買い物
「今日も暑いわね〜」
午前中なのになんて暑さなの、遊びに行く気も失せちゃうわ。
「暑い時には・・・」
アタシは台所へ向かったわ。
「ふんふんふ〜〜ん」
冷凍庫を開けると、そこには愛しいアタシの・・・
「アイスが〜〜って、あれ?」
アイスが無い、何度見てもアイスが無いわ。
「ちょっとシンジ〜〜」
「何?」
リビングで熱心にスーパーのチラシを見ているシンジに尋ねたわ。
「アイスが無くなっているじゃないのよ」
「アイス?あ〜昨日の夜、ミサトさんが食べていたよ」
「何ですって!?」
聞いてみると、夜遅く帰ってきたミサトがお風呂の後に食べたみたい。
「ミサトのやつ〜〜アタシのアイスを〜〜〜許せないわ」
「アスカのじゃなくて、みんなのアイスだろ」
確かにみんなで食べる為にシンジが買ってきたお徳用だけど〜〜
「アタシの許可無く食べるなんて許せないわ。シンジ!買ってきてよ」
「え〜〜自分で買いに行くって考えは無いの?」
「無いわ!」
「随分ハッキリ言うんだね」
「うん」
アタシは腕を組んで仁王立ちで激しく首を振ったわ。
「暑いから外に出たくないもん」
「すっごい女王様発言だね」
「うん、そう言う訳だから、今すぐ買ってきてね」
「今すぐ・・・別に良いけどアスカも一緒に行かない?」
「いやよ、暑いんだもん」
「そんな事言わないで、特売で卵パックが安いんだよ。一人二パックまでなんだ、二人で行けば四パック買えるんだよ」
「そんなのいいじゃない、二パックで」
男の子なのに特売に燃えるなんてねえ〜
「今日の晩御飯はオムレツにするから」
「オムレツ?」
オムレツ良いわね〜フンワリ卵にチキンライス。
「ねっ行こう」
「しょ、しょうがないわね。行ってあげるわよ」
「ありがとうアスカ」
はあ〜・・・食べ物で承諾するなんて、食いしん坊なアタシだわ。
「あっつう〜〜」
シンジと一緒にスーパーへ・・・外を歩くだけで汗が吹き出るわ。
「この暑さなんとかならないかしら」
「雨でも降れば少しは涼しくなるんだけどね」
「雲ひとつ無いから雨が降る気配が無いわ」
「そうだね、ここ最近は雨降ってないね」
「こんな日に外に出たら干からびちゃう」
「僕は毎日外に出ているよ」
そっか、毎日買い物に行っているものね。
「偉いわね」
「何が?」
「べっつに〜〜」
「ん?」
褒めすぎると調子に乗るからやめとこう。
「涼しい〜〜」
スーパーに入ったらクーラーが効いていて涼しいわ、汗が一気に引いちゃうわね。
「アスカ、卵はあっちに売っているんだよ」
「うん」
流石シンジね、売り場内を把握しているわ。
「よし!卵を四パック確保と」
「次はアイスね」
「アイスは最後だよ、材料を買わなきゃ」
「え〜〜最後なの?」
「うん、そうしないと溶けちゃうよ」
「そうなの?」
「そうだよ」
仕方ないわね。アタシはシンジの後ろに付いて店内を回ったわ。
「ふんふんふ〜ん」
鼻歌なんか歌っちゃって品物を選んでいる時は本当に楽しそうね。
「シンジ、こっちの方が大きいわよ」
大きいのを選ばないで小さいのを選んでいるわ。
「それはちょっと鮮度が悪いね、こっちの小さいほうが鮮度がいいよ」
「全然わかんないわ」
「色とツヤで違いがわかるよ」
「おんなじに見えるわ」
それから色々と選び方を教わったけど、全然わかんなかったわ。
「はやくアイス〜〜」
「はいはい」
待ちに待ったアイス売り場へ行くわよ。
「たくさんあるわね〜」
どれにしようか迷っちゃうわ。
「これにしようかな、それともこっちがいいかしら?シンジはどれがいい?」
「僕はスイカバーでいいよ」
「シンジはスイカバーね、アタシは・・・」
「まだ選ぶの?」
「当然でしょ、今のはシンジの分、アタシとミサトの分が残っているわ」
「お徳用なんだからそんなに買わなくても」
「ダメ、買っておかないと、すぐに無くなっちゃうでしょう。それにアタシが来たお陰で卵が買えたでしょう」
それに、いくつもの種類が食べれるもんね。
「わかったよ」
ふふ、観念したようね。さあ選びましょう。
「満足、満足〜〜」
アタシが持っている買い物袋にはたくさんのアイス、冷たくて美味しそう〜〜
「お腹壊すから全部食べたらダメだよ」
「わかっているわよ、ん〜〜〜おいしっ」
「って、もう食べてるの」
あっつい太陽の下で食べるアイスは最高ね。
「だって暑さで溶けるから早く食べないとね」
「家に帰ってからも食べるつもりだろ」
「うっ、そそんな事しないわよ」
アタシの行動を見破るなんてバカシンジのくせにやるわね。
「シンジもアイスどう?」
「僕はいいよ、帰ってから食べるから、アスカは今食べているからもう終わりだよ」
「え〜?そんな〜〜」
アタシだって家に着いてからも食べたいのに・・・そうだ!
「シ〜ンジ」
「なに?」
「えいっ」
「もがっもが」
アタシは食べていたアイスをシンジの口に突っ込んだわ。
「これでアンタも食べた事になるから、帰っても食べられないわよ」
「そ、そんな」
「それにアタシが食べていたアイスを食べたのよ、泣いて喜びなさい」
ふふ、真っ赤になっているわ。
「な、泣いて喜べないよ」
「じゃあ踊って喜ぶのね」
「だから、喜ばないよ」
「ふふ、我慢しちゃって。それシンジにあげるからアタシはもう一本食べるわよ」
「だからダメだって〜」
「じゃあシンジがアタシの食べたアイスを食べたってみんなにばらしちゃおうかな〜」
ばらす事はしないんだけどね。
「わ、わかったよ」
「さっすがシンちゃん、やっさし〜〜」
「は、早く帰るよ」
「あ、待ってよ〜」
耳を真っ赤にしながら急ぎ足になるシンジ、たまには買い物に付き合うのもいいかもね。
シンジ君の買い物に付いて行くアスカちゃん、食べたいアイスを選べました。
アイスを食べられてアスカちゃんはご機嫌、シンジ君もご機嫌?ですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 買い物