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 今年も今日で終わりなのね、一年が早いわよねえ〜

「アスカ〜部屋の掃除は終わったの?」

「終わったわよ」

 主夫シンジは相変わらず五月蝿いわねえ〜ちゃんと終わっているわよ。

「それよりミサトはどこへ行ったのよ?」

「ミサトさんはネルフだよ。リツコさんから部屋が汚いって呼び出しを喰らったんだよ」

 確かにミサトの部屋は汚かったわ、足の踏み場が無いくらいに書類が散らばっていたわ。

「そっちの掃除は終わったの?」

「うん、ペンペンも手伝ってくれたから早く終わったよ」

「ふ〜んペンペンが手伝ったんだ、たまには役に立つじゃない」

「たまに何てとんでもない、アスカよりずっと役に立つよ」

「あ、なによそれ?ムカつくわね〜アタシはペンペンよりずっと役に立つわよ」

「そうかい?それじゃあ今から買い物に行くから一緒に行こうね」

「あ・・・」

 しまったわ、これからゆっくりとゴロゴロするはずだったのに、シンジの策略にはまったわ。

「ペンペンより役に立つんだろ?今日は買うものが多いから一人じゃきついんだよ」

「わかったわよ、行くわよ。着替えてくるから待ってなさいよ」

「待ってるよ」

 も〜〜こうなったらお菓子もいっぱい買ってもらうわよ。










「うわ〜〜混んでいるわね」

「うん、大晦日だからね」

 たまにシンジと一緒に来るスーパー、人が多くて混んでいるわ。

「何を買うの?」

「年越し蕎麦に出来物のおせちだよ」

「おせちは作らないの?」

「うん、今年はここでおせち予約していたんだよ。ミサトさんがチラシを見て希望したんだ」

「へえ〜知らなかったわ」

 店内に入ったアタシとシンジ、活気があるわね。

「ええと蕎麦は・・・」

「シンジ、向こうで売っているわよ」

 特設コーナーが出来ているわ、日本人って蕎麦を食べるのが好きねえ。

「ペンペンの分を入れて四人分買ってっと」

「シンジ、アタシ海老天にしたいわ」

 蕎麦の隣は具材が売ってあるわ。サクサクの海老の天ぷらが美味しそう〜

「海老天かあ〜みんな海老天蕎麦にしようか」

「うん、アタシは二本が良いわ」

「アスカは二本だね。ええとミサトさんが食べるかもしれないから十本買っていこう」






「シンジお菓子も買ってよ」

「うん、良いよ」

 お菓子コーナーも充実しているわね、沢山あって迷っちゃうわ。

「どれが良いかしら〜?」

「アスカ、楽しそうだね」

「活気があるから何かワクワクするのよね」

「うん、僕も活気があって楽しくなるよ」

「暗いより楽しいほうが良いわよ。あっポテチを発見〜」

「ミサトさんにはおつまみだね」

 お菓子を沢山買い込んで、おせちを受け取れば買い物終了よ。







「アスカ、重くない?」

「平気よ」

 シンジは両手に買い物袋、アタシは両手でおせちを持っているわ。スーパーで中身を見たけど豪勢だったわ。

「モグモグ、モグモグ」

「あ、アスカ〜お菓子食べるの早いよ」

「良いじゃない、このチョコ美味しいのよ」

 美味しいお菓子は早く食べる、これは常識よ。

「も〜〜それじゃあご飯が食べれなくなるよ」

「食べれるわよ。シンジ、あ〜んして」

 シンジ買い物袋で両手が塞がっているからアタシが食べさせてあげる。

「えっ?いいよ」

「共犯にするのよ、あ〜んして」

「わかったよ」

「よろしい、これでシンジも共犯ね。もう文句は言えないわよ」

 ふふ、真っ赤になって可愛いわね。

「つまみ食いはこれで終わりだよ」

「わかっているわよ」









「「ただいま〜」」

 あら?玄関が開いているわ、ミサトが帰ってきたのかしら?

「お帰りなさい〜」

「帰ってきてたんですね」

「うん、掃除させられて困ったわ」

「それはアンタが掃除をしてなかったからでしょう。ちゃんと綺麗になったの?」

「バッチリよん、ちゃんと日向君に手伝ってもらったのよ」

「日向さんお気の毒に」

「別に良いんじゃい、あの人も好きで手伝っていると思うから」

「え?何で」

「鈍感には一生理由がわからないわよ」

「?」

 首をかしげているバカシンジ、男が女の雑用を手伝う理由は一つでしょうが。

「それよりシンちゃん、おせちは取ってきてくれたの?」

「はい、一番豪華なおせちですよ」

「やっぱりお正月くらいは豪華にしないとね、おせちが楽しみだわ」

「その前に蕎麦もありますからね」

「お蕎麦ね〜テレビを見ながら待っているわね」

「はい、アスカ手伝ってくれる」

「えっ?アタシもテレビを見たいんだけど」

「あれ?ペンペンより役に立つんじゃなかったのかな」

「くっ・・・わ、わかったわよ」

 シンジの奴〜今日はこの台詞で手伝わされそうだわ。






「僕は蕎麦を茹でるから、アスカは更に天ぷらを盛ってね」

「うん」

 シンジが蕎麦を茹でている間にアタシはお皿に天ぷらを盛って器を出して・・・

「シンジ終わったわ」

「ありがとう、もう終わりだよ」

「終わり?アタシも蕎麦を茹でたい〜」

「良いよ、僕は汁を温めるから、時間を計って茹でるんだよ」

「わかったわ」

 ええと、時計を見ながら蕎麦を茹でて・・・

「完璧ね、シンジ!アルデンテに仕上げたわよ」

「アルデンテって、蕎麦にアルデンテってないよ」

「いいじゃん、言ってみたかったのよ」

「ふふ、茹でたら器に入れてね」

「ええ」

 四人分茹でて、器に入れて〜

「アスカ、ネギを刻んで」

「ええっ?」

「驚く事無いだろ」

「ほ、包丁は苦手よ」

「練習、練習〜」

「わかったわよ」

 苦手なのよねえ〜

「き、切るわよ」

「手を切らないようにね。僕はリビングに持って行っているから」

「え、ええ」

 ザクザク、ザクザク

 シンジみたいに早くは刻めないけど調子良いわ。

 ザクザク、ザクザク

 不揃いだけど良いか、お皿に移して持って行こう。







「待っていたわよ」

 ミサト達がすでに座っていたわ、アタシのネギ待ちなのね。

「オッケーこれで揃ったわね、それじゃあ頂きましょうか」

「「「いただきま〜す」」」

 今年も色々とあったけど無事に年が過ごせたわ。

「シンちゃん、アスカ〜来年も宜しくね」

「こちらこそ宜しくお願いします」

「よろしくね」

 無事に過ごせたこの一年、来年もいい年でありますように。


 大晦日、最期の締めは年越し蕎麦です。

 日頃?ダラダラしているアスカちゃんも年末くらいはシンジ君の手伝いをしました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 1231