リツコおかあさんシリーズ
うさぎさんはお餅をつく
「きれ〜なお月様」
レイは葛城家のベランダから月を見ていた、夜空に輝く満月は街を照らしている。
「アスカお姉ちゃん、ほらお月様が綺麗だよ」
「あ〜〜綺麗ね」
センチメンタルを持ち合わせていないアスカは月を見ないでテレビを見ながら返事をした。
「今日もうさぎさんは元気にしているかな?」
「うさぎ?なんなの」
「お月様にはうさぎさんが居てピョンピョン跳ねているだよ」
「はあ〜?なに言ってんの月にうさぎが居るわけないじゃない」
アスカは首を傾げた、大学を卒業したがうさぎが月に居る事は聞いたことが無い。
「居るよ〜うさぎさんはお餅をついているだよ」
「餅〜?うさぎが餅をつけるわけないじゃない。そもそも月には空気が無いのよ、空気が無いところにうさぎがいるわけないでしょう」
アスカもっともな発言である。
「居るもん居るもん、うさぎさんは居るもん」
「おやレイちゃんどうしたんだい?」
涙目になり必死に主張しているところに台所からシンジがやって来た。
「シンジお兄ちゃん、お月様にうさぎさんは居るよね、うさぎさんはお餅をついているよね」
「そうだね、うさぎさんは居るね。今日みたいな満月にはお餅を沢山ついているね」
シンジはニッコリ微笑むとレイの頭を撫でた。
「はあ〜?シンジ頭おかしいんじゃない?月にうさぎがいるわけないじゃない」
「居るよ、昔アポロ計画で月面着陸したでしょう。その時うさぎが跳ねているのを見たんだって、そして帰る時につきたてのお餅をお土産に貰ったって。アスカ知らなかった?」
「本当なの?」
そんな話は聞いたことが無いアスカは眉をひそめた。
「そのお餅がとても美味かったから月に移住する計画もあったんだって」
「ほらアスカお姉ちゃんお月様にうさぎさんは居るでしょう」
嘘であるがレイの夢を壊さない良い嘘である。
「へえ〜〜お餅食べたくなったわ」
信じきったアスカ、急にお腹が空いてきた。
「ははそう思ってお餅を買ってきたよ」
シンジは台所からみたらし団子を持ってきた。
「わお〜〜美味しそう〜〜シンジお茶もね」
「うさぎさんもみたらし団子を作るのかな?」
三人は団子に舌鼓を打つと満月を眺めるのであった。
月にはうさぎさん〜とレイちゃん純粋ですね。それに比べてアスカちゃんは(^^;)
シンジ君はレイちゃんの気持ちを察して良い嘘をつきましたね。騙されるアスカちゃんはへっぽこ。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ うさぎさんはお餅をつく