笑顔
6月6日が今年もやってきた。今日は僕の誕生日だ。
「シンジ、早くこっちに来なさいよ」
「シンちゃん、早く早く〜〜」
「はいはい、今行きます」
夕食後にアスカとミサトさんが、僕の誕生日パティーを開いてくれた。早くリビングに来るようにと急かされているけど、それなら皿洗いを手伝ってくれても良いんじゃないかなと思うんだけどなあ。
「はい、お待たせしました」
「シンジッ遅いわよ」
待ちくたびれたのか、アスカが頬を膨らまして怒っていた。
「文句言うくらいなら手伝ってよ」
「いやあよ、洗剤で手が荒れちゃうじゃないのよ」
手伝いたくないんだね。
「ふふ、シンちゃんが来たんだから始めましょうか」
ケーキに立てられたローソクに火が点けられて、部屋の明かりを消した。
「「ハッピーバースデートゥーユー」」
アスカとミサトさんの歌が終わると、僕は大きく息を吹きかけて火を消した。
「おめでとうシンジ」
「おめでとうシンちゃん」
「ありがとうアスカ、ありがとうございますミサトさん」
二人からの拍手で僕の顔が自然に微笑んでくる。
「シンちゃん、これは私からのプレゼントよん」
「ありがとうございます」
「シンジ、アタシからよ。感謝しなさいよ」
「ありがとうアスカ」
僕はプレゼントを開けた、ミサトさんは一体何をくれたんだろう。
「こっこれは!」
「うっふっふ〜気に入ってくれたかしら?」
「なになに〜?何を貰ったのよ。って、あ〜〜〜!」
箱にアスカの写真がいっぱい入ってる。
「ちょっとミサト!どうしてアタシの写真がこんなにあるのよ?」
「撮ったからこんなにあるのよ」
「いつのまに?これって盗撮でしょ」
「そうよん、普段のアスカの姿をシンちゃんに見せたかったから、内緒で撮ったのよ」
盗撮って・・・ミサトさん、それは犯罪ですよ。
「没収よ!全部没収!」
「ああっ折角貰ったのに〜」
「悔しがるんじゃないの!着替えている時のもあるじゃないのよ」
「なかなかセクシーな着替えだったわよ」
「この変態ミサト!も〜〜〜訴えてやるわよ」
はははっ、アスカの怒りもわかるなあ。
「ありゃ〜〜シンちゃんへのプレゼントが無くなっちゃったわね。どうしましょう?よしっ最高の一枚をあげるわ」
最高の一枚?
「またアタシの写真なの!」
僕はミサトさんから封筒を貰った、中身は写真だ。どれどれ・・・
「あ、これって」
「げっ何よこれ」
写っていたのは綾波だった。
「ねっ最高の一枚でしょう」
「あ、はい」
写真の綾波はいつもの無表情ではなく、笑顔だった。
「何が最高の一枚よ。シンジも頷いているんじゃないわよ」
「あら、アスカの写真は没収されちゃったからしょうがないじゃない」
「むっ、だってアタシのは盗撮で、ファーストはカメラ目線じゃないのよ。こんなの卑怯よ」
「しょうがないわね〜じゃあ明日、写真撮影するから学校が終わったらネルフに来なさい」
「ええ、わかったわ。シンジッ、アタシの写真が一番だって事を思い知らせてやるわよ」
「はは、うん」
写真で張り合うってアスカらしいなあ。
「よろしい、アタシのプレゼントを開けてみなさいよ」
「うん」
アスカは何をくれただろう。
「浴衣だ」
紺色の浴衣と草履、涼しそうだなあ。
「どう?これで夏祭りに行けるでしょう」
「うん、ありがとうアスカ」
「良かったわねシンちゃん」
「それでね〜アタシの浴衣が無いんだけど〜」
「浴衣が無い?去年買ったんじゃなかったっけ?」
「去年のは去年のよ。今年のがほし〜〜の!」
ほし〜のって言っても、僕もお小遣いが無いし・・・
「はいはい、ここは美人で巨乳のお姉さんがスポンサーになってあげましょう」
「ホント?」
「ええ、これでバーーンと浴衣を買ってシンちゃんと夏祭りでデートでもしてきなさい」
「デ、デートじゃないわよ。夏祭りに行くだけなのよ」
「はいはい、ごちそうさま。可愛いのを買ってきなさいよ」
「うん、ありがとうミサト」
「アスカ、よかったね」
「ええ、今度の日曜に買いに行くわよ」
「うん、わかったよ」
ミサトさんの盗撮で怒っていたアスカも喜んで、良かったなあ。今度の休みはデパートに行かなくちゃね。
シンジ君の誕生日、ミサトさんのプレゼントはアスカちゃんとレイちゃんの写真(笑)
アスカちゃんのプレゼントは浴衣、でもアスカちゃんの浴衣が無い(去年のがありますけど)ミサトさんがスポンサーになってくれますので、シンジ君と一緒に買いに行けますね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 笑顔