朝 〜ミサト〜
太陽が東から昇り、鳥たちがさえずり始め、街が目覚める。そして女性の一日が始まる。
ジリリジリリジリリジリリ
「グウグウグウ…グウ」
ジリリジリリジリリジリリ
「グウグウグウ…グウ」
ジリリジリリジリリジリリ
「グウグウグウ…グウ」
ジリリジリリジリリジリリ
「グウグウグウ…グウ」
女性は眠り続ける。ゲシッ 目覚し時計がたたかれ、息の根が止まる。
「あーあ、いい朝ね」
女性の名は、「葛城ミサト」nerv本部戦術作戦部作戦局第一課所属、そしてこの家の住居主である。
ミサトは、あくびをしながら寝癖がかった頭をかきながら、部屋をでる。
「あー、いいにおい」
台所からいいにおいがしてきた。そこでは少年が朝食をつくっていた。
「シンジ君、おはよう」
「おはようございます、ミサトさん」
挨拶をした少年は「碇シンジ」同居人兼部下兼主夫?である。ほぼ毎日の生活は彼が仕切っている。
ミサトはシンジが朝食を作り終えテーブルに配膳しているのに手伝わずに冷蔵庫を開け、ビールを取り出しイスに座るやいなやビールを開け豪快に飲み干していく。
「くうっーーー、この一杯のためにいきているのよね!!!!」
ミサトは朝から大好きなエビチュ・ビールを飲めてご機嫌である。がシンジはその様子をジト目でミサトをみている。
「ミサトさん、朝からやめてください。酔ったまま、nervにいくんですか?」
「いやーね、シンちゃん。私にとってはビールなんて水みたいなものよ、酔っ払うわけないじゃない。どう?シンちゃんも一杯、美味しいわよ」
「いりません! 早く食べてください」
ミサトは缶をブラブラさせながら、シンジをからかう。
「はいはい。じゃあ、いただきます」
ミサトは用意された日本人の朝食を、とっていく。
(モグモグ、やっぱりシンちゃんのごはんは美味しいわね)
美味しさに堪能している。
どたどたどた!!!
「シンジッ!!!」
シンジが弁当の用意をし、ミサトが食べているとき激しい足音、声とともに少女が濡れた頭にタオルを体にバスタオルを巻いて台所に乗り込んできた。
少女の名は「惣流・アスカ・ラングレー」もう一人の同居人兼部下である。
「!…」
「どっどうしたんだよ?アスカ」
シンジはアスカの身体に一瞬とまどったが、冷静に対処した。
「あんたねえ、シャンプー無いから買っておくように言ったのに、買ってないじゃない!!」
「え?ちゃんと買ってきたよ。洗面台に置いていただろ」
シンジはちゃんとシャンプーを買ってきたのに、そのように言われてムッとした。
「アンタ、バカァ?あんな安物のシャンプーじゃ私の髪は綺麗にならないわよ」
「それなら、ちゃんと言えばいいじゃないか!」
「フン、言わなくてもわかるでしょう。ホントッ気が利かないわ」
「シャンプーなんてどれもおなじだろ」
シンジは買ってきたのにバカ呼ばわりにされ腹が立った。ミサトはこれはと面白そうに見ている。
(プッ、朝から面白いものが見れるなんて、いい一日になりそう♪)
「同じじゃないのよ!!いい?明日までには買っておきなさい」
買ってきたのにまた買いに行かされる、シンジは流石にきれた。
「アスカが自分で買いに行けばいいだろ。自分のこと何だから」
「なんですって?シンジの仕事でしょ、私がやる必要はないわ」
「なんでだよ?アスカが買いに行けよ」
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
二人とも熱くなっている。互いにただシャンプーを買うことだけなのに、もう十分は言い合っている。ミサトはただ酒の肴にと傍観を決め込んでいた。
(シンちゃんも大変ねえ…まっ私は楽しいけれど)
言い争いは続く・・・・・その時。
ハラリ…、…、ポト…。
ミサトはビールを飲み干しながら
「あらまー、だいたん」
アスカを巻いていたバスタオルが床に落ちのた。 一瞬、時が止まる。
「H、変態、バカシンジッーー!!!」
バッチーーーン!!!
アスカの平手打ちがシンジを頬を捕らえる。シンジが宙を飛び床に倒れ気絶する。
バスタオルを拾い上げ、身体に巻きながら気絶し頬に手形のついたシンジを睨み付けるが、別の世界に飛びだっており意味が無い。アスカはバスルームに戻りもう一度シャワーを浴びなおした。
シンジは気絶している。
「………」
シンジは気絶している。
「………」
「シンジ君、大丈夫?」
ミサトはさすってみるが起きない、とりあえずシンジをそのままにして冷蔵庫にむかい、朝二本目のビールを取り出す。
プシュッ!ビールを口に運ぶ。
シンジは気絶している。
「………」
シンジは気絶している。
「………」
アスカがシャワーを浴び終え、朝食をとりにやってきた。気が収まらないのか、気絶しているシンジを蹴り飛ばす。
「フン」
ミサトは今朝2つ目のビールを飲みながら、二人を見ている。
(プッ)
「アスカ、シンジ君を起こしてあげれば、このままじゃ遅刻するわよ」
シンジは気絶している。
「………」
「いやよ!こんな変態、遅刻すれば!!」
「事故だったんでしょ」
「事故でも何でも、私の身体を見たんだから犯罪よ」
アスカは朝食をとりながらも、怒りが収まらない。
「またまたー、本当はみせたいんでしょ?シンちゃんに。恥ずかしがっちゃて」
「なっなっなんですってー、どうして私がこんなバカシンジに見せなくちゃいけないのよ!!」
アスカは顔をリンゴのように真っ赤にして箸を叩きつけた。ミサトはその光景を楽しんだ。
「何も言わなくてもわかるわよ。好きな人にしか見せたくないのに、私がいたからねえ」
(あー、からかうのは楽しいわ!)
今のことばで、アスカは顔を熟したリンゴのように真っ赤にして手を台に叩きつける。ミサトはその光景を楽しんだ。
「どっどっどうして私がバカシンジのことを好きなのよ!!」
アスカは声が大きくなってミサトを睨み付けるが、ミサトは動じないビールを飲みつづける。
「私はあなたたちの保護者なのよ。そのくらい判っているわよ。いいのよ恋愛は自由なんだからどんどんやっちゃいなさい」
にこやかな顔をしてアスカに言う。
「なっなにがやっちゃいなさいよ!!いやらしい!!万年発情期のミサトとは違うのよ!!」
アスカはミサトの言葉に赤くなりながら、指をつきさす。しかしミサトは笑いながら反撃する。
「あれー?やっちゃいなさいって、私は恋愛をたくさんしなさいって事なのに、万年発情期ってアスカは何を考えていたの?あんなことやこんなこと?」
(ニヤリ)
ミサトは両手を組み口元にあてて薄笑いを浮かべアスカをみつめる。
「なによ、アンタがいやらしく言うからいけないのよ」
「えー?普通にいっているだけよ。アスカこそ万年発情期なんじゃないの?」
ミサトは笑いをこらえながら反撃する。酒の肴をからかうのが楽しくて仕方がない。
「くっ…フン」
アスカはこれ以上言っても言い返されると感じ、急ぎ足で自分の部屋に戻った。バチンふすまが乱暴に閉められ、プレートが揺れている。
ミサトはアスカの背中を見ながら2本目のビールを飲み干した。床には気絶したシンジか転がっておりペンペンが頬をたたき起こそうとしている。
「ペンペン、頑張ってね」
起こす役はペンペンに移っている。
「クワ クワ クワ」
シンジは気絶している。
「………」
シンジは気絶している。
「………」
シンジは気絶している。
「アスカも可愛いわねえ、赤くなっちゃて」
バタン!アスカの部屋のふすまが乱暴に開けられ、閉められた。学校に行く準備を整えズシズシと玄関に向かった。
「どうして私がバカシンジのことを好きなのよ。ミサトも目がおかしいんじゃないの」
アスカは怒りで独り言を言いながら靴をはいた。それを聞いていたミサとはこっそり玄関にきて。
「あらー私は両目とも2.0よ」
その声に驚きアスカは後ろを見た。ミサトが笑いながら立っていた。
「フン、2.0なんて嘘なんじゃないの?人を見る目がないわ!」
「そうかしら?シンちゃんと一緒に行かないのまだ気絶しているけど」
「いいわよ!あんなスケベ、遅刻すればいいじゃない」
そう言うとアスカは走ってマンションを出ていった。
「んー、まだまだアスカも若いわね」
まるで悟りを開いたようにミサトは口にする。アスカを見送った?酒の肴にしたあと台所に戻る。そこにはまだ気絶しているシンジをペンペンが頬をたたき起こしていた。
「クワ クワ クワ」
「クワ クワ クワ」
シンジは気絶している。
「………」
シンジは気絶している。
なかなか起きない、ペンペンは気あいを入れてシンジの顔めがけてキックをお見舞する。
「クワッーーーー!!!」
バチィーーーン
決まった。ペンペンの両足がシンジの顔に見事に入り、目をさます。
「クワッ!クワッ!クワッ!」
「はっ!ここは?あれミサトさん、どうしたんですか?」
シンジは痛い顔をさすりながら、今までの記憶が無いのかミサトにたずねる。一方で大役?を終えたペンペンは満足して朝食を取る。
「…もういいわ、それよりシンジ君、時間大丈夫?遅刻するわよ」
ミサトは本当はからかいたかったが、遅刻すると思い止めた。が夕食時にからかおうと思った。
(夜が楽しみね!)
「えーー?ホントだ!遅刻しちゃう早くしないと」
シンジは少しでも朝食を取り、後片付けをする。
「いいわよ、私がやっておくから、早く準備をして」
「はい、ありがとうございます」
シンジは部屋に戻り、鞄を持ち玄関に急いだ。靴を急いで履くシンジにミサトが声をかけた。
「シンジ君、アスカとうまくやりなさい」
「はい?」
シンジは意味がわからなかった。
「どういう意味ですか?」
「………」
ミサトは一瞬こけそうになった。
「憶えてないの?アスカの身体を見たんでしょう」
「……!あっーーーー!!!」
今朝のことを思い出し、シンジは赤くなった。無論アスカの身体をみて、ミサトは笑いを浮かべまた酒の肴にと面白がる。
「やっと思い出したの、綺麗だったわねー アスカのカ・ラ・ダ!」
シンジはますます真っ赤になり、ミサトはますます面白くなる。
「そっそんなんじゃないですよ!いいかげんにしてください」
「あらあら、いいのよ健康な男の子なんですから」
「……いってきます」
シンジは早くその場を逃げ出したく急いで外に出た。顔はまだ真っ赤である。一方ミサトは
「今日も朝から面白かったわね。まったくあの二人を見ていると飽きないわ、夜も面白そうね。早く帰ってきましょう」
ミサトは夜の出来事もといハプニングを期待して、身支度を整えマンションを出て行く。
駐車場に行き、愛車ルノー・アルピーヌに息を吹き込む。激しいエンジン音とのこし、マンションをあとにした。
「ん、なにか忘れてるような? まっいいか、別に大事なことじゃないでしょう♪」
忘れているのは、自分が片付けるといった食器を片付けなかったことであった。
はっきり言ってゲーム版に少し足しただけでオチもありません。こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
これは 朝〜シンジ〜 朝〜アスカ〜と連動しています。
NEON GENESIS: EVANGELION 朝 〜ミサト〜