雨の日2nd

 ザーザー!ザーザー!

 今日も朝から雨が降っていました。アスカちゃんはリビングで寝転がって外を眺めていました。

「あーあ、つまらないな」

 ゴロゴロ!ゴロゴロ!

 アスカちゃんは転がりながら外を蒼い瞳で見ていますが、いっこうにやむ気配はありません。そう今日の天気予報も朝から100%です。

「もーつまらないー!」

 バタバタ!バタバタ!

 手足をばたつかせ、子供のように騒いでいました。

「どうしたの?アスカ」

 騒音に気づき後片付けを終えた主夫シンジ君が、台所からやってきました。

「つまらないのよー」

 バタバタ!バタバタ!

「え?どうして」

「アンタバカァ?外を見ればわかるでしょう、雨で遊びに行けないじゃないの」

「そっそうだね・・・」

 シンジ君は納得して外を眺めました。薄暗くて雨はやむ気配はありません。

「しかたないよ」

「しかたなくても、つまらないのよー」

 バタバタ!ゴロゴロ!

 アスカちゃんはダダッコのように騒ぎました。シンジ君はその様子を頭を抱えて見ていました。

「・・・・・・・・・アスカ・・・・・」

「ブーブー!つまらないーー」

 ブーイングが飛び出す始末、シンジ君はこの状況を何とかするために考えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ!アスカ、ゲームでもしようか?」

 雨の日はゲームと相場が決まっています。しかしアスカちゃんは。

「えー面白いソフトないもん」

「・・・・そうだね」

「でしょう」

 納得したシンジ君、しかしそれでは状況を打破することはできません。

(なに納得しているんだ僕は・・・・そうだ!)

「僕と対戦しようか?」

「シンジ弱いもん」

「・・・・そうだね」

「でしょう」

 そうシンジ君は弱かった。アスカちゃんと対戦して勝率は一割でした。

(どうしてアスカは強いんだろう?)

「シンジ!新しいソフト買ってくれば」

(そうか新しいゲームを買ってくればいいんだ)

 シンジ君は勝利を確信しました。

「もちろんお金はシンジ持ちね」

「・・・・・・・・」

 ニッコリアスカちゃん、ガックリシンジ君。

(別な方法を考えよう)

 シンジ君は思案しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの?買わないの」

「アスカ、部屋の模様替えでもしない?手伝うよ」

「なんでよ」

「もうすぐ夏だから、部屋も夏用にしたら楽しいよ」

「・・・・いいわね」

 シンジ君精一杯のアイデア、アスカちゃんもノリ気です。

「始めようか」

「シンジ!」

「?」

 アスカちゃんは手を差し出しました、シンジ君は訳がわからず悩んでいます。

「何?アスカ」

「アンタバカァ?お金よオカネ!模様替えするなら、色々と買うものがあるでしょ、シンジが出してよね」

「模様替えって家具の配置を換えるだけだよ」

「それじゃあ、模様替えって言わないのよ!」

「・・・・・・」

 シンジ君絶句、アスカちゃんはまたゴロゴロしました。

(うーん、お金を使わない方法を考えよう)

 シンジ君は頭をひねりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ、模様替えしないの?」

「アスカ、勉強を教えてよ」

「なんでよ」

「わからないところがあるんだ、教えてよ」

 シンジ君はこの前のテストが悪かったので、教えてもらおうとしました。そしてアスカちゃんは。

イヤ!

「え?」

 シンジ君は一瞬わかりませんでした。

「だってシンジ、頭悪いもん」

「・・・・・・・」

 シンジ君は心で泣きました。

そんなに悪くなーい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シンジ君は懲りずに言いました。

「アスカ!ストレッチしようか」

「なんでよ」

「ゴロゴロしていたら、アスカふとるよ」

 女の子には禁句の言葉、このときアスカちゃんは目にも止まらない速さでシンジ君の間合いに入りました。

このバカシンジー

 バキ!

「ぐえ!」 

 アスカちゃんの右ストレートが炸裂、シンジ君はその場に倒れました。

私はふとらない体質なのよ!

「・・・・・・・・・・・・」

「フン!」

 アスカちゃんご立腹、シンジ君沈黙。

 

 

 

 結局アスカちゃんは一日中ゴロゴロして、シンジ君は女の子には言ってはいけない言葉を憶えました。

おちまい

 

 

 

 

 

 

(*。*)番外(*。*)

 先ほどアスカちゃんの大きな声で、ミサトさんは何事かと自分の部屋から様子を見にきました。

「あらーシンちゃん」

 そう右ストレートで沈黙したシンジ君がいました。

 

 この時ミサトさんはおもいつき、ゲンドウばりのニヤリとしました。

 ガチャ!

 冷蔵庫に素早く行き持てるだけのエビチュ・ビールを持って部屋に戻りました。

 プシュ!

 ゴクゴクゴク。

 豪快なイッキ飲み、ミサトさんはしあわせそうです。

「プハー、美味しいわね!シンちゃんにこごとを言われなくてすむわ」

 そうシンジ君はミサトさんにビールはご飯の時だけと決められていましたが、ビールが三度の飯より好きなミサトさんは我慢できませんでした。

 今、シンジ君は気絶しているので、この時とばかりに飲みまくり、後はシラバックレました。

「毎日こうだと良いわね♪」


 2頭身バージョンです。

 とりあえず、設定は雨の日の次の日です。

 そろそろ梅雨になりますが、今書いているとき雨が降っていて、ジメジメのイヤな時季は早く過ぎ去ってほしいものです。遊びにも行けません。

 アスカの対応にシンジも苦労しますね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 雨の日2nd