登校〜アスカ〜

「バカシンジなんか、口をきいてやるもんか」

 つぶやくと、遅刻が気になり走っていくアスカであった。

 途中まで走った。でも歩いても間に合うので歩き出し、アスカは怒りながら学校にむかう。

 ズカズカズカ!

 足音まで怒りがこもっている。

「あのバカシンジは、ホンットに」

 今朝の出来事が頭から離れない。

このことは朝〜アスカ〜編でわかります。

「私の裸をみて、そのうえくちごたえするなんて許せないわ」

 裸のことはいいとして、くちごたえで怒られるシンジは惨めである。

「このっ!!」

 転がっていた空き缶を蹴飛ばす。

 コーン、ガツン!!

「いたたたたっ」

 蹴った空き缶は電柱に、当たりはね返ってアスカの頭にHIT。お約束。

もー、なんで当たるのよ!!

 頭をさすりながら、自分の否を認めない。

 グシャッ!!!

 空き缶を踏み潰す。それも硬いコーヒー缶をペチャンコに。

「こうなったのも、バカシンジのせいよ!!どうなるか憶えておきなさい」

 …シンジのせいではない。アスカは学校に向かった。

 学校についたアスカ、下駄箱で上履きに履きかえる。今日もラブレターの山が足元に落ちる、怒りで一段と強く踏みにじった。

「このっ!このっ!」

 教室、親友のヒカリが声をかける。

「おはよう!アスカ、今日は遅かったわね」

「おはよう、ヒカリ!そんなことないわよ」

「……」

 ヒカリは声の変化で、いつもとは違うアスカに気づいた。

「どうしたのアスカ?何かあったの、碇君は一緒じゃないの?」

知らないわよ!バカシンジなんて

 ビクッー、ヒカリや他のクラスメイトはアスカの大声に驚き、アスカは席に座る。

(アスカがこんなに怒るなんて、碇君何をしたのかしら?)

 ヒカリは二人に何があったか知りたかったが、アスカに聞ける雰囲気ではないのでやめた。そしてシンジが来たら聞こうと思った。アスカは今朝の事に空き缶の痛みがプラスされていた。

(とりあえず、そっとしておいたほうがいいわね)

 ヒカリはアスカの席を離れた。

 授業開始まで、あと六分。教室にはそろそろ全員が登校してきた。「3バカトリオ」の二人鈴原トウジと相田ケンスケもやってきた。

「なんやー!シンジはまだ、きとらんのか」

「そうだね、あれ惣流が来ている。珍しいな」

「そうやな、いつもはシンジとくるのに」

「なんか、あったんじゃないか?」

「そのようやな、惣流の態度がなんか違うみたいや」

 二人はアスカを見て何かあったと感じた。クラスメイト全員が感じていた。

 授業開始まで、あと五分。

遅い!あのバカシンジは、なにしてんのかしら

 アスカはシンジの到着に、まだかといらだっていた。

(私の裸を見た上に、口ごたえして、遅れるなんて地獄行きね)

 …恐ろしいことを考えているアスカに、トウジがちょっかいをだした。

「なんや、惣流!愛しのシンジがおらんで、寂しいんか?」

 ダン!

 机を叩き今朝の怒りと今の怒りがアスカを刺激する。

何ですって?私がバカシンジを寂しいですって?

「おっおおう」

 トウジを殺意のこもった瞳で睨むアスカ。トウジはヤバイと感じ、からかうのをやめた。

(コッコワ、こりゃあ相手にしてたらどうなるか、わかったもんやない。シンジなにしたんや?)

 トウジは退散し、シンジの身を哀れに思った。

(シンジーーー!)

「アッアスカ!」

 親友のヒカリも近寄りがたく、アスカの席の回りはATフィールドと化していた誰も止められない、クラスメイトは血の雨が降ると、予想した。

 シンジはまだ着いていない教室ではアスカが回りの席の生徒を怯えさせながら、到着を待っていた。

(シンジ、どうなるか楽しみにまっていなさいよ)

「ふふふふ」

 不気味な笑いが、クラス中を震えあがらせる。

  クラスメイトはシンジが何をしたのか知らないがシンジが来たら教室は修羅場と化す、最期の別れと思った。

 キ―ンコーン!! カーンコーン!!

 チャイムが鳴り響く。

(あのバカ遅刻ね)

 授業が始まった。アスカ怒っていたが、退屈な授業で眠くなる。

(あーあ、つまらないわね)

 アスカはウトウトし始めた。

 そんな中、一人の少年が。

(あーあ、退屈だな)

 授業が退屈なケンスケ、あくびをしながら、ふと外を見ると。

!!!!!!」(あれはシンジと綾波、手をつないでいる)

 眠気が一気に吹っ飛び、歩く二人を観察している。

(シンジの奴、綾波と…しかしこんなとこ惣流に見つかったら地獄だぞ)

 ケンスケはアスカを盗み見たが退屈そうで寝そべっている。

(ひとまず安心だな。シンジめ!惣流がいるのに綾波なんかと……!!)

 何か思いついたのかケンスケの眼鏡が、妖しく光る。机からデジタルカメラを取り出し、二人の姿を盗みとる。

(そろそろ新しい機材がほしいとこだったからな、シンジに見せれば高くかってくれるだろう)

 音がしないデジタルカメラで何枚もとっていく。眼鏡が妖しい。

(シンジ悪く思うなよ)

 アスカは半分眠りながら思っていた。

(シンジー、ふふふふ) ボキッボキッ

 ケンスケは映像をチェックしながら。

(シンジ、悪く思うなよ。小遣いがピンチなんだ)

 そしてシンジが来るのを待つのだった。


 一応、朝〜アスカ〜の続編です。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 登校 〜アスカ〜