先に学校〜チルドレン〜を読んでね続編です。
学校2〜チルドレン〜
ケンスケが白くなった以外何事も無く、2時間目は無事に進んだ。
(・・・・・新型が・・・・・・・)
ケンスケ撃沈、白くなった。新機種を手に入れる夢は破れた。
「よっしゃあ!グランドにいくで」
3〜4時間目は体育、トウジは急に元気になり外に飛び出した。
「トウジはいつも早いなー」
「ああいつもジャージだからな」
シンジとケンスケは体操服に着替えながら、話していた。
「いくでーシンジ」
「わかったよ」
男子の体育はサッカー3バカトリオは同じチームになっており、試合をしていた。トウジはドリブルからシンジへのパスをつなぎ、攻撃していた。
「ケンスケー」
シンジからケンスケにパスをだしシュート、だが止められ悔しがる。
「惜しいな」
男子はグランドを走りまわってサッカーを楽しんでいた。女子は隅っこの砂場で走り幅跳びをおこなっていた。
「いくわよ、アスカ」
スタートラインに立ち気合を入れて、走り出す。踏み切り線で奇麗なジャンプ、髪をなびかせて着地をする。
「ふふふ、トップね」
次々と女子が距離を測っていたが、いずれもアスカがだした記録にはかなわなかった。
「やっぱりね、私が1番ね」
距離はアスカがトップになっており、満足していたがその栄光もすぐに消え去った。
スタスタスタ・・・・ジャーンプ!
「なっなんですってー!」
レイがアスカと同記録をだしたのだ。
「どうしてボケっとしているファーストが私と同じなのよ」
アスカは歯をくいしばり、こぶしを震わせ怒りをあらわにした。それを見たヒカリはなんとかなだめようとしていた。
「アスカ、落ち着いて」
「くっ悔しいわ、もう1回よ」
アスカはスタートラインに速攻で走っていくと、クラウチングスタートをして前を見据える。
「アスカ、GO!」
ゴオオオオオオージャーンプ!
「はあはあ、どうファースト」
汗だくになりながらびしっとレイに指をつきつけ、満足に笑う。
トコトコトコ・・・・
しかしレイは無視して、スタートラインに歩いていった。
スタスタスタ・・・・ジャーンプ!
「えっええ?!!」
レイのジャンプはアスカよりわずかに勝っていた。
「くっくう・・・」
「どうしたの?・・・」
アスカはおもいっきり悔しがってるが、レイはその様子をまるで関係が無いかのごとく対応していた、それに汗もかいてなく息も乱れていなかった。
「もっもう1回!」
「アッアスカ、もうやめなさいよ!」
ヒカリの言葉も無視して、またスタートラインに走っていった。
「私は負けられないのよ!」
自分に言い聞かせ、スタートをきる。
「ぜえぜえはあはあはあ、私の勝ちね」
体操服にすいついて、体のラインがハッキリでていたほど汗が噴出していたが、負けず嫌いな性格で腰に手を当てて、レイに指をさした。
「クス・・・・」
レイは口元が少しだけ動くと、またスタートラインに歩き出した。
「なっ・・・・・」
結果はレイの勝ち。アスカは息を切らせながらまた走っていった。
「負けられないのよ!」
「クスクス・・・・・赤毛」
砂場はアスカとレイの戦場と化していた。ヒカリは呆れ、女子達は遊んでいた。
「まったく・・・・・」
その日、中学新記録が次々と連発されていた。
「メシィーーーー!!!」
着替える手間が無いトウジは速攻でパンを口に運んでいた。
「トウジ、少しは待っていてよ」
「すまんの、体育の後は腹が減って我慢できんのや」
シンジとケンスケは着替え終わり、トウジの回りに集まる。
「いただきます」
ケンスケだけがパンに手をつけた。シンジが先に食べてるとアスカが『シンジのくせ生意気』と言ってうるさいので待っていた。
「センセも律儀やな、先に食べたらいいやないか」
「そうはいかないよ」
「夫婦一緒じゃないと美味しくないからな」
「そんなんじゃないよ」
シンジは顔を赤くしながら否定をし続けるが、2人はケラケラと笑っていた。
「まあ惣流がうるさいからな、ホントにシンジ尻に敷かれているな」
「そやな、前途多難や」
「なんだよー」
昼食時間が10分過ぎた頃、女子達が着替えから戻ってきた。
「アスカ、お弁当」
「はあはあ・・・」
「アスカ?」
シンジはアスカの様子がおかしいのに気がついた。口を半開きにして、肩で息をしていた。席に浅く座ると足を伸ばした。
「アスカ、どうしたの?」
「はあはあ・・・・」
返事は無い、するとヒカリがやってきて耳打ちをした。
「実はねアスカ・・・・・・・・・」
内容を聞かされ、驚いた。
「え!?ずっと飛んでいたの」
「そうなのよ、負けず嫌いだから」
「でも、綾波は疲れてないよ」
シンジはすでにトウジ達と昼食を取っていた。汗をかいていないし、息の乱れや疲れた様子もなかった。
「アスカ、大丈夫?」
「はあはあはあ・・・これくらい平気よ・・」
「はい、お昼」
「はあはあ・・・・・・」
弁当を渡されたが食べる気力もなく、机に置かれていた。そこに昼食を終えたレイがやってきた。
「・・・・・」
「・・・・なによ」
アスカは睨みつけているが、レイは気にする様子もなく机に置かれた弁当を見ていた。
「・・・・お弁当」
「は?」
「碇クンのお弁当・・・・・食べないならもらうわ」
弁当に手を伸ばし掴むが、アスカはそれを許さなかった。
「何するのよ!」
「碇クンのお弁当・・・」
「離しなさいよ!」
「イヤ」
2人の取り合いは続いた。シンジはオロオロして、なんとか止めさせようと努力した。
「ふっ2人ともやめてよ」
「ファースト、離しなさいよ!」
「食べないんでしょう・・・」
「食べるわよ!」
「ウソ・・・」
アスカは食べる気力は無かったが、レイにやるのはイヤなので強情を張っていた。
「私が食べるのよ」
「イヤよ、シンジが私の為に作ったんだから絶対にイヤ!」
「え?・・・・」
アスカの言葉にレイは弁当をおもわず離した。
「そうなの・・・」
「そうよ、文句ある」
「・・・・」
レイはうつむくと足取り重く自分の席に戻り、外を見つめた。アスカは弁当を開けるとガツガツと食べだし。
シンジはアスカの言葉を聞いて真っ赤になり、レイの行動を見て心配になり近寄った。
「綾波・・・」
「碇クン・・・」
レイは少し悲しい表情でシンジを見つめた。その顔に一瞬ドキリと胸が鳴った。
「私も食べたい・・・・」
「え?」
「碇クンのお弁当が食べたい・・・・」
シンジはニッコリと微笑み快く返事をした。
「わかったよ。明日作ってくるから楽しみにしててね」
「うん・・・」 (ポッ)
微笑みにレイは頬を赤らめ、遠くから見れば2人はまるでカップルの様だった。しかし黙って見ているわけが無い人物が1人いた。
「ちょっとどうしてアンタが作ってもらわなければならないのよ!」
アスカは頬にご飯粒をつけたまま、レイに指をつきつけて立っていた。
「アスカ、ご飯粒がついてるよ、パクッ」
「あっ・・・ありがと・・・・」 (ポワァ)
シンジの行動に赤くなるが、指はつきつけたままだった。レイは別に相手にする様子もなく、先ほどにアスカをうらやましく思っていた。
(碇クンの・・・・・・・・私にもしてくれるかしら?)
「コラ!聞いてるの」
「何が?」
「シンジに弁当を作ってもらう事よ」
「アスカ、いいじゃないか綾波もパンばっかりじゃ栄養が片寄るから」
「んなもの、ビタミン剤でも飲んでればいいのよ!」
アスカのこの発言にはさすがのシンジも切れた。
「アスカ!そんな言い方はないよ。僕達は仲間なんだよ助け合わないといけないのに、そういったことはやめてくれよ」
「シンジ・・・・」
「アスカ、綾波に謝って!」
シンジは興奮して顔が真っ赤になっていた。クラス中、なりいきを固唾を飲んで見ていた。
「・・・・」
「アスカ!」
アスカはプライドもあり謝りたくなかったが、シンジの最終言葉が発動されると渋々謝った。
「もう作らないよ」
「!・・・・わっ私が悪かったわ・・・・・・ごっごめん・・・」
「これでいいね、綾波?」
「・・・ええ」
シンジは笑顔を作り2人を見た。アスカは渋々席に戻り、レイは微笑んでいた。
(これで碇クンのお弁当・・・・・・赤毛、ブザマね)
明日のおかずを想像してよだれを垂らし、アスカを見てゲンドウ張りに笑っていた。
(じゅるじゅる ニヤリ)
アスカはプライドを傷つけられ復讐の計画が頭をよぎっていた。
(ファーストがあ!!シンジの弁当は私だけのものなのに、月が出てない夜道はせいぜい気をつける事ね、操縦の時に背中に気をつけなさい。フフフフフ)
シンジはすでに明日のおかずを考えていた。
(うーん、どうしようかな?肉はダメだし、野菜に一工夫しようかな)
午後の授業は平和に過ぎていった。
平和ですねえ。勝負はレイに軍配があがりました。
アスカの復讐・・・恐い、実際はしませんけどね(笑)
体育の時間毎回こんなのだったら世界も夢ではありません。アスカとレイ2人で世界を目指そう!(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 学校2〜チルドレン〜