リツコおかあさんシリーズ
優しく
「ふう・・・」
リツコは仕事中、ため息をつくと眼鏡を外して目元を押さえた。
「ふう・・・」
もう一度ため息をつき飲みかけのコーヒーを一口飲んだ。
「おかあさん、どうしたの?」
そこへレイが戻ってきた、リツコの顔色がいつもと違うのに気がついた。
「ちょっとね、疲れただけよ」
リツコは微笑んでレイを安心させようとしたが。
「寝てなくちゃダメ!お布団しくから待っててね」
レイは研究室の奥の仮眠室へ走っていった。リツコは後姿を見つめて静かに席を立った。
「よいしょ、よいしょ」
押入れから布団を出すのだが、重くて足がふらついてしまう。
「レイ、危ないわよ」
「おかあさんはそこに座ってって」
「はいはい」
レイの頑張っている姿に苦笑すると言われたとおりに座って待った。
「ふう〜〜完成〜〜、はいどうぞ」
「ありがとう」
リツコはパジャマに着替えると布団に入り横になった。
「それじゃあ電気消すよ」
「ええ」
「おやすみなさ〜〜い」
レイは電気を消すとドアを静かに閉めて研究室の戻った。
「よ〜〜し、おかあさんを起こさないように静かにしないといけないぞ〜」
レイは静かに歩くと椅子に座り深呼吸をした。
「ふう〜〜静かにするのはちょっと疲れるなあ〜」
「やっほ〜〜」
そこへ急に扉が開き、アスカとシンジがやって来た。
「し〜〜〜静かに!」
アスカの大声にレイは走っていきアスカの口元を押さえた。
「もがもが・・・」
「レイちゃんどうしたの?」
「静かにしないといけないの!」
「ぷは〜〜〜窒息するじゃない」
アスカはレイの手をどけると抱きかかえた。
「おかあさんが疲れて寝てるの、だから静かにしてないといけないの」
レイは二人の顔に近づくと小声で呟いた。
「そうなんだ、それじゃあ静かにしないといけないわね」
「仕事すると疲れるからね」
二人とも無意識に小声になり始めた。
「それじゃあ静かにお茶にしましょうか」
アスカは静かにカップを用意すると紅茶を用意し始めた、その間にシンジはケーキをテーブルに並べ始める。
「さあいただきましょうか」
三人は手を合わせると小声でいただきますを言った。
「おいし〜」
今日持ってきたケーキはロールケーキ、アスカの舌を満足させた。
「うん、美味しい〜〜おかあさんにもとっておく〜〜」
「そうだね、リツコさんの分もとっておこうね」
シンジはリツコの分を皿にとると保管した。
「いつも騒がしいけど静かな中でのオヤツもいいわね」
「そうだね、ゆっくりと時間が過ぎていくね」
「アスカお姉ちゃん、紅茶おかわりちょうだい」
「そんなに飲むとオネショしちゃうわよ」
「ぷ〜〜オネショしないもん」
レイは頬を膨らませた。二人はその姿に口元を押さえて小さく笑った。
「いや〜〜〜ほ〜〜〜元気ですくわ〜〜〜!!」
扉が開くと大きな声が研究室に響き渡った。三人は驚いて扉の方を見た。
「疲れちゃったから休憩にきたわよ〜〜〜ん!!」
声の主はミサトであった、手には缶ビールを持っており頬が赤い。
「ミサトお姉ちゃん大声出したらダメ〜!」
「シンジ、レイ、ミサトを取り押さえるのよ」
「うん、わかった」
三人は素早く席を立った。シンジとレイはミサトに向かっていき、アスカは棚からある物を探し始めた。
「あんれ〜〜シンちゃんどしたの?レイは〜〜〜もがむぐ・・・」
「ミサトお姉ちゃん、し〜〜なの」
「ミサトさん静かにしてください」
シンジがミサトの身体を止め、レイが口を塞いだ。
「アスカ!」
「わかったわ、ミサト逝きなさい」
アスカはミサトの腕に先ほど探し当てた注射をした。
「はうう〜・・・」
一瞬してミサトの目は焦点が合わなくなり眠り始めた。
「ふう〜〜ミサトさんは沈黙したよ」
「うわ〜〜お酒くさ〜〜い」
「仕事中に飲むなんて何考えてるのかしら?外に捨てておきましょう」
三人はミサトを引きずると研究室の外に放り出すのであった。
リツコさんが疲れているのでレイちゃんは静かにしています、そこへシンジ君とアスカちゃんがオヤツタイムで来ましたが二人も静かにします。みんなリツコさん思いですね。
しかし一人だけ無神経な人が(^^;)仕事中にお酒を飲んでいるのでお仕置きが必要ですね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 優しく