リツコおかあさんシリーズ
夢見る乙女
(は〜〜〜、なんだかこういのって良いわね)
アスカの右手にはレイの左手が握られており、レイの右手にはシンジの左手が握られている。アスカ、レイ、シンジとレイを中心に三人手を繋いで散歩に出ていた。
(なんだかアタシ達って家族みたい・・・)
アスカの瞳にはレイとシンジが笑いながら話している姿が映る、平和な日常のひととき、平凡だが嬉しくなってくる。
(アタシってこういうのを望んでいるのかな?)
「アスカお姉ちゃんどうしたの?」
レイはボンヤリと空を見て思いにふけっていたアスカの手を引き首をかしげた。
「ん、なんでもないわよ」
「そう?元気ないからお腹空いてると思っちゃった」
「なんですって〜〜〜?」
「い、いしゃい」
アスカはレイの口に指を入れると左右に伸ばし口を広げてお仕置きを始めた。
「悪い事を言うのはこの口か〜〜〜」
「ひゃ、ひゃめて〜〜〜」
「アスカ、やめなよ〜〜〜」
笑いながら苦しむレイにシンジは助け舟を出すが笑っている。
「うるさ〜〜い、こういうのは小さい時から教育しとかないといけないのよ、ほれほれ〜〜〜」
「うひゃ〜〜〜〜」
すでにお仕置き、教育ではなくレイはアスカのおもちゃと化していた。
(何を言われても腹が立たないわ、逆に楽しくなる。どうしてかしら?)
また思いにふける、その瞬間レイの口に入れていた指がゆっくりと外れた。
「ふい〜〜〜苦しかった〜〜〜、アスカお姉ちゃんひどいんだから〜〜」
「そうね、やりすぎたわごめんね」
レイの少し赤くなった頬を優しく撫でると素直に謝った。
(意地を張らずにすぐにごめんって言える・・・)
「シ、シンジお兄ちゃん、アスカお姉ちゃんがごめんって言ったよ」
「ほ、本当だ珍しい・・・明日は雨かな?」
アスカに聞かれまいと小さな声で呟きあう二人。アスカはそんな二人の声は聞こえずに空を見つめている。
(今のアタシにはシンジがいる、レイがいる・・・みんながいる。この幸せな生活ずっと続いたら良いな)
「アスカお姉ちゃん?」
「アスカ?」
空を見つめ笑みを浮かべているアスカに二人は恐る恐る声をかけてみた。
「ん?どうしたのよ、しけた顔しちゃって。ほらボサッとしてないで散歩の続きよ」
「きゃ」
「うわっ」
アスカは二人の手をぎゅっと力強く握ると力強く足取り軽く歩き始めるのであった。
今回のアスカちゃんはへっぽこ度が少ないですね、ちょっとおセンチアスカちゃんです。
レイちゃんが五歳だとアスカちゃんも素直になれてこういう生活を望んでいるのがわかりますね。
「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
リツコおかあさんシリーズ 夢見る乙女