雨の日
毎日毎日、雨が降って鬱陶しいわ。早く梅雨が終わんないかしら。
本当に降るのが飽きない空ねえ〜
漫画も読み飽きたし、面白いテレビもやっていない。寝転がるのも飽きたわ。
「シンジ〜何やってんの?」
シンジが雑誌に何かを書いているけど何かしら?
「クロスワードだよ、結構時間つぶしになるよ。アスカもするかい?」
「クロスワードって、昼過ぎの主婦じゃないのよ」
「僕は主夫だよ」
「そうだったわね」
葛城家の主夫シンちゃんだったわね、アタシは主婦じゃないからパス。
けど暇ねえ〜…アイスでも食べようっと。アタシは飛び起きて台所へ向かったわ。
「アイス、アイス〜〜ってアイスが無いわ」
冷凍庫を見回してもアイスが無い、アタシのアイスはどこへ行ったの?
「シンジ〜アイスが無いわよ」
「アイス?昨日ミサトさんが食べていたよ」
「ミサトが?」
シンジの話によると仕事で遅くなってアタシが寝た後に帰ってきて、お風呂上りにアイスを食べたみたい。
「ミサトのやつ〜〜アタシのアイスを〜〜」
「僕が買ってきたんだけどね」
「アンタが買ってきてもアタシのなのよ!買ってくるからお金ちょうだい」
雨が止んでいるから買いに行くチャンスだわ。
「いくら?100円で良いかい?」
「500円よ!アンタも分の買ってきてあげるから100円じゃ足りないわよ」
「はいはい、ついでにミサトさんの分も買ってきてね、お釣りはお駄賃でいいよ」
なんか口調が母親になってきたわね。アタシは短パンをGパンに履き替えると家を出て行ったわ。
「曇っているけど大丈夫よね」
今は止んでいるけど何時降るかわからない空模様、でも自転車で素早く買ってくれば良いわ。アタシ専用の赤い自転車に乗るとコンビニへ向かって爆走よ。
ふんふんふ〜〜ん、スピードを出すと風が気持ちいいわ。
コンビニに到着〜さあて何を買おうかしら。
色んなアイスがあるけど、今日食べたいのは一口サイズのシュークリームアイス。シンジ達の分も買って残った金額でアタシだけが食べるポッキーを買っちゃおう。
買い物を済ませたら雨が降る前に帰るわよ〜
ザ〜〜〜〜!!
げえ〜家まで後半分って処で急に降りだしてきたわ。雨宿りする所も無いから突っ走るわよ。
ザ〜〜〜〜〜!!
も〜〜こんな時に限って豪雨なんて、シンジのバカ〜〜!
家に着いたけど下着までビショビショだわ、でもアイスは死守したのが唯一の救いよね。
へっくちょん!
風邪を引く前にシャワーを浴びてからアイスを食べようっと。
「ただいま〜〜」
「お帰り、びしょ濡れじゃないか」
シンジがタオルを持ってきてくれたわ。雨音が強かったから気づいたのね。
「ええ、ひどい目にあったわ、すぐにシャワーを浴びるからタオルは後で使うわ」
「う、うん…」
何よ?シンジったらアタシから目を逸らしてどうしたのかしら?
「シンジ、どうしたの?」
「な、なんでもないよ」
「怪しいわね〜アタシをちゃんと見れないなんて、水も滴る良い女だからちゃんと見れないのかしら?」
ちょっとからかってやろうかしら。
「シンちゃ〜ん、こっちむ〜いて」
どうせ向きっこないからシンジの前に移動したわ。
「美少女に見つめられて幸せでしょう〜」
「ア、アスカ…」
「んっふふ〜なあに?」
「あ、あの、その」
「アタシの事、可愛いって思っているんでしょう、可愛いって言っていいわよ」
照れちゃって可愛いわね〜
「ア、アスカ」
「なあに?」
「し、下着が見えてる」
「え、下着…きゃ〜〜〜〜!」
白のTシャツが雨で濡れてブラが透けて見えてる。
「ピ、ピンクなんだね、あはは…」
「シ、シンジのバカ〜〜」
ボコッ!
「ゲフゥ…」
アタシの蹴りを食らってその場で沈黙したバカシンジ、透けてるなら透けてるって早く言いなさいよね、このバカシンジ!
梅雨時期、雨が止んだので傘を持たずに出かけたアスカちゃん、でもそれが失敗雨に降られてしまいました。
アスカちゃんを出迎えたシンジ君はちょっと幸せでした。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 雨の日