初詣

「シンジッ!初詣に行くからサッサと準備をしなさい」

 新しい年は気合が入るわよね、お参りしてお御籤を引いて大吉を獲得するわよ。

「シンジ〜まだなの?」

「ちょっと待って〜」

 まったく、正月早々トロイんだから。

「お待たせ〜、行こうか」

「ええ」

「初詣に行くの〜?お守り買ってきてちょうだい」

「いいわよ」

 ミサトは正月麦酒で酔っ払っているわ、まったく今年も行かず後家決定ね。

「どんなのがいいの?交通安全かしら」

 いっつも無謀な運転だからそろそろ事故るんじゃないかしら。

「違うわ、恋愛成就のお守りよ」

「ぷっミサトが恋愛?笑っちゃうわね〜」

「私のじゃないわよ、シンちゃんとアスカのよん」

「な、何言ってんのよ。正月早々変な事言うんじゃないのよ」

「冗談じゃないわよ、本気と書いてマジと言うわ」

 だああ〜何言ってんのよ、もう関わりたくないわ。

「シンジ行くわよ」

「あわわ、待ってよ。じゃあミサトさん行ってきます」

「いってらっしゃ〜〜〜い」

 あ〜恥ずかしいわ、顔が真っ赤になっちゃう。






「ミサトさんが僕達の為にお守りだなんてどういう風の吹き回しだろうね」

「し、知らないわよバカ」

 何ボケボケって話してんのよ、鈍感なんだから。

「知らないって何が?」

「五月蝿い、子供は黙ってろ」

「子供は黙ってろって自分も子供じゃないか」

 アンタとは違うわよ。






 う〜〜ん、元旦の晴れは清々しいわね、今年一年頑張ろうって気になるわ。

 しばらく歩くと近くの神社に着いたわ、人はそんなに多くは無いわね。人ごみは嫌いだから丁度いいわ。出店も出ていて活気があるわね。

「あっ綿菓子がある。買おうっと」

 綿菓子のあま〜〜くてフアフアした感触が良いのよね。

「まずはお参りだろう」

「しょうがないわね、じゃあサッサと参って買うわよ」



「シンジ、お金ちょうだい」

「ええっどうして?」

「お賽銭をあげるからよ」

「自分で出せよ」

「お賽銭をアタシに出させる気?」

「普通は自分で出すものだよ」

「そんなの知らないわよ、アタシ日本人じゃないも〜〜ん」

「うわっ自分の都合がいい時だけ外国人か」

 ふっふ〜〜んだ。

「まったく、ほらお金」

「五円〜?ケチケチしないで五百円くらい出しなさいよ」

 五百円くらい出さないと願いが叶わないでしょうが。

「五円で良いんだよ、ご縁がありますって言うからね」

「それはもう叶っているわよ!」

「え?」

「あ、あわわわ。な、何でもないわよ、バカ!」

 アタシったら何口走っているのかしら、危うくバカシンジに乗せられるとこだったわ。

「しょうがないわね、100円でいいわよ!」

「100円?十円じゃダメ?」

「ケチな事言わないの、お年玉貰ったでしょうが!」

「アスカだって貰ったじゃないわ」

 そんなの聞えませ〜〜ん。

 シンジから100円を貰って参るわよ、今年は何を願おうかな・・・






「ねえシンジは何を願ったの?」

「僕?僕はね、ミサトさんとアスカが家事をしますようにって願ったよ」

「アンタねえ〜ミサトはともかくアタシはできるわよ」

 まったく失礼しちゃうわね。

「できるなら、進んで家事をやってほしいなあ」

「やってやるわよ!」

「じゃあ、明日はお願いしようかな」

「ええ、アタシにまっかせなさい〜〜い。はっ!」

 し、しまったわ、シンジに乗せられたわ。アタシとしたことが〜〜〜



「じゃあお御籤を引こうか」

「シンジ、お金」

「お御籤くらい自分で出せよ」

「シンちゃんは優しいわね、アタシの為に出してくれるなんて」

「まったくも〜〜ほら100円」

「ありがと」

 ふっふっふ、アタシの運なら大吉よ。



「ほらね大吉だわ」

 今年は良い事あるわね。

「僕も大吉だ」

「ふ〜〜ん、これで今年一年の運は使っちゃったわね」

 まったく運がいいんだか悪いんだか、わかんないわ。

「そんな事ないよ、これから運が付いてくるんだよ」

「はいは〜〜い、わかりました」

 さあ綿菓子を買って帰ろうかな。

「アスカ、お守りはいいの?」

「要らないわよ」

「だってミサトさんが買ってきてくれって」

「あれは酔って冗談で言ったのよ」

「そうなんだ」

「そうよ、さあ綿菓子を買いに行くわよ」

「あ、ちょ、ちょっと」

 早く食べたいからシンジの腕を引っ張って連れて行くわよ」






「綿菓子、綿菓子〜〜」

 あま〜〜い香りが食欲をそそるわ。

「あれ?僕がお金を出さなくていいの」

「いいわよ、アタシが出すわ」

 アタシの分とシンジの分とミサトの分とペンペンの分、合計四つ買って・・・

「一つはアタシが持つから残りは持ってね」

「うん」

「さあ帰りましょう」

 早速、開けて食べようっと。

「帰ってから食べなよ」

「待ちきれないのよ、出来立てを食べてこそ綿菓子を食べたって気になるのよ。あま〜〜〜い」

 フンワリとしてあまいからいくらでも食べられるわ、でも食べ過ぎに注意しないとね。

「いいなあ、自分だけ食べて」

「ほら、あげるわよ。あ〜〜んしなさい」

「うん、あ〜〜ん」

 まったく食いしん坊なんだから」

「どう、美味しいでしょう」

「うん、美味しいね」

「ふふ、満足みたいね」

 でもシンジにやった分の綿菓子綿菓子はちゃんと倍にして返してもらうわよ。


 アスカちゃんの初詣は勿論シンジ君と一緒ですね。

 お参りをしてお御籤を引いて・・・全部お金はシンジ君に出させてしまいますが、綿菓子代はアスカちゃん持ち、それは多分みんなの分と言って自分が全部食べてしまうからでしょう(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 初詣