ギラギラサマー

「うっみ〜〜〜〜〜〜!!」

 海岸線を走るミサトの車、助手席の窓から見える青い海、夏だわ〜

「ふふふ、今からはしゃいでいると着いた時に疲れて泳げないわよ」

「平気、平気〜夏休みだから力は有り余っているもん」

「碇クン、ペンペン、ポッキー食べる?」

「うん、ありがとう」

「クエクエッ」

 後部座席にはシンジとファーストにペンペン、アタシの分のお菓子まで食べるんじゃないわよ。

「アタシにもポッキー頂戴」

「うん、アスカ、アーンして」

「アーン」

 シンジじゃなくてファーストに食べさせてもらうのはちょっと残念だけど美味しい〜

「レイ、私にも頂戴」

「わかりました」

「うん、美味しいわね。アクセルに力が入るわ」

「ミサトさん、安全運運転してくださいね」

「わかっているわ、後五分で着くわよ」

 ミサトはそう言うとアクセルを踏み込んだわ、途中に海水浴場までの距離が書いてある看板があったんだけど五分で着く距離じゃないんだけど…







「到着〜〜ふふふジャスト五分、流石時間に正確なミサトさんね」

「スピード出しすぎよ!メーターが振り切れていたわよ」

 まったく速すぎで空を飛ぶかと思ったわ、ファーストは泡を吹いて気絶しているし。

「綾波、綾波!しっかりして」

「い、碇クン…私三人目だから…」

 ほら変なこと言って錯乱しているじゃない。

「ま〜海に入れば元に戻るわよ、さあ行きましょう」

 うわっ無責任な発言だわ。

「綾波、大丈夫?」

「うん」

「シンちゃ〜ん、荷物出すから手伝って」

「あ、はい、わかりました」

「ペンペン、綾波を頼むよ」

「クエクエ」

 パラソルにクーラーボックスにシート、準備はばっちりよ。

「アスカ、パラソル持ってよ」

「うん」

 アタシはパラソルとシートを持って砂浜へ歩き出したわ、太陽が眩しい〜

「アスカ、更衣室はこっちよ」

「んっふっふ〜アタシはすでに着ているのよ」

 Tシャツの袖から水着をチラ見せ、着替える時間がもったいないわ。

「用意が良いわね〜じゃあ場所取りお願いね着替えてくるわ」

「ええ」

 ミサト達は水着に着替える為に更衣室へ行ったわ、アタシは場所取りっと。







 うん、人が少なくて良いわね。場所を選んでシートを敷いてパラソルを立てて…完成〜〜

「おっそいわね」

 ミサト達はまだ来ないわ、早く泳ぎたいのに。

「お待たせ〜」

「待ちくたびれたわよ。シンジ、喉乾いたからジュース」

「うん、何がいい?」

「オレンジジュース」

「はい」

「ありがと」

「シンちゃん、ビールは?」

「ありません、飲酒運転になりますよ」

「えええっ!無いの?海水浴場では飲んでもいい法律なのに…」

「そんな法律ないわよ、海水でも飲んでいなさいよ」

「ううう…アスカひどい」

 まったく、保護者って自覚が無いわね。

「クエクエクエ」

「あっペンペンずるい」

 ペンペンがアタシの横を通り抜けて海へ走って行ったわ、アタシが一番乗りしたいのに、まあ初めから裸だからしょうがないかしら。アタシも服を脱いで泳ぎに行くわよ。

「ジャーン、どう似合うかしら」

「わおっ〜大胆ね」

 ミサトも驚くアタシの水着は真っ赤なビキニよ、夏休みに入ってすぐに買いに行ったから早く着たかったわ。

「ふふふ、シンジ〜どう〜似合うかしら?」

「う、うん…」

 顔を真っ赤にしてるわ、ふふふ。

「ファースト、どう?アタシのセクシーなスタイル、羨ましいでしょう?」

 ファーストは水着に着替えているけどTシャツを着ているわ、体に自信が無いのね。

「貧乳?寄せて上げて…」

「だ、誰が貧乳よ?コラ〜〜〜!」

 海に沈めてやろうかしら。

「そういうアンタはどうなのよ、Tシャツを脱ぎなさいよ」

 Tシャツの裾から見える水着の色は紺色、地味ねえ〜〜って何なのよその水着は?

「スクール水着じゃない、普通の水着はどうしたのよ」

 『あやなみ』って名前も書いてある、学校で使用していたのをそのまま着てくるなんて。

「持ってないわ、それに赤木博士が海ですくーる水着を使用するのがマニアックって言っていたわ」

「…リツコの言う事を信じちゃダメよ」

「そうなの?碇クンはどう?」

「に、似合うよ。海に似合う」

「シンジ〜アンタ一度溺れた方が良いわよ」

「な、何でだよ」

「こんな事で時間つぶすのバカみたいだから行くわよ」

「あっ待ってよ」

「三人で泳いできなさい、私が荷物の番をしているから」

「はいお願いします」

「遅いわよ、早く〜」

 本当に鈍くさいわね。

「碇クン、浮き輪は?」

「膨らますから先に行ってていいよ」

「うん」

「ファースト行くわよ」

 アタシはファーストの手を取ると海へ走っていったわ。

 バシャバシャバシャ

 アタシとファーストの足にかかる海水、冷たくて気持ちいい〜〜

「はうう…冷たい…」

「海だから冷たいの当然でしょ、何悶えてんのよ」

「悶えたいの」

「アンタも一度は溺れた方がいいわよ」

「どうして?」

「どうしてもよ」

 答えるだけで馬鹿らしくなるわ。

「お待たせ!綾波、浮き輪だよ。アスカもいるかい?」

「うん、もらうわ」

 シンジは浮き輪を二つ持ってきたわ、用意がいいわね。

「シンジの分は?」

「僕はいいよ」

「じゃあアタシのはアンタが使って良いわよ」

「いいよ、アスカが使いなよ」

「溺れたら困るからアンタが使いなさい」

 アタシはシンジに掴まって泳ぐもん。

「そう?じゃあ使おうかな。って綾波は?」

「あれ、どこに行ったのかしら?」

 さっきまで近くに居たファーストの姿が見えない、どこに行ったのかしら?

「イ〜カ〜リ〜ク〜ン」

「あ、あんなに沖に行っているよ。手を振っている、お〜〜い」

「本当ね、何時の間に行ったのかしら。って流されているじゃないのよ」

「ええ!?」

 こうしている間も沖に流されているわ。

「助けなくっちゃ、アタシ行ってくる」

「ぼ、僕も」

「アタシの方が早いから待ってなさい」

 シンジよりアタシの方が泳ぐスピードが早い、まったく迷惑かけるわよね。




「まったくボケッと流されているんじゃないわよ」

「気が付いたらここまで来ていたの、不思議ね」

「不思議じゃない!戻るわよ」

 ファーストの浮き輪を掴んで砂浜に戻って…

「こらっ!浮かんでないでアンタも泳ぎなさいよ」

「楽ね」

「こっちがきついのよ」

 危機感が無いのが困るわね。




「綾波、大丈夫かい?」

「うん、平気」

 砂浜にはシンジが心配そうな顔をして待っていたわ。

「浮かんだだけだからアタシが疲れちゃったわよ、休憩する」

 怒っても浮かんだまま、結局はアタシが泳いで連れ戻したわけ…喉も渇いたから休憩しよ。




「楽しんできたようね」

「楽しんでないわよ、疲れちゃったわ」

 アタシ達の様子をずっと見ていたのに、よく言えるわね。

「シンジ、サンオイル塗って」

「ぼ、僕が?」

 うつ伏せになってシンジにオイルを渡したわ。

「なに緊張してんのよ、アタシの肌を守りたいんならオイルを塗りなさい」

「え、あ、うん」

 声からシンジの緊張がわかる、心臓がドキドキしているのね。アタシもドキドキしながら手を後ろに回してビキニの結び目を解いたわ。

「早くしてよね」

「う、うん」

 恥ずかしいから目をつぶってシンジがオイルを塗るのを待ったわ。

「い、いくよ」

「う、うん」

 ア、アタシもドキドキしてきた。

「ひゃん!」

 背筋に伝わる冷たいオイルの感触にビックリして声がでちゃった。

「ひゃ、ひゃう」

 シンジの手が背筋から肩、首に回ってオイルが塗られていくわ。

「あ、あん」

 ちょ、横胸にまで手が伸びてきたわ。オイルを塗ってとは言ったけど、ちょっと大胆なんじゃない。

「あっそこは」

 シンジの手がお尻に…水着の中に手を入れちゃ…手を入れちゃ…

「ダメ〜〜〜」

 シンジの暴走を止める為にアタシは起き上がったわ、当然胸を隠してね。

「暴走するのはいいけど、みんなの前ではいや〜〜って、ファースト?あれシンジは?」

 アタシの後ろに居たのはファースト、周りを見回してもシンジの姿がないわ。

「アスカのお肌スベスベで気持ちよかった」

「ええ!?オイルを塗っていたのってファーストだったの」

「うん、お尻もプニプに柔らかかった」

 確かにファーストの手にオイルが付いているわ…まあシンジにオイルを塗る勇気なんてないわね。

「はあ〜〜それでシンジは?」

「アイスを買いに行ってもらっているわ。それよりブラの紐を早く結ばないとシンちゃんが鼻血を出しすぎて死んじゃうわよ」

「わ、わかっているわよ」

 戻ってくるシンジの姿が見えたわ、早くブラを結ばないと。

「あ、あれ?あれれ」

 オイルで滑って結べない〜〜シンジが戻ってくるのに。

「ミサトさん買ってきました」

「サンキューみんなで食べましょう」

「アスカ、アイスだよ」

「ちょっと待ちなさい、ファースト結んでよ」

 焦っていると結べないわ。

「うん、あっ立ち眩み…」

「ええっ!?」

 ファーストが立ったと思ったらバランスを崩してアタシの方へ倒れてきたわ、あっファーストの手にブラが引っかかって…

「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「おおうっナイスハプニング!」

 何喜んでるのよバカミサト!

「ア、アスカ」

「マジマジと見るんじゃないわよ、バカシンジ〜〜!」

 ドゴッ!

 胸を隠してシンジの顎にキックを入れてやったわ。

「ぎゃっ…」

 フン、アタシの胸をタダで見たんだから安いものね。次はファーストの番よ。

 モミモミ

「あ、あ、あん。ファースト何すんのよ?」

 アタシの胸を揉みだすなんて、あ…あん。

「ちょ、ちょっとやめてよ」

「サンオイル塗っているの、サービス」

「レイ良いわよ、超良いサービスだわ」

「ミサト五月蝿い、やめてよ〜〜〜」

「私より碇クンの方が良かったかしら?」

「それはアンタよりシンジの方が…って何言わせんのよ!」

「ふふふ、言わせたかったの、サヨナラ」

 あ、逃げた。

「こら〜待ちなさ〜〜い」

 も〜シンジに胸は見られるわ、ファーストにバカにされるわで最悪だわ〜〜


 夏休み、アスカちゃん達は海へ遊びに行きました。大胆水着のアスカちゃんにマニアックなレイちゃん?

 一番の幸せ者は女性陣に囲まれたシンジ君でしょうね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ギラギラサマー