお兄ちゃんには黙っていてあげるね」
「ばか!」
大人びたレイに額を小突くアスカであった。
「さあて食べましょうか」
二人はベンチに座るとタイヤキを取り出した。
「アツアツ〜〜」
「「いただきま〜〜す」」
大きな口を開けてタイヤキを食べた。
「美味しい〜〜〜流石おかあさん上手〜〜」
「餡子の甘味がそんなに無いから良いわね」
食が進む。
「もう一個食べようっと」
「あ、アスカお姉ちゃん食べるの早い」
「ふふふ、こういうのは早く食べないとね」
「よく噛んで食べないから太るんだよ」
「ふ、太ってないって!」
「そうなの?」
「そうよ」
しかしアスカが食べる二個目のタイヤキは良く噛んでいた。
「あれオヤツかい?」
「あ、シンジお兄ちゃん!」
そこへシンジが通りかかった。
「シンジお兄ちゃんもタイヤキ食べる?」
「タイヤキかい、貰おうかな」
「おかあさんの手作りなの」
「へ〜〜リツコさんの」
シンジはタイヤキを受け取ると一口食べた。
「うん美味しいね。甘さも控えめだし皮もパリパリしてて触感がいいね」
「甘さ控えめだからアスカお姉ちゃんにも良いんだよ」
「こらレイ!」
「そうだね、これならアスカにも大丈夫だね」
「うん」
二人してクスクス笑った。
「シ〜〜ンジ〜〜アンタ、アタシがダイエットしているってレイに言ったわね」
「うん、毎日ご飯考えるの大変だよ」
「アタシはダイエットしているけどダイエットしているわけじゃないのよ」
「?」
シンジは首を傾げた。
「ダイエットはしてないの、けどちょ〜〜〜としているようなしていないような・・・」
「ようするにしているだろ、これは甘さ控えめだけどたくさん食べると意味が無いから二個ぐらいでやめておいたほうがいいよ」
「に、二個・・・」
すでに二個目である。
「そうなんだ、アスカお姉ちゃんは二個までなんだ。じゃあ一緒に食べよう」
レイはシンジを自分の隣に座らせた。
「ねえ二個までなの?」
アスカの気持ちは暗く沈んでいる。
「運動すれば三個でも良いんじゃないかな?」
「そうなの?」
「かなり運動しないといけないけどね」
「そうなのね、よし!」
アスカは三個目のタイヤキに手を伸ばした。
「あ、アスカお姉ちゃん食べすぎだよ」
「平気よ、運動すればいいんだもん。もちろんアンタ達も一緒にね」
「「ええ?」」
シンジとレイは驚いた。
「当然でしょ、アタシだけ運動したら不公平でしょう」
「僕ダイエットしなくても平気なんだけど」
「私も」
「ダメダメ、道連れよ」
嫌だと言っても強制的に参加させられるだろう。
「シンジお兄ちゃん」
「レイちゃん」
二人はアスカに気づかれないように相槌を打った。
「「それ!」」
「あ、アタシの」
レイはアスカのタイヤキを奪い取るとシンジの背中に飛び乗った。
「まちなさ〜〜〜い!!」
シンジはレイをおぶって逃げ出した。
「待ちたくないよ、嫌だからね」
「こら〜〜」
追いかけるが逃げ足が速いシンジには追いつけなかったのであった。
美味しいタイヤキ、でも食べ過ぎるといけませんね。特にアスカちゃんは(笑)
あとで運動すれば大丈夫とアスカちゃんは思っていますが、しそうにないですね。残りのタイヤキはシンジ君とレイちゃんが食べてしまわないといけないですね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ タイヤキ