ビタミン
へっくしゅん!
ありゃ〜風邪かしら?アタシのような天才美少女が風邪を引くなんて油断したわ。
へっくちゅんっ!
「シンジ〜風邪薬ないかしら?」
「風邪薬?確か切らしていたよ」
「はあ〜?切らしているですって、アタシが風邪引いたのよ。用意しておくのが当然でしょうが」
用意を怠るなんてシンジのくせに生意気ね。
「当然って、アスカが風邪引くなんて思ってもみなかったよ」
「どうしてよ?アタシだって風邪くらい引くわよ」
「だって・・・は風邪引かないって」
「はあ?何」
モゴモゴ言って聞き取りづらいわね。
「ええとね、可愛い子は風邪引かないって言ったんだよ」
な、何を本当の事を言うのよ、照れるじゃないのよ。
「風邪薬は後から買い物に行くから買っておくよ」
「それじゃあダメよ、今飲まなきゃ風邪が悪化するわ」
「しないよ。ミカン全然食べないだろう、それだから風邪引くんだよ」
「どうしてミカンが関係あるのよ?」
「ビタミン摂ってないだろう、だから風邪引くんだよ。沢山あるから食べなよ」
テーブルの上にはミカンが沢山のっているわ、リツコが沢山くれたのよね。
「いや〜〜よ、皮をむくのめんどくさいもん」
「めんどうくさくないよ」
「むいたら爪が黄色くなるからや〜〜だ」
アタシの美しい爪が台無しになっちゃうわ。
「シンジがむいてくれたら食べてあげるわよ」
「はあ〜はいはい」
シンジは諦めたようね、溜め息を付いてミカンをむき始めたわ。
「はい、むいたよ」
「あ〜〜ん」
アタシは美しい口を開けたわ。
「そのくらい自分で食べなよ」
「手〜洗ってないもん」
ずっと寝転んでいたから立ちたくないわ。
「まるでどこかのお姫様だね」
そうよ、アタシはアスカ姫だもん。シンジはアタシの下僕よ。
「ほらあ〜ん」
「あ〜〜〜ん」
ぱくぱく
「甘〜〜い」
ちょっと冷たくてかんだら甘い果肉が口の中に広がるわ。
「僕も一つ」
「あ、こら!アタシのミカンを食べるんじゃないのよ」
「僕がむいたんだよ、良いじゃないか」
「ダメよ、ほらあ〜〜ん」
「はいはい」
シンジがミカンをアタシの口に持ってきた瞬間に・・・
カミッ!
「いたっ」
ミカンと一緒にシンジの指も噛んでやったわ。
「ふふん、アタシのミカンを食べたバツよ」
「むう〜〜ようし僕だって・・・パクパクパクパク」
「あ〜〜アタシのミカンが」
全部食べるなんて〜〜
「へへへ、僕の指を噛んだバツだよ〜〜」
「シンジのくせにムカつく〜〜」
ぎゅうう〜〜
「いたたた」
頬っぺたをつねってやるわ。
「さあミカンをむきなさい、そうしないと離してやらないわよ」
「わかったよ、も〜〜」
観念したようね、今日はアタシの為にミカンをむきつづけるのよ。
ミカンをむくのが面倒なアスカちゃん、理由を付けてシンジ君にむかせてしまいます。
ミカンを食べて満足なアスカちゃんですが、シンジ君が食べた事に怒ってしまいましたね。我侭なお姫様です。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ビタミン