リツコおかあさんシリーズ

手作り

 カタカタカタカタ

 静かな研究室にキーボードを打つ音が響いていた。日曜日、リツコは忙しいので休日出勤をしていた。

 ピピピピ

 パソコンの横に置いていある時計のタイマーが鳴った。

「あら、もうお昼なのね」

 時計を見ると昼である。リツコは眼鏡を外すと飲みかけていたコーヒーを飲み干し、奥の部屋に入っていった。

「レイ〜お昼よ、ご飯を食べに行くわよ」

 奥の部屋を覗いたが・・・

「あら?レイが居ない」

 部屋にはレイが遊んだ形跡があるのだが本人の姿が見えない。

「どこへ行ったのかしら?」

 首をかしげ研究室に戻り白衣を脱いで外へ出る準備をした。

「たっだいま〜」

 研究室のドアが開くと大きな声が響いた。

「レイ、どこへ行っていたの?」

「ひみつ〜〜」

「休日出勤大変ね」

「あらアスカ」

 レイの後ろにはアスカが居た。

「アスカと一緒に居たの?」

「うん、アスカお姉ちゃんと約束していたの」

「約束?」

「ひみつ〜〜」

「あらあら秘密が多いわね」

 リツコはレイの頭を撫でると微笑んだ。

「これからお昼なんだけどアスカも一緒にどうかしら?」

「ええ、その為に来たのよ」

 アスカは大きな袋をテーブルに置いた。

「これは何かしら?」

「開けてみて〜〜」

 言われるままに大きな袋を開けてみた。

「サンドイッチにチキンバスケット」

「どう凄いでしょ?レイとアタシで作ったのよ」

「2人で作ったの?」

「うん!今日は母の日でしょう、だからお昼ご飯をご馳走するの〜」

「母の日なのね。ありがとうレイ、アスカ」

「リツコは座ってって、アタシとレイはお茶を用意するから」

「座ってていいの?」

「うん、今日は母の日だからゆっくりして」

「はいはい」

 リツコは母の日だが仕事をしている事に苦笑した。







「「「いただきます」」」

 リツコは一口大に切られたサンドイッチを口に運んだ。

「どう?美味しい?」

 レイは感想を待った。

「ええ美味しいわよ」

「本当?よかった〜〜」

「美味しいわ、でもいつの間に作ったの?」

 疑問である。

「食堂の調理場を借りたのよ。サンドイッチはレイがほとんど作ったのよ。チキンは油を使うからアタシが揚げたわ」

「サンドイッチはレイが作ったの?上手よ」

「えへへ、アスカお姉ちゃんに教えてもらったんだよ」

 よく見ると切り方が均等ではないのが微笑ましい。

「アスカに教えてもらったの、ありがとうアスカ」

「いいわよ、アタシも教えていた楽しかったわ」

 アスカはチキンを口に運んだ。

「アタシが揚げたチキンもバッチリよ、食べてみてよ」

「それじゃあ頂こうかしら」

 リツコはチキンを口に運んだ。

「どう?美味しいでしょう」

「ええ、美味しいわよ。これならいつでもお嫁に行けるわね」

「お、お、お嫁ってまだ早いわよ」

「あら早くないわよ、アスカもあと二年経てば結婚できるじゃない」

「あと二年って、男は十八からしかダメだから、まだできないじゃない」

「まだできないってアスカは心に決めた人がいるの?」

「い、い、いいいいいいないわよ」

 アスカの顔が真っ赤になった。

「ふふふ、私には一人思い浮かぶ人物がいるけど、その人かしら?」

「だ、だ、だだだ誰よそいつは?」

 アスカの鼓動が早くなった。

「あ、シンジお兄ちゃんが来た〜〜」

「えっシンジ!?」

 レイの声にアスカが光速で反応した。

「違った〜〜空耳でした」

「レ〜〜〜イ、大人をからかうとは〜〜お仕置きしてあげるわよ〜〜」

「ひゃあ〜〜アスカお姉ちゃんが怒った〜〜逃げろ〜〜」

 真っ赤になってレイを追いかけるアスカを見ながらリツコは微笑むのであった。


 母の日はリツコさんに手作りの昼食をプレゼント。

 レイちゃんの手作りサンドイッチにリツコさんは大喜びです(^^)

 最後はアスカちゃんをからかう事になりました(笑)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 手作り