ダウン

 あ〜だるいわ、頭がボ〜っとして動くのが面倒。

 咳が出るし身体が熱い・・・どうやら風邪を引いたようだわ。

 ふっアタシが風邪を引くなんて、恐るべき夏風邪ね。

「アスカ〜ご飯食べなよ」

 部屋の外からシンジの声が聞えるわ、起きてご飯を食べないと・・・でも起きるのがだるい。

 でもシンジのご飯は美味しいから食べたい、頑張って起きるわよ。

「ふう〜」

 ちょ〜と歩くのがしんどいわね、まあいいわ。ご飯食べたら薬を飲んで寝ていよう。





「あれ?アスカどうしたの、顔色がよくないよ」

「ん〜ちょっとね、風邪引いたみたい」

「風邪?大丈夫」

 んひゃ!

 シンジったら急にアタシの額に手を当ててきたわ、ビックリさせないでよ。

「ん〜〜ちょっと熱があるね、ご飯食べたら寝てた方がいいよ」

「うん、わかったわ」

 ご飯全部食べたいけど、無理かな・・・残念。

「ふう〜〜」

 もぐもぐ、もぐもぐ、シンジのご飯は美味しいけど、頭がボ〜っとして味覚が落ちているから、すっごく美味しいって思えないわ。

「ごちそうさま」

「もういいの?ご飯おかわりしていないじゃないか」

「うん、薬飲んで寝るわ」

 ええと、薬箱は・・・

「うわっ苦い薬しかないじゃないの、シンジ〜甘い薬はないの?」

「ないよ」

 アッサリ言わないでよ、アタシが苦い薬が苦手な事はしっているでしょうが!

「甘い薬を買ってきてよ」

「甘い薬なんて売ってないよ、苦い薬だからこそ効き目があるんだよ」

「う〜〜苦いのいや〜」

「イヤじゃないよ、はい口を開けて」

 シンジの手には苦い薬が、その薬が無理やりアタシの口の中に〜〜〜!

「や〜〜〜シンジがいぢめる〜〜〜」

「ほ〜〜ら痛くないからね〜」

 それは歯医者が言う台詞でしょうが!ぎゃ〜〜〜!

「うふふ、どうだい?」

 シンジがアタシの口を無理やり開いて強引に入れてくる〜〜

「にがっにがっ!苦い〜〜」

「さあ飲み込んで」

 ううっこんなの飲み込めるわけ無いじゃないのよ。

「水もう一杯いる?」

「ちょうだいちょうだい〜〜」

 口の中に苦い後味が残って気持ち悪い。

「これで良くなるね」

「良くなんないわよ、バカシンジ〜」

 う〜〜余計に気分が悪くなってきたわ、寝てよう・・・






「あ〜〜zzz〜〜」








「アスカ、体調はどう?」


「うん、まだちょっと」


「それはいけない、お粥を作ってきたから食べて元気を出しなよ」


「うん、わかったわ。熱っ!」


「ごめん、熱かったね。僕がフ〜フ〜して食べさせてあげるよ」


「あ、ありがとう」


「フ〜フ〜、はいあ〜んして」


「あ〜〜ん、もぐもぐ」


「どう?」


「美味しいわ、さすがシンジね」


「ふふありがとう、フ〜フ〜はいあ〜〜ん」


「あ〜〜ん」





 もぐもぐ、美味しい〜〜〜

「寝ながら食べれるなんて凄い特技ね」

 ん?聞き覚えのあるムカツク声は?

「ぎゃっファースト、いつの間に?」

 びっくりしたわ、起きたら目の前にファーストがいたわ。

「さっきからずっといたわ、寝顔が可愛くて眺めていたのウフフ」

「き、気持ち悪い事言うんじゃないわよ」

 鳥肌立ったじゃない。

「お粥はどうだった?」

「美味しかったわよ。ってどうしてアンタがお粥の事を知っているのよ?」

 まさか人の夢に入ってきて見たんじゃないんでしょうね。

「お粥持ってきたから、美味しそうに食べていたわよ」

「お粥?」

 ファーストの横にはお粥が置いてあるわ、確かにさっき夢の中で食べていたお粥だわ。

「そうよ、私があ〜んして食べさせてあげたの。寝ていた貴女は無意識に口を開けてお粥を受けいれてたわ」

「い、いつのまに」

 確かに口の中にお粥の後味が・・・

「寝ているのに食べれるなんて世界を探しても貴女だけね、凄いわ」

「ふ、ふんっ褒められても嬉しくないわよ」

「呆れているだけよ」

「な、何ですって〜〜!」

 本当にムカつくわね。

「それじゃあさよなら」

「なっ、もう帰るの?」

「ええ、もう少し居て欲しいの?」

「そ、そうじゃないけど。お粥を食べさせたんなら、最後まで食べさせなさいよ」

「うふふ、甘えん坊なのね」

「五月蝿い!黙って食べさせなさい」

 まったく、一々言わないと出来ないなんて世話が焼けるわね。


 いつも元気なアスカちゃん、でも夏風邪にやられてしまいましたね。シンジ君のご飯を食べたあとは薬を飲んで・・・苦い薬が苦手なアスカちゃん、お子ちゃまです(^^;)

 寝ている時は食べている夢を見るほど食いしん坊、現実ではレイちゃんが食べさせていました(笑)


 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ダウン