わたがし

 ふあああ〜お昼ごはんの後は眠たくなっちゃうわね〜このまま仮眠室で寝ちゃいたいわ。

「アスカ〜寝ながら歩くとあぶないよ」

「だいじょうぶよ〜ふあああ〜」

 アタシとシンジはリツコに呼び出されて研究室に向かっているの、また変な発明でもしたのかしら。

「今日は何の用なんだろうね?」

「さあ〜変な発明だったら速攻で逃げるわよ」

「うん、爆発でもしたら困るからね」

 人類が滅亡するような発明だったらいやだわ。





「リツコ〜いる〜?」

「いらっしゃい、よく来たわね」

 相変わらず白衣姿がよく似合うわね、一体何着持っているのかしら?

「今日はどんな用なの?暇じゃないんだから早くしてほしいわ」

 もう眠たくて眠たくてたまらないわ。

「わかったわ、今日はこれを試食してほしいの」

「これ?わたがしじゃない」

 ファンタスティックなお菓子、美味しそうだわ。

「ええわたがしよ」

「また商売をするんですか?」

 シンジが質問したわ、またお金儲けをするのね。

「ええ、そうよ」

 リツコがわたがしを作るって事は普通のわたがしじゃないわよね。

「このわたがしにはどんな秘密があるの?」

「普通のわたがしよ」

「普通?食べたら爆発とかしないの?」

「しないわよ、したら死ぬでしょう」

 普通なんて意外だわ。

「ザラメと割り箸だけだから利益率が高いのよ」

 流石リツコね、したたかだわ。まあタダでわたがしが食べれるからリツコが何をしようと関係ないけどね。

「ん〜〜あま〜い」

 フアフアっとしたわたがしの甘い香りが口の中に広がってスイートだわ。

「シンジ君どうかしたの?」

 シンジったらボーとしてボケボケしているんじゃないわよ。

「あ、いえ。リツコさんにしては普通の商売だなあと思ったんですよ」

 うん、それは言えているわね。値段も普通だし目玉になる商品もないわ。

「普通だけど、ちょっと違うわよ。ちゃんとした目玉商品があるわよ、アスカちょっといいかしら?」

「何?」

 リツコがアタシの耳元で呟いたわ。

「う、うそ?」

「本当よ」

 まさか、そんな事はないわよね。

「さあシンジ君、アスカ。私が作った機械で簡単にわたがしが作れるのよ」

「へえ〜自分で作れるんですか」

「シ、シンジ作るわよ」

「うんいいよ」

「アタシの手を握って」

「え?どうして、わたがし作るんじゃないの」

「作るから握ってほしいのよ」

 リツコが言うのはこのわたがし機は相思相愛の仲だと美味しいわたがしができるみたいなの、もし仲が悪かったら美味しくないみたいなの・・・そ、そんな事ないわよね。

「へんなアスカ」

「五月蝿い!静かにしててよ」

 シンジがアタシの左手を握って、アタシは右手でわたがしを作り始めるわ。

 ドキドキ、ドキドキ

 なんでこんなにドキドキしちゃうのかしら?シンジの事はなんとも思ってないのに。

「おっ上手に作れているじゃないか」

「と、当然でしょ」

 クルクルと割り箸に巻き取って・・・




「完成したわね、食べてみなさい」

「わ、わかっているわ」

 リツコも機械の性能をモニターしているわ。食べるのはちょっと恐いけど・・・

 パクッ

「美味しい、美味しいわ!美味しいわよリツコ」

「あら良かったわね」

「シンジ、甘いわよ!」

「わたがしだから甘いのは当然だろ、変なアスカ」

 何だか知らないけどちょっと嬉しい気分だわ。






「忙しいところ呼び出して悪かったわね」

「別にいいわよ、わたがしも美味しかった事だしね」

 アタシとシンジはおみやげにわたがしを沢山貰って部屋を出たわ。








 アスカはずいぶん喜んでいたわね、もう少しシンジ君に対して優しくなればいいのにね。

 この機械は普通のわたがし機なのよ、騙してごめんなさいね。


 リツコさん、わがたし商売に参入(笑)アスカちゃんとシンジ君が呼び出されて、カップル限定?のわたがし機で作る事になりました。

 アスカちゃんは緊張しながら作って結果は・・・美味しいわたがしができました(^^)でもその機械は普通のわたがし機、これはイイ嘘でしょうね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION わたがし