ケーキ

 何も予定が無い休日、一日中寝られるから嬉しい。

 時計を見ると午前十時、ベッドの上でゴロゴロするのが大好き。

 ピーンポーン!

 碇クンから直してもらった呼び鈴が鳴ったわ。

 ピーンポーン!

 ・・・誰かしら?ベッドから離れたく無いから無視をしておきま・・・zzz〜〜

 ピーンポーン!

 私は眠たいの、出ないことに決めたの。

 ピンポンピンポンピンポン!!

 ドンドンドン!!

「こら〜〜!ファースト、居るんでしょ?出ないなら勝手に上がるわよ!」

 この声は弐号機パイロット、朝から五月蝿い人ね。

「ちょっと、居るんなら出てきなさいよ」

「綾波、勝手に入ってゴメンね」

 碇クンも来たのね、嬉しいわ。

「碇クンおはよう」

「おはよう、綾波」

「おはようって時間じゃないでしょう、まだパジャマじゃないのよ」

「だって寝ていたもの」

「寝ていたって・・・まったくアタシは早起きしているのに」

「早起きって今日だけじゃないか。いつもは遅刻ぎりぎりまで寝ているくせに」

「アンタは黙ってなさい」

「いたっ」

 凶暴なアスカが優しい碇クンのホッペを抓ったわ。凄く痛そう・・・

「今日は折角アンタの為に早起きしたのよ。泣いて感謝しなさい」

「私の為?」

 アスカに感謝されるような覚えは無いけど。

「そうよ、今日はアンタの誕生日でしょう。アタシがケーキを焼いてきてあげたのよ。ジャ〜〜〜ン!」

 誕生日・・・そうね、今日は私の生まれた日だったわ。アスカが箱の中から取り出したのはケーキ。

「どう凄いでしょう?」

「・・・形が歪ね」

「しょ、しょうがないじゃない。プロじゃないんだから」

「アスカはね、最近お菓子作りに凝っているんだよ」

「そうなの」

 そういえば学校でも洞木さんとお菓子作りの本を見ていたわね。

「シンジ、お皿と紅茶を用意しなさい」

「うん、綾波台所を借りるよ」

「ええ」








 テーブルに碇クンが入れてくれた紅茶とアスカが作った歪な形のケーキにロウソクが立てられたわ。

「綾波おめでとう」

「ファーストおめでとう」

 私はロウソクを火を消したわ。碇クン達が拍手してくれた。嬉しい。

「綾波、はいプレゼントだよ」

「ありがとう、碇クン」

「これはアタシからよ。泣いて受け取りなさい」

「・・・」

「何よ、その嫌そうな顔は?」

「泣けるほどでもないけど、ありがとうアスカ」

「アタシの時は期待しているわよ」

 ・・・お返しを待っているのね。


「シンジッ、ケーキを切って、食べましょう」

「うん」

 お皿に取り分けられたケーキ、フルーツがたくさんのってって美味しそう。

「アタシの自信作だから美味しいわよ」

 ぱく・・・

 アスカのケーキを食べてみた、フルーツは美味しい。でもスポンジケーキの部分は・・・

「薄味なのね」

「薄味?そんな事ないわよ。砂糖はたっぷり入れたのよ」

 アスカが私のケーキを食べたわ。

「本当だわ、甘くない。アタシのは甘いのに、シンジの?」

「僕のは・・・パク・・・味がしないよ」

「うそ?」

 今度は碇クンの食べたわ。

「本当、味がしないわ」

 どういうことかしら?

「これは、ちょっと混ぜ方が足りなかったみたいね。失敗失敗、てへっ」

 下を出して誤魔化したわ。

「・・・アスカ、その仕草全然似合ってないよ」

「私もそう思う」

「い、良いじゃないのよ。アタシでも失敗はあるのよ。ほらアタシのをあげるわよ。アンタのをよこしなさい」

 私のケーキと交換してくれた。

「これは美味しい」

「でしょう!?これぞ本当のケーキよ」

「僕のは全然甘くはないけどね」

「アンタにはそれで十分よ」

「うわっ酷いなあ」

「碇クン、私のをあげるわ」

「ありがとう綾波」

「碇クン、あ〜んして」

 ケーキは食べさせてあげるのが良いって葛木三佐が言っていたわ。

「あ、うん」

「こ、こらっ!そこでいちゃつくんじゃない!」

 ふふ、アスカが慌てているわ。お店で買うケーキも良いけど、自分で作るケーキも楽しそうね。今度アスカに教えてもらいましょう。


 レイちゃんの誕生日、アスカちゃんが珍しく?ケーキを作ってお祝いしてくれました(^^)

 でもケーキはちょっと失敗(^^;)それでもレイちゃんには嬉しい誕生日ですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ケーキ