帰りたい

 
 あ〜〜もう!

 我慢の限界、机に山のように積まれている書類を床にぶちまけたわ。

 毎日、毎日、残業残業で定時に帰ったのはいつだったかしら?もう忘れちゃったわ。

 今日も午前様かな、あ〜〜シンちゃんの出来立ての温かい夕食が食べたいわ〜

「ミサトどうしたのよ?叫びが私のところまで聞えたわよ」

 リツコがやってきたわ、そんな大きな声だったかしら。

「帰りたいのよ」

「仕事が残っているんでしょう」

「そんなの知らない!兎に角帰りたいのよ〜」

「責任者が何を言っているのよ、司令が聞いたら怒るわよ」

 怒っても知らないわよ。

「早く帰ってね、シンちゃんアスカの顔を見たいのよ〜」

 二人の顔を見たら疲れが一瞬で吹っ飛んじゃうのよね。

「早く帰れるように仕事しなさい」

「だ〜か〜ら〜それができないから帰りたいのよ。シンちゃ〜ん、アスカ〜」

 二人の事を思うと涙が出てくるわ。

「それにね、早く帰らないと危険なのよ」

「何が危険なの?」

「健全な男女が二人っきり、何が起きても不思議じゃないわ。そうシンちゃんがアスカの毒牙にかかって純潔を散らすの」

「普通は逆じゃないの?」

「確かに普通は逆だけど、ひ弱なシンちゃんに鬼のアスカ!そうこんな風に・・・」





  「シンジ〜もう逃げられないわよ、観念しなさい」


  「や、やめてよアスカ〜」


  「うふ、うふふふふ。その今にも泣きそうな表情に白い肌、乙女心がトキメクわ」


  「だ、ダメだよ。こんなの・・・」


  「さあ、泣きなさい、私の為に泣きなさ〜〜い」


  「あ〜〜れ〜〜〜」






「って、シンちゃん今頃マクラを濡らして泣いているに違いないわ」

「まさか、最近二人の仲が良いから、こんな風じゃないのかしら・・・」






  「アスカ、今日もミサトさんは残業だね」


  「うん、今日も二人っきりね」


  「アスカ、触っていいかい?」


  「はあ〜そこは女の子の大事なところだわ」


  「ダメなのかい?」


  「ダ、ダメじゃ・・・ないわ、バカ」


  「アスカ・・・」


  「シンジ・・・」






「って、いちゃいちゃパラダイスをしているに違いないわ」

「な、何ですって〜〜!?」

 そ、そんな淫らな事を、私の育て方が間違っていたのかしら?

「何真っ青な顔しているのよ、冗談よ冗談」

「そ、そうよね。シンちゃん達にかぎってそんな事は・・・」

 でもちょっと心配だわ。

「わ、私早退するわ」

「あ、ミサト」

 ドンッ!

「おわっ」

「うわっ」

 外に出ようとしたら誰かにぶつかったわ、シンちゃん?

「何やってんのよ〜」

 アスカも。

「二人ともどうしたの?」

「毎日残業大変ですから差し入れですよ」

「おわ〜〜〜お弁当だわ」

 シンちゃんの手作り愛妻お弁当〜〜

「沢山作ってきましたからリツコさんも食べてください」

「あら、いいのかしら?」

「はい」

「ありがとう、喜んでいただくわ」

 う〜〜〜ん美味しい〜〜シンちゃんのお弁当は最高ね。

「ミサト〜食べるの早いわよ」

「良いじゃない、お腹空いていたんだもん」

「お茶いれますね」

「シンジ〜アタシは紅茶ね」

「うん」

 う〜〜〜ん、シンちゃんの手作りお弁当は残業の疲れも吹っ飛んじゃうわ〜最高!


 ミサトさんは毎日残業で切れてしまいました(笑)仕事の疲れでしょうか、シンジ君とアスカちゃんの出来事を妄想して暴走してしまいました(リツコさんも暴走^^;)

 二人の妄想は間違いで、優しいシンジ君達はお弁当を作ってきてくれましたね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 帰りたい