ちょっちアスカちゃん、その2

「暑い・・・・」

 猛暑の葛城家、アスカはリビングで扇風機に大の字に横になり、グロッキー状態になっていた。

「もう、最低ね」

 汗を全身にかきながら稼動してないクーラーを恨めしそうに眺めていた。昨日の夜に使いすぎたのかイキナリ沈黙、故障したのである。

「・・・・・」

 外は猛暑のおかげでかげろうができるほどであった。アスカの瞳は集中しておらず朦朧としていた。

「扇風機が全然役に立たないわ。熱い空気を混ぜるだけで不要ね」

 愚痴をこぼしながら、台所に行き冷蔵庫を開ける。

「気持ちいー」

 冷気が全身にあたり一気にパラダイス、恍惚の笑顔になる。アスカは顔を冷蔵庫にいれていた。

「ただいまー」

 そこへ買い物を済ませたシンジが帰ってきた。台所のアスカを見て驚いた。

「ア、アスカ!何をして?」

「見てわからないの?涼んでいるのよ」

「涼むって・・・アスカ」

 シンジは、はたから見るとみっともない格好に呆れていたが、アスカはそんな事お構いなし。

「扇風機があるだろ、それに開けっぱなしにしていると冷気が逃げて食品が痛んじゃうよ」

「扇風機なんて熱い空気を混ぜるだけで、全然役に立たないわ。私はここがいいの!」

 アスカはワガママ言って、頑として動こうとはしなかった。シンジは呆れるだけであった。

「修理が3日後なんて最低!」

「しょうがないよ。忙しい時期なんだから」

 電気屋に修理を依頼したところ、どこも忙しくて早い店で3日は待たなくてはならなかった。

「アイス買ってきたから、離れようよ」

「アイス!うん」

 冷蔵庫を素早く閉めると、イスに座る。

「いっただきまーす。つめたーい」

 暑さを冷ますように、早口で食べていく。シンジはアッケに取られていた。

「ごちそーさま。シンジ食べないの?ならもらうね」

「あっ」

 シンジが気づいたときにはすでに手元にはアイスは無くなって、アスカの口に運ばれていた。

「ごちそーさま!さてと」

 アスカはイスから離れるとまた冷蔵庫を開けて、顔を入れた。

「サイコー」

「・・・・・」

「さわー」

「・・・・・アスカ」

「ふわー」

「アスカ」

「なに?」

 アスカは冷蔵庫に顔を入れたまま返事をする。

「やめようよ」

「イヤよ暑いんだもん。やめさせたかったらクーラーをなおしなさい」

 メチャクチャな事を言うアスカ、シンジはこめかみがピクピク動いていた。

「じゃあね、涼しくなる話しをしてあげるよ」

「話し?そんなんで涼しくなったら電気屋なんて商売上がったりね」

「いいから、聞いてみて」

「わかったわよ」

 2人はイスに座るとシンジは、ひときわ真面目な顔をして話し始めた。

「真夏の夜に・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なによそれは・・・・ま、まったくよくできた作り話ね。こ、子供だましだわ」

 アスカは強がっているが、身体は震えていた。

「じゃあもう1つあるんだ」

 ガタガタガタガタ!

「ま、まだするの?じっ時間の無駄よ!」

 震えが一層激しくなっていき、イスが音を立てる。

「あれはたしか、海での出来事なんだ」

「もう、あきちゃったわよ!は、早くご飯の用意をしなさい」

 アスカは席を立つとリビングに逃げていった。シンジは上手くいったとガッツポーズをしてた。

「ま、まったくなにが涼しくなる話よ」

 テレビをつけるが、扇風機はつけなかった。

「ひっ!」

 ぶるぶるぶる!

 つけたチャンネルは丁度怖い話しをやっていた。アスカは急いでチャンネルをかえようとする。

「あれ、アスカこれを見ればもっと涼しくなるよ」

「うっさいわね。涼しくなるわけないじゃない。かえるわよ」

 シンジは頭に!が浮かんだ。

「アスカ、もしかして怖いの?」

「こここここ怖いわけないじゃない」

「じゃあ一緒に見ようか?」

 シンジはニヤリと口元をゆがめた。

「こここここんなのが見たいの、まったくガキね。わわわわわかったわよ」

 それから番組は極上の怖い話しが続いた。アスカは怖いもの見たさについつい見てしまった。

 ぶるぶるぶるぶる!

「・・・・・・」

 ぶるぶるぶるぶる!

「あーおもしろかった。どうアスカ涼しくなった?」

 ぶるぶるぶるぶる!

「ふ、ふんこんなんで涼しくなるわけないじゃない。余計暑くなったわよ」

「そう?この番組って1週間連続であるんだ」

 アスカは聞いた瞬間青ざめた。

「だ、だから?まったくTV局も芸がないわね」

「明日も見ようか」

「・・・・・・」

「どうしたの?」

「・・・・・・」

 シンジの問いかけにアスカは体育座りをしたまま返事がなかった。


 強がっていても怖いアスカちゃん。クーラーは必要ないかな?

 ちなみに最後に気絶しています(^^

 お次はおつまみです。どうぞ!

 

アスカちゃん

第2話

「たっらいま〜」

夜、ミサトさんは酔っぱらってご帰宅。10時をまわっていました。

「もうミサトさん、何時だと思っているんですか」

主夫のシンジ君、ご立腹。

「ごめんらさい、はいおみやげだから許してね」

頭を下げると、シンジ君におみやげを渡しました。

「いっただき〜」

「あっアスカ」

おみやげとリビングから地獄耳で聞いたアスカちゃん、素早く強奪。

「これってなに?」

「お寿司よん、生物らから早く食べてね」

「わ〜いお寿司!」

喜びながら台所にアスカちゃんは向かいました。

「シンジ!お茶入れなさい」

「もう遅いから明日食べようよ」

「生物だから早く食べなきゃいけないでしょ」

アスカちゃんは包みをワクワクしながら開けました。

日本の伝統、寿司。フジヤマ、ハラキリ、テンプラとアスカちゃんは興味があり

1度はお寿司を食べてみたかったのです。

「いっただきま〜す」

赤みが鮮やかなマグロをとり醤油につけてパクリ。

「モグモグ、美味し・・・・・」

アスカちゃんの口の動きが止りました。

ツ〜〜〜ン

「な、なに鼻が・・・・うわ〜〜〜〜ん」

そうワサビが鼻にきたのです。お子様のアスカちゃん。

「う、ううう。なによこれ?」

「ワサビだよ」

「ワサビ?」

お茶で流し込みながら、涙を拭きました。

「魚は生物だから、お腹をこわさないようにワサビで予防するんだよ」

「う、ひっく。もういらない」

アスカちゃんはお寿司が嫌いになりました。

「美味しいのに、そうだ。ワサビを取ってあげるよ」

「ワサビを食べなくていいの?」

「食べる人は子供とかもいるからね。ワサビ抜きでもいいんだよ」

シンジ君はネタをはがしワサビを取りました。

「私、子供じゃないもん」

アスカちゃんは頬をプウっと膨らませ怒りましたが

シンジ君にはそれが可愛らしくて笑いました。

「はいこれで大丈夫だよ」

「ありがとう、もぐもぐ。おいし〜」

アスカちゃんは大満足、お寿司が好きになりました。

おしまひ

 

 アスカちゃん第2話どうでしたか?ちなみに第1話は「EVA CHANGING」じゅうななわ レイちゃん、かてきょうしの後書きに描いています。泣き虫です。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ちょっちアスカちゃん、その2