雛まつり

 今日はひな祭り、女の子が主役よ。リビングに小さいけど雛人形を飾って、シンジ特製のチラシ寿司やひなあられ〜

「ちょっとファースト、座ってないでお皿を運ぶの手伝いなさいよ」

「そうね、そうするわ」

 シンジったら、なんでファーストなんかも呼ぶのよ、アタシの分のチラシ寿司が減っちゃうじゃないのよ。

「わおっ美味しそうじゃない」

 今まで寝ていたミサトがやって来たわ。寝癖でだらしない格好、ミサトみたいになりたくはないわ。

「ミサトさん、やっと起きてきましたね」

「へへ〜シンちゃんの美味しい料理の香りに誘われて起きちゃったわ」

「もうすぐできますから顔を洗ってきてください」

「はいは〜〜い、あら?甘酒がないようだけど」

「あっ買うのを忘れてました」

 甘酒を忘れるなんて、ちょっとたるんでいるわよ。

「今から買ってきますね」

「私が車で買ってくるわよ」

「甘酒ですからね、麦酒じゃないですよ」

「シンちゃんたら〜わかっているわよん」

「甘酒ですよ」

「はいは〜〜い、いってきま〜〜す」

 念を押したけど大丈夫かしら?










「たっだいま〜〜」

「早かったわね、ちゃんと速度は守ったんでしょうね?」

 多分ミサトだから守ってはないわね。

「ちゃんと守ったわよ、超安全運転よ」

「葛木三佐、ウソはいけません」

「本当よ〜レイ信じて〜〜」

「・・・」

 ファーストも信じるわけがないでしょう。

「シンちゃんは信じてくれるわよね?」

「そ、そうですね」

 シンジも信じてないほうに一票ね。

「ま、まあ安全運転して、ちゃあんと買ってきたわよ」

 テーブルに置かれた白色の甘酒。お酒って言ってもアルコールは入ってないから安心して飲めるわ。

「それじゃあシンジ、始めましょう」

「うん」

 甘酒をコップに注いで・・・

「「「「かんぱ〜い」」」」

 ゴクゴク・・・ん?なんか変な味がするわ。

「シンジ、甘酒ってアルコールが入っていたかしら?」

「ちょっとおかしいね」

 シンジも甘酒の変さに気付いて一口でやめたようね。

「ミサトさん、これって甘酒ですか?」

「甘酒よ、美味しいわよ〜〜」

「ちょっとビンを見せてください」

 ミサトが買ってきた甘酒のビンをシンジが見たわ。

「ちょ、ちょっとミサトさん。これって甘酒じゃなくて白酒ですよ」

 白酒?白酒ならアルコールが入っているじゃない。

「あら、そうなの?私はこれが甘酒だと思っていたわ。ゴクゴク、シンちゃんもう一杯!」

「全然違いますよ〜」

「私は小さい頃からこれを飲んでいたわよ」

 それはアンタだけよ。

「綾波も飲むのをやめなよ」

 あ〜あ、ファーストったら知らずに全部飲んでいるわ。

「はひ?」

 ファーストの白い顔がほんのり桜色になっているわ、酔っているわね。

「ファースト、アンタ酔っているでしょう」

「碇クン・・・」

「何、綾波?」

「らめ、碇クンが呼んでいるわ」

 らめって完全に酔っているわ。

「もうらめなのね」

「今水を持ってくるよ」

「頼むわ」

 シンジは台所へ水を取りに行ったわ。

「ファースト、ちょっと寝ていなさい」

「そう・・・貴女は誰?」

「アンタ、惚けているならトドメをさすわよ」

「そう、サヨナラ・・・zzz」

 寝るの早っ、まあ酔ってミサトのように暴れないだけマシね。

「あ、綾波寝ちゃったんだ」

「ええ、そっとしておきましょう」

「うひゃひゃひゃひゃ〜〜甘酒、うんま〜〜〜い」

 ミサトも完全に酔っぱらっているわね。って何本白酒を買ってきているのよ?

「あ〜〜ミサトさん何本買ってきたんですか?」

「秘密よん・・・zzz〜〜〜」

 寝ちゃったわ、だから行かず後家になるのよね。

「騒がしかったのが急に静かになったわね」

「うん、嵐のようだったね。綾波もちょっと萌えだったなあ」

「はあ?何が萌えなのよ」

「綾波がらめって言ったんだよ。それだけで萌えだよ」

 何言ってんの?ばっかみたい、でも・・・

「な、何ならアタシが言ってあげましょうか。シンちゃんらめぇ〜」

 きゃっ、アタシったら恥ずかしい事言っちゃった。ってシンジ〜〜

「ちょっと、その不満そうな顔は何よ?」

「アスカが言っても萌えないよ。綾波だから萌えるんだよ」

 ブチッ!

 アタシの中で何かが切れたわ・・・

 ガシッ!

「ぐえっ」

「シンジ〜アタシが頑張って言ってやったのに、萌えないってどういう事よ〜〜?」

「ア、アスカ顔が痛いよ」

 アタシのアスカクローがシンジの顔面を捉えたわ。

「痛くしてるもん」

「こ、このままじゃ顔の骨を砕かれちゃうよ」

「安心して、骨を砕かないで神経を破壊する技を獲得しているから」

「こ、怖いよアスカ〜〜」

「ウフフ」

 プチッ!

「は、はううう・・・」

「ふっ、あっけない音だわ」

 碇シンジ、三月三日にリビングで眠るってね。さあチラシ寿司でも食べようかな。

「あっしまったわ」

 アタシだけ起きていたら、後片付けも全部アタシ一人でしなくちゃならないんだわ。くう〜〜アタシとした事が不覚だったわ、せめてシンジを半分生かしておくんだったわね。


 ひな祭り、ミサトさんは甘酒と白酒の区別がついていませんでした。本当は違いを知っていてもワザと買ってきたかも(^^;)

 酔って寝るレイちゃんにアスカちゃんに永遠に眠らされたシンジ君(笑)過激?なひな祭りでした。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 雛まつり