初詣

「シンジ〜初詣に行くわよ」

「うん」

 毎年やって来るお正月、元日は出かけなかったから今日初詣に行くのよね。

「早く準備をしなさいよ」

「ちょっと待ってて」

 シンジが準備をしている間、アタシはリビングでテレビでも見ますか。

「zzzz〜〜〜」

 アタシの隣ではミサトが酔って寝ているわ、まったく寝正月だなんて恥ずかしいわね。

「お待たせ〜〜行こう」

「ええ」

「ペンペン、行ってくるから留守番とミサトさんをお願いするよ」

「クエクエ」

 ペンペン、相変わらずしっかりしているわね、飼い主とは大違いだわ。









 初詣は近くの神社行くのよね。人はたくさんいるのかしら?人が多いと嫌だから少ない方がいいわ。

「シンジはいくらお賽銭をあげるの?」

「いくらにしようかな?100円かな」

「100円?もったいないんじゃない、10円にしとけば〜」

 100円でご利益があるとは思えないし気休めよね。

「そうかな〜アスカはいくらにするの?」

「アタシはナンバーワンだからずばり1円よ!」

 今年もアタシが一番なんだからね。

「1円なの?アスカは女の子だから5円でいいんじゃないのかな」

「5円?どうしてアタシが5円なのよ」

 アタシはいつでも一番なのよ。

「5円でご縁がありますようにって」

「な、なにバカな事言ってんのよ。そんな事しなくても・・・アンタが・・・」

「何か言った?」

「な、なんでもないわよ、バカ!」

 お正月からボケボケしちゃってさ、今年も鈍感なのかしらね。









「うわ〜〜多いわね」

 神社へ着いたアタシとシンジ、人が多いわ〜人の波に飲み込まれそうね。

「アスカ、迷子にならないようにね」

「アタシが迷子になるわけないでしょうが、アンタこそ迷子になるんじゃないわよ」

 シンジが迷子になって放送で呼び出すの恥ずかしいわよ。

「うん、じゃあお賽銭をあげに行こうか」

「ちょっと待って」

 ぎゅっ!

 アタシはシンジの手を握ったわ。

「これで迷子にならないわよ」

「う、うん」

 さあ人の荒波を行くわよ〜〜



「う、前に進めないね」

「頑張るのよ、こんな事でエヴァのパイロットは務まらないわよ」

「うん」



「きゃあ!」

「あ、アスカ」

 しまったわ、人の波でシンジの手が離れちゃった。

「アスカ〜〜」

「シンジ〜〜〜」

 アタシとシンジが、離されていっちゃうわ。ああシンジが見えなくなっていく〜〜

「シンジ、シンジはどこへ行ったの?」

 負けないわよ、人の波をかき分けてシンジを見つけ出すわよ。

 アタシの第六感がシンジを感じるわ。

「うおおおお〜〜」

 シンジはこっちよ、こっちにいるわ。

 見えた!あの髪型はシンジだわ。ちょっと後ろが寝癖で跳ねてる髪型はシンジだわ。

「シンジ、見つけたわよ」

 ぎゅっ!

 アタシはシンジの細くて小さくてスベスベした手を強く握ったわ、もう離さないわよ。

「痛いわ」

「ん、痛い?」

 聞いた事がある声ね。

「強く握りつぶさないで、骨がくだけちゃう」

「げっファースト」

 シンジの隣にファーストがどうしているのよ?それにシンジの手を握っているじゃないのよ。

「私もいるわよ。アスカ〜あけおめ〜」

「げげっ鋼鉄まで」

 シンジの左にはマナがいたわ。それもちゃっかりシンジの手を握っているじゃないのよ。

「2人にそこで会ったんだよ」

「な、なんですって!?」

 アタシが苦労してシンジを探したのに、2人と出会っているなんて予想外だわ。

「それじゃあシンジ〜〜私とレイさんの三人でお賽銭をあげに行きましょう〜」

「うん、行きましょう」

「ちょ、ちょっと待て〜〜ぃ!アタシを忘れているんじゃないわよ!」

「あらアスカ居たの?しょうがないわね〜〜アスカもついでだから付いて来ていいわよ。レイさんは良いかしら?」

「・・・」

「こらファースト、そこでどうして黙るのよ〜〜」

 も〜〜せっかくシンジと2人で出かけたのに邪魔されるなんて、お正月早々がっかりだわ。


 シンジ君と二人っきりで出かけた初詣、手を繋いで嬉しいアスカちゃん(^^)

 でもお正月から上手くはいきませんでしたね。マナちゃんとレイちゃんが待ち構えていました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 初詣