MSU

 NERV本部技術開発部技術一課、赤木リツコはまた悩んでいた。

 「使徒」が襲来するたびに「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン」で、退けているものの次第に、強力になってきておりパワー不足は否めない。

 以前開発した『RXシリーズ、パーツ』は自信作だったが、ミサトやアスカ達にやめてくれと言われその役目を終え倉庫に入れられほこりをかぶっていた。

「はあー・・・・」

 研究室で愛用の猫ちゃんマグカップでコーヒーを飲み、一息つける。

「どうして、気に入らなかったのかしら?自信があったのに、また新開発しないと使徒に負けてしまうわ」

 コンピュータにむかい、新設計の武器をシミュレーションしてみる。

 カチャカチャカチャカチャ 静かな部屋にキーの音が響きわたる。

「だめだわ!こんなものでは使徒には勝てない。もっと強力な武器を、RXシリーズ、パーツに負けない作らなくては」

 カチャカチャカチャカチャ また武器のシミュレーションをする。

「だめ!やりなおし」

 カチャカチャカチャカチャ

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

 開発は続く、リツコはふと時計を見ると、もう深夜をまわっている。

 一休みすることにした。コーヒーをいれタバコをふかし一息つく。

「ふーー、難しいわね」

 疲れた目頭をおさえ、考える。

「何か、いい方法はないかしら」

 コーヒーを飲み思案しているとまた雑誌が眼に入ってきた。リツコはそれを手にとってページを開く。

 ピカッチュウ!!

 全身に100万ボルトの電撃が走る。

 リツコは震えた、その眼が妖しく光る。

「ふふふふ、これよ、これ!」

 リツコは何かにとりつかれた様に、コンピュータの前にむかい、キーを押し始める。

 カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ

「いいわ!いいわ!」

 リツコの勢いは止まらない。もはや誰も止められない。開発部をまきこんで、このまま10日間徹夜するのだった。

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

「かっ完成よ!これで使徒は怖くないわ」

 バタン!

 完成を喜びそのまま倒れ、爆睡する。

・・・

・・・

・・・

「えー?また中止、リツコは何やってんのよ」

「本当にリツコさんは、どうしたんですか?」

「・・・」

「ごめんなさい。リツコ最近徹夜が続いているみたいけど。それにウワサだけどまた開発しているらしいわよ」

 ミサトの言葉に3人は呆れた。

「またなの!リツコは・・・ホントッあきれるわ、あれは格好が悪かったわ。そう思うでしょ?シンジ」

「えっ、あ、う、うん」 (でも僕はあれでよかったけどな)

 アスカの悪口に相槌をうつシンジ、レイもうなづいている。

「ミサト!大丈夫なの?またこんな状態で使徒が攻めてきたら、まあ私にかかれば関係ないけれど」

「そうですよミサトさん」

 アスカは腰に手をあて自信が有るが、シンジは不安でたまらない。

「私も心配なんだけどリツコは完成したら、使徒なんてフンって鼻で笑っていたけど…」

 ミサトも心配そうだ。

「その心配はないわ」

「「「「!!!!」」」」

 その声に振り向くとリツコが立っていた。

「待たせたわね、完成したのよ。これで使徒は殲滅できるわ」

「リッリツコ、あんたいったい?」

 リツコの不敵な笑みに、ミサトは寒気を感じた。無論他の3人も感じた。

「まっまあ、それで使徒を倒せるなら」

 ミサトは冷や汗をかいている。リツコの眼があぶない。

「テッテストはしなくていいんですか?」

「ふっ問題無いわ。シンジ君」

「ひっ」

 怪しい笑いにシンジはひきつる。アスカもレイもひきつった。

「ま、まあこれで使徒が倒せるから、それより今度開発したやつは格好悪くないんでしょうね?」

 アスカはリツコの発明を信じ?やる気がみなぎる。

「ふっ問題無いわ。アスカ」

「・・・本当かしら・・・・」

 レイは疑っていた。リツコの発明はロクなものがない、使用を拒否することもできるがあとが怖いので、やめた。

 その時 室内に非常の音がこだまする。

「「「「「!!!!!」」」」」

「使徒?」

 ミサトは連絡をとる。

「日向君!どうしたの?」

「使徒です!使徒が出現しました!」

「「「「「!!!!!」」」」」

 五人に緊張がはしる。

「アスカ、シンジ君、レイ!急いで準備を」

「わかったわ」

「わかりました」

「了解」

 3人はロッカールームに走りプラグスーツに着替える。

 ミサトとリツコは急いで作戦室に走る。

「状況は?」

「はい、西5キロの位置に停止しています。動きはありません」

 ミサトはモニターで確認し、3人に指示を与える。

 3人は準備ができエントリープラグに入り、EVAに挿入される。

「まだ使徒は動きをみせていないから、3人とも距離をおいて様子をみて」

「えー?動いてないなら、さっさと攻撃すればいいじゃない。リツコの発明もあるんだから」

「だめだよアスカ!危険だよ、何をしてくるかわからないよ」 (リツコさんの発明も危険だけど・・・)

「うーわかったわよ」

「了解」

 ミサトの指示に納得がいかなかったアスカだが、シンジに言われ渋々承諾した。

「そうよ、指示は出すから」

「ふっミサト、その心配は無いわ」

「へ?」 (またなの?)

 後ろを向くとリツコが腕を組み笑いを浮かべている。

「3人とも発射したら攻めていいわ」

「・・・リツコ?危険よ!」

「問題無いわ。私の発明は完璧よ」

「・・・・・」 (どこが・・・)

「どうしますか?」

 日向がスタンバイの準備ができ合図をまっている。ミサトはリツコを見たが・・・眼が危ない。

「わかったわ。三体とも発射して、それから3人とも、攻撃してもいいけれど、くれぐれも慎重にね」

 ミサトはリツコの姿に観念し命令をだした。

「わかったわ!」

「わかりました」

「了解」

「エヴァンゲリオン零号機、初号機、弐号機、発射!!」

 三体が次々に発射されていく。

「リツコ、発明って何を作ったの?」

「ふっ、後のお楽しみよ」

「・・・・はっはは」 (だめだわ・・・)

 リツコの言葉にミサトは汗をかいて笑っている。

 地上では・・・・・

「ねえアスカ、リツコさんの発明って何だろう?またパーツみたいなものかな」

「さあ?でもリツコのことだから、あれは格好が悪かったわ」

「はは・・」

 そんな会話をしながら使徒に近づいていく。使徒はまだ停止している。モニターをみつめるミサト・・・・

「リツコ、大丈夫なの?」

「心配しなくていいわよ」

 リツコは自信たっぷりだ。 4キロ、3キロ、2キロ、1キロ・・・・その時。

 ピカッ、人型をした一つ目が光る。背中から翼が飛び出し動き出す。そして空を飛ぶ。

 サーサー!!

「飛んだわ、シンジ、ファースト攻撃よ」

「わかったよ」

「わかったわ」

 3人はライフルで攻撃する。しかし素早くて当たらない。

 使徒が急降下してパンチが弐号機を捕らえる。

 ボクッ!!!

「うっ・・・」

「アスカ!!」

 弐号機が飛ばされる。使徒はまた空にもどる。

 初号機はジャンプし、零号機がライフルを発射する。が間に合わない。

 ドン!!

 ドガ!!

 空から連続攻撃、シンジもレイも上空からの攻撃に対処しきれず、一方的に受けていた。

「うっうう」

「シンジ君、レイ!!」

 モニターを見ミサトが叫ぶ。

「リツコ!発明はどうしたの?パイロットのピンチなのよ」

 リツコを睨み、怒鳴る。が不敵な笑みは続いている。

「わかったわ、ミサトそろそろね」

「はっ?」

「マヤ、準備はいいわね?」

「はい、先輩!」

 マヤに言うと、作戦室に声が響き渡る。

MSZシリーズ,パーツ発射!!!

 カチャ…ドーーーーーン!!!

 格納庫からパーツが飛び出し、それぞれのEVA装着していく。

 カチャ、カチャ、カチャ、ピーン!!

 装着を終えた零号機、黄色いV字アンテナRX−78−2を受け継ぐ容姿、まるでMK-U。

 初号機、額にハイメガ粒子砲、背中にビームサーベル、両腕にシールド、まるでZZ。

 弐号機、ダブルV字アンテナ、細長いシールド、黄色のエアダクト、まるでZ。

「・・・・・リッリツコ、あれなに?」

 ミサトはこけそうになりながら、リツコに問い掛ける。

ふふふ、あれわねミサト。そう機動戦士ガンダ…もとい、

機動戦士エヴァンゲリオンZZよ!!!

 リツコの瞳が激しく光り、燃えている。

「はっ?」

「知らないのミサト?機動戦士ガンダムZZ。TVとしては最後の連邦軍対ジオンの作品よ」

「まあ、知っているけど、なぜZZガンダムなの?」

「それはね、RXシリーズが不評だったから、私は悩んだわ。でもこれなら大丈夫よレイのはMSZじゃないけどZZにでているからOKね」

 リツコはこぶしを震わせて力説する。ミサとは頭を抱え呆れている。

「はあ・・・・そうですか」

 一方、シンジ達はいきなり装着されたパーツに戸惑っていた。

「今度は額に、それに大きい」 (なかなかカッコイイヤ)

「リツコ!なかなかいいじゃない、スマートで気に入ったわ」

「どうして私だけ違うの・・・」

 レイ以外の二人は気に入っていた。

「ふふふ、アスカ座席の下のレバーを引いてみて」

 リツコは満足してミサトに代わり指示をだしていた。

「これ?」

 ガシャ!

 アスカがレバーを引くと、弐号機が戦闘機のように変形した。

「なにこれ?」

「アスカ、ウェイブライダーよ!空を飛べるわ」

「リツコ、なかなかやるじゃない」

 アスカは空に飛びだった。

「シンジ君、レイ」

「!はっはい」

「はい」

「シンジ君、使徒を捕らえたら、額のハイメガ粒子砲で攻撃よ。一瞬で消えるから」

「はっはい!わかりました」

「レイはシンジ君を援護して」

「了解」

 燃えるリツコを見たミサトはサジを投げている。

「さあ3人とも、MSZシリーズの威力をみせるのよ!!」

 シンジ達は動いた

「シンジ!!しっかり狙いなさいよ。外したら承知しないわよ」

「わかっているよ!綾波援護して」

「わかったわ」

 シンジは使徒に標準を向けていた、アスカは使徒とドックファイト、レイは地上からビーム攻撃。

「このーー!!」

 アスカは見事な操縦で使徒の動きを鈍らせる。レイの援護。

 バシューバシューー

 アスカとレイのプレイに一瞬使徒の動きが止まる。

「いまだ!!」

 バーーーー!!!

 シンジはハイメガ粒子砲を放つ、見事に使徒を捕らえ消滅する。

「やった!」

「シンジよくやったわ」

「碇クンおめでとう」

 使徒を倒し、喜び合う3人、ミサトも胸をなでおろした。

「ふうーよかったわね」

「ふふふ、さすがねMSZシリーズ。最高のできだわ」

 みんなリツコに呆れた。

「・・・・リツコさん怖い・・・・」

「リツコ、完全なビョーキね」

「・・・・・」

「先輩…どうしたんですか?」

「まったく」

 リツコは自分に酔っていた。

「ミサト、どう今回の発明は?」

「まっまあ、よかったわ・・・」

なんなの?その返事は!まったくガンダムの素晴らしさがわからないの?こんどDVDかしてあげるから見た感想をレポートに書いてくるように

 一人仁王立ちになり、燃えている。ミサトが呟く。

「はー、このMAD SCIENTISTが」

「違うわよ!MOBILE SUITよ!!」

 ミサトはおもいっきりズッコケ、リツコはモニターで勇姿をいとおしく眺めていた。

 赤木リツコ、過激なMAD SCIENTIST そのU


 MSの続きでただRXをMSZにしただけです。

 内容もMSを少し変えただけで、ひねりもありません。

 読んで下さっている皆さんすいません。m_ _m

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION MSU