リツコおかあさんシリーズ

打ち上げ花火

「レイ、いいもの作ったわよ」

「いいもの?ケーキ?」

「う〜〜ん残念、ケーキじゃないわ、これよ」

「これ?なあにそれ」

 研究室でリツコは直径五センチ、高さ十センチの円柱を見せた。しかしレイにはそれが何かわからない。

「打ち上げ花火よ、少し時間があいたから作ってみたの」

「おかあさん花火も作れるの?凄〜〜〜い」

「ふふ、ネットに花火の作り方があったから作ってみたのよ」

「・・・大丈夫なの?」

 尊敬のまなざしが疑問にかわった。レイは失敗したのではないかと冷や汗をかいた。

「大丈夫よ、おかあさんが作ったのよ、少〜〜〜し手を加えてスペシャルバージョンにしたわよ。今夜シンジ君家へ行きましょう」

 円柱に描かれたネコのマークはリツコ謹製スペシャルバージョンであることを語っている。

「シンジお兄ちゃん家に行くの?やった〜〜〜」

 レイは両手をあげて喜んだ。








「へえ〜〜〜花火作ったの?リツコあんた花火師だったの?」

 夜、葛城家ではみんなで楽しい夕食、ミサトは花火を見てリツコが花火を作っていたと聞いたことはない。

「違うわよ、今日初めて作ったの」

「ゲッ、今日初めてって大丈夫?爆発したりしないでしょうね」

 不安げなアスカ、花火は火薬の量を間違えれば爆発する危険がある。

「大丈夫よ、MAGIで適切な火薬の量を出したから問題ないわ」

「リツコさんMAGIを私用で使っていいんですか?」

 シンジはそんな事にわざわざMAGIを使わなくてもいいのではないかと思ったが、リツコ相手には通用しない。

「たまには単純な作業をさせた方が良いのよ。さあ上げましょう」

「え?今から上げるんですか」

「シンジお兄ちゃん行こう〜」

「ふふ、レイちゃんはせっかちだね」

「だって早く見たいもん」

 レイはシンジの手を掴むと早く立ち上がるように急かせた。

「ど〜〜れ、リツコの花火を見てあげるわよ」

 ミサトは飲みかけのビールを飲み干すと立ち上がり玄関に向かった。

「爆発しないわよね」

 アスカは今だに不安を感じながら玄関に向かった。








「さあ危ないから離れていて」

 マンションの広場に来た五人、打ち上げ花火をセットをし導火線に火をつけた。

 ひゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 勢いよく打ち出される花火、五人は一斉に空を見上げた。

 ど〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!




 レイかわいいわよ




 爆発して広がった花火から字か浮かび上がった。

「あ〜〜〜私だ」

「ふふふどう?打ち上げ文字花火よ」

 リツコ、科学者として大満足である。

「親ばかねえ〜」

「成功している」

「流石リツコさんですね」

 三者三様の意見である。

「おかあさん凄〜〜〜い、どうしてあんなのを作れるの?私も作れるかな?」

「ふふレイも作れるわよ、なんたって私の娘ですからね」

「・・・自慢しに来たわけね」

「・・・失敗しなくて良かったわ」

「凄いなあ〜〜」

 レイの頭を撫でるリツコ、をよそにミサト、アスカは呆れて家に戻っていきシンジは感動しずっと夜空を見続けていたのであった。


 無免許で花火を作るリツコさん、それは愛娘レイちゃんの為、違法は恐くはありません(笑)

 花火でレイちゃんを自慢したリツコさん、親ばかです(笑)そんなリツコさんに呆れるミサトさんとアスカちゃんでした。シンジ君は感動やさんですね。

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


リツコおかあさんシリーズ 打ち上げ花火