2-14
今年もこの日がきたわね。
クラスの女子は浮かれまくり、男子は緊張しまくり・・・まったく日本人って変なイベントが好きなのよねえ。
「ねえアスカ」
「何ヒカリ?」
「碇クンにはもう渡したの?」
「何を?」
ヒカリが走ってきてアタシに聞いていたわ、すぐに答えるのは嫌だからとぼけちゃった。
「何って、チョコに決まっているでしょう。今日はバレンタインデーなのよ」
「そうね〜そういうヒカリこそ、ジャージには渡したの?」
質問には答えないで質問で答えてやったわ。
「うん、登校途中に渡しちゃった。それでね、鈴原ったら真っ赤な顔をして喜んでくれたのよ、それでね今度の日曜に遊びに行こうって誘われちゃったのよ。きゃ〜〜〜どうしよう、日曜に遊びに行くっていったらデートでしょう、きゃ〜〜〜〜イヤンイヤ〜〜〜ン!!」
・・・激しく暴走しているわね。おめでとうヒカリ、今は暴走が沈黙するまでそっとしておくわ。
チョコかぁ・・・まあ一応バカシンジには家事でお世話になっているから、用意したんだけど渡す機会がなかなかないのよね。
「・・・アスカ」
「きゃっビックリするじゃないのよ」
ファーストがいきなり後ろから声をかけてきたわ、幽霊のように現れたから驚いちゃった。
「碇クン・・・」
「はあ〜?」
「碇クン」
「シンジがどうしたのよ」
そういえばさっきからシンジの姿が教室に無いわね、どこに行ったのかしら?
「屋上・・・」
「屋上?」
「碇クンを屋上に待たせているの、行ってあげなさい」
「どうしてアタシが屋上に行かなきゃなんないのよ!」
「チョコ渡していないんでしょう。屋上は碇クンしか居ないわ、そこなら渡せるでしょう」
な、何でファーストがチョコをまだ渡していない事を知ってるのよ?
「チョ、チョコなんかあげないわよ」
「フフ、素直じゃないのね。ツンデレの素質があるわ」
ツンデレってアンタ・・・
「こんな名言があるわ、ツンデレは世界を救うって」
「アンタ、漫画の読みすぎじゃないの?」
「台詞はアンタ誰にもチョコを貰っていないんでしょう?可哀想だからアタシがあげるわよ。これでいきなさい」
「なんで台詞まで指定されなきゃなんないのよ。アタシは行かないわよ」
まったく〜バッカじゃないの。
「そう、行かないの」
「行かないわよ!」
「・・・そう、それじゃあ今日からアスカのご飯をピーマン中心で作るように葛城三佐、碇クンに言っておくわ、それとネルフの食堂もアスカのメニューはピーマンを中心としたご飯しか食べられないようにしておくわ」
「げっ!そんなことやめてよね!」
「それじゃあ屋上に行くことね」
むう〜〜脅迫なんて卑怯よ。
「わかったわよ、行けば良いんでしょ」
「早くね、碇クンが待っているわ」
「はいはい」
はあ〜さっさと行って、渡してきますか。
屋上にはシンジが居たわ、ボケボケーと空を眺めちゃって、相変わらずボケーってしているわね。
「シンジ〜」
「やあアスカ、どうしたの?」
「別にどうもしないわよ」
あ〜〜シンジの顔を見たら何だかドキドキしてきちゃったじゃない。
「そう?綾波がニコニコしたアスカが来るからここで待っていろって言ったんだよ」
ファーストの奴〜〜変な事言うわね。
「・・・ねえシンジ」
「なんだい?」
ドキドキ、ドキドキ
ええとツンデレだったわよね、確か台詞は・・・
「ア、アンタ誰にもチョコを貰っていないんでしょう?可哀想だからアタシがあげるわよ。か、感謝しなさいよ」
う〜〜恥ずかしいわ、顔が真っ赤だって自分でもわかるわ。
「ありがとうアスカ、嬉しいよ」
「と、当然でしょ。アタシがあげんだからね」
嬉しそうな顔しちゃって・・・
「お返しは何がいい?」
「バカねえ〜そんなのは聞くものじゃないのよ。自分で考えなさい」
「そうだね、ゴメンゴメン」
「そうねえ〜今日のお返しはとりあえず、駅前のケーキ屋のロールケーキがいいわ」
あそこのロールケーキは美味しいのよね。
「今日はロールケーキだね。って今日はっ?まさか明日もあるの?」
「当然でしょ、アタシからチョコを貰うって事は王女から勲章を貰うことに等しいのよ」
「・・・ふう〜」
「どうしてそこで溜め息を付くのよ」
「はは、なんとなくね」
「何よそれ、今日は一緒にロールケーキを買いに行って買えるのよ」
「うんわかったよ」
「よろしい」
ふふ、シンジは気付いて無いかもしれないけど、ケーキのほかに一緒に帰るって約束もしちゃった。
バレンタインデー、ヒカリちゃんはジャージ君にチョコを渡して暴走(笑)
アスカちゃんは渡し損ねていましたが、レイちゃんプロデュース?で渡す事ができました。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 2-14