リツコおかあさんシリーズ

七夕

「何をお願いしようかな〜」

 レイはいつもリツコが座っている椅子に座り、足をバタつかせながら短冊に書く願い事を考えていた。

「アスカお姉ちゃんは何をお願いするの〜?」

「アタシはね〜お小遣いアップよ」

 アスカは願い事を書いた短冊をレイに見せて、リツコが用意した笹に結びつけた。

「お小遣いがあがりますように」

 両手を二回叩き、手を合わせると心から願った。

「アスカお姉ちゃん、それじゃあ神社だよ」

「いいのよ、これで叶う率が倍アップよ」

 アスカはニッコリ微笑みジュースを飲んだ。






「う〜〜ん、何を書こうかな〜」

「まだ悩んでるの?」

 アスカが願い事を書き終え雑誌を読んでいる隣では、まだレイが頭を悩ませていた。

「え〜〜と、そうだ!」

 願い事が決まったようである。

「できた〜」

 レイは椅子から飛び降りると短冊を笹に結びつけた。

「何を書いたの?どれどれ〜シンジお兄ちゃんのおよめさん〜?」

 アスカは驚いた。

「うん、このお願いは絶対に叶うんだよ」

「そ、それはどうかしら」

「どうして〜?シンジお兄ちゃんは私の事、大好きって言ってくれたんだよ」

「そんな事言ったの?」

 アスカは冷や汗を流し動揺していた。

「うん、お嫁さんにするって言ってくれたよ」

「シ、シンジもなかなか愛嬌が良いじゃない」

 アスカは微笑んでいたが米神に怒りマークが入っていた。

「アスカお姉ちゃん、ちょっといい?」

「な、何?」

「手、痛くないの?」

「へ?ぎゃ、ぎゃあ〜血、血がァ〜」

 無意識に力が入っていたのか、持っていたコップを握りつぶしており、掌から血がにじんでいた。

「い〜たたたたたた〜〜包帯包帯〜〜〜」

「もう〜オッチョコチョイだなあ〜アスカお姉ちゃんは」

 レイは救急箱を用意するとアスカが手を洗ってくるのを待った。

「いたたた〜うへぇ」

「しみるけど我慢してね」

 消毒薬を掌につけた瞬間・・・

「ぎょえ〜〜〜〜〜〜〜〜しみる〜〜〜〜〜〜〜〜!」

「我慢して〜」

「しみる、しみる、しみる〜〜〜〜〜〜〜」

 涙目になってきた。

「包帯を巻いて、はいおしまい」

「いたたた・・・トホホ」

「アスカお姉ちゃんもシンジお兄ちゃんのお嫁さんになるって書けば良いのにね」

「ど、どうしてよ」

「だって、私のお願い事を見て動揺してたでしょう」

「し、してないわよ」

「してたよ〜はい短冊」

 レイはあまっている短冊をアスカに手渡した。

「わ、渡されたって書かないわよ」

「どうして〜?」

「どうしてもよ」

「あ、シンジお兄ちゃんに見られたら恥ずかしいもんね」

「お、おばか!」

 アスカは真っ赤になりながら否定をしたが、レイには通用しないのであった。


 七夕、レイちゃんの願いはシンジ君のお嫁さん。アスカちゃんはレイちゃんの願い事を見て動揺してしまいました(^^;)

 本当はアスカちゃんもレイちゃんと同じお願いを書きたいのでしょうが、リツコさんの研究室はシンジ君も来ますので、さすがに書けませんね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 七夕