ホワイトデー
「アスカ〜はいホワイトデーだよ」
朝っぱらからシンジにホワイトデーだからってお菓子を貰ったわ。そういえばバレンタインデーにチョコをあげたんだっけ、義理だけどね。
「アンタから貰ってもべっつに嬉しくないわよ」
「そういいながら頬が緩んでいるわよ」
「五月蝿いわね!!」
ミサトが味噌汁を飲みながら茶化してきたわ、黙って飲みなさいよ。
「アスカの好きなお菓子だよ、オヤツに食べるといいよ」
「アタシの口に合うかどうか心配だわ」
「そういいながら尻尾が嬉しそうにパタパタ振っているじゃない」
「尻尾なんかでていないわよ」
ましてや、喜んでいないわよ。
「ふ〜〜ん、いらないんだったら私が貰っちゃうわよ」
「誰もいらないなんて言ってないわよ!」
アタシが美味しくいただくのよ、このバカミサト!よく見たらミサトだって貰っているじゃないのよ、そう言えばバレンタインデーにあげていたわね。
ふあああ〜今日も学校かァ〜つまんないわね。
ん?前を歩いているのはファーストじゃない。相変わらず低血圧だわ、フラフラしているじゃない。あっ転んだわ。
「綾波、大丈夫?」
「あ、碇クン。お休みなさい」
「お休みじゃないでしょうが、起きなさいよ」
「アナタ誰?」
ギュウウウウ〜!
「い、いたい」
「そんな事言う口はつねるにかぎるわね!」
「アスカ〜やめなよ。綾波、目覚めたかな?」
「うん、おはよう」
「これホワイトデーだよ」
「うん、ありがとう」
ゲゲッ!ファーストもシンジにチョコを渡していたのね。いつのまに渡していたなんて油断も隙もないわ。
でも・・・ふふん!アタシが貰ったお菓子の方が大きいじゃない、これってつまりアタシの方が大事・・・きゃ〜〜〜アタシったら何を言っているのかしら。
「シンジ〜〜おっはよ〜〜」
「やあマナおはよう」
「おはよう、マナさん」
「レイさん、おはよう」
朝っぱらから五月蝿い奴が来たわね、さっさと学校に行きなさいよ。
「朝から能天気な元気ね」
「あらアスカ、居たの?」
「居たわよ!さっき目が合ったじゃないのよ!」
「そうだっけ〜?かかしが立っていたかと思っちゃったわ」
「眼科へ行け〜〜〜」
まったくも〜〜
「マナ、これホワイトデーだよ」
「わお〜〜〜シンジありがと〜〜」
マナもチョコを渡していたんだっけ、確かマナはクラスの男子全員に渡していたわね、今日はいっぱいお返しを貰うでしょうね。
でも・・・ふふふ!アタシが貰ったお菓子の方が大きいわ、勝ったわ!マナにも勝ったわ!これってアタシガ一番大事っていう意味かしら?
「やあシンジ君、おはよう」
「カヲル君、おはよう」
ゲッ、ナルシスホモ!いつの間にかシンジの横に居るじゃない。
「シンジ君、今日もいい笑顔だね」
「あ、ありがとうカヲル君・・・こ、これを」
「ん?これはなんだい」
「ホワイトデーだよ」
な、なんですって〜?どうしてナルシスホモにやるのよ?それにアタシが貰ったお菓子より、箱が大きいのってどういう事よ?
「ありがとうシンジ君、本命チョコを贈ったかいがあったよ」
なに〜〜!?本命チョコですって〜〜〜いつのまに貰っていたのよ。
「カ、カヲル君・・・キュン」
「こらバカシンジ〜なに頬を赤らめてんのよ」
「これは一大事だわ、レイさん。シンジをBLの魔の手から助け出しましょう」
「ええマナさん、ボーイズラブは危険だわ」
そうよ、これは危険だわ、ナルシスホモを殲滅しないといけないわ。
「さあシンジ君、二人で天国に行こうじゃないか」
「う、うんカヲル君」
「こら〜〜〜アンタが一人で逝け〜〜〜〜!」
ボコッ!
「ぐはっ・・・」
「カヲル君!」
「ああ、シンジ君・・・僕はもうダメだよ。アスカ君の蹴りで天国に行くみたいだよ」
さっさと逝きなさいよ。
「カヲル君しっかりして」
「僕が死んだら、海が見える丘に埋めてくれ・・・」
「カヲルく〜〜〜〜ん」
あ〜〜もう!バカらしいわね。せっかくオヤツを二人で食べようと思ったのに、むかついたから一人で食べてやるわよ、バカシンジ!
ホワイトデーを貰ってアスカちゃんは表面上嬉しくない素振りをしていますが、内心は大満足です。
マナちゃんやレイちゃんの貰ったお菓子と比較して勝ったと確信しましたけど、カヲル君には負けてしまいました(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ホワイトデー