ハロウィン
「シンジ、シンジ〜」
「どうしたの?」
リビングで家計簿をつけているシンジの元へアスカが走ってやってきた。
「トリック・オア・トリート、お菓子をくれなきゃ、いたずらするわよ」
「トリック・オア・トリート?ああ今日はハロウィンだったね。ちょっと待ってって」
シンジは家計簿をつける手を止めると立ち上がり台所へ向かい、しばらくすると戻ってきた。
「はいお菓子だよ」
シンジはニッコリ微笑んでいつも食べているポテトチップスをアスカに渡した。
「馬鹿シンジ!」
パチン!
強くないビンタが静かなリビングに響いた。
「痛っ!何するんだよ?」
「アンタ馬鹿ぁ〜?ハロウィンでどうしてポテチなのよ?」
「お菓子じゃないか」
「だ〜か〜ら〜ポテチじゃないのよ」
「意味がわからないよ」
シンジは首をかしげた。
「だから、ハロウィンはハロウィン用のお菓子が欲しいの!」
「ハロウィン用のお菓子?クッキーとかキャンディーかな」
「そうよ、だから早くちょうだい。くれないといたずらしちゃうわよ」
「用意してないよ」
「え〜〜うそ〜?こうなったらいたずらしちゃおうかしら」
「え?僕いたずらされちゃうの」
「そうよ、ふっふっふ、覚悟しなさい」
妖しく光るアスカの瞳にシンジは怯えて震えだした。
「だ、誰か助けて」
「ふっふっふっふ…って冗談よ。本気にしないでよね」
アスカは座るとポテチの袋を開けて食べ始めた。
「あ〜〜良かった〜〜」
シンジは胸を撫で下ろした。
「アンタねえ〜本気でアタシが襲うとでも思ったの」
「うん!」
激しく首を縦に振った。
「縦に振りすぎよ」
「だっていたずらされたらお婿に行けなくなっちゃうよ」
シンジは再び家計簿をつけ始めた。
「そ、その時はアタシが貰ってあげるわよ」
「え?何か言った」
家計簿をつけるのに夢中で聞いていなかった。
「な、なんでもないわよ馬鹿!」
パチ〜〜ン!
真っ赤になるアスカ、再び静かなリビングに乾いたビンタの音が響くのであった。
ハロウィン、アスカちゃんは特別?なお菓子を期待しましたが普通のお菓子でした(^^;)
いたずらされそうになったシンジ君でしたが、いたずらされたほうが良かったかも。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ハロウィン