休日

 ふあああ〜〜

 有休を取った平日に遅く起きるのは、なんともいえない優越感だわ。

 ぐるる〜〜

 おっとっと、お腹が鳴っちゃったわ。ご飯は?

 テーブルにシンちゃんのメモが置いてあったわ。なになに・・・ご飯は冷蔵庫に入れていますから温めて食べてください。・・・流石シンちゃんね、素敵なお嫁さんになれるわ。

 ええと冷蔵庫に、シンちゃんが作っておいた朝ごはんのおかずを温めて、目覚めの麦酒を・・・

 ぷは〜〜〜〜

 空きっ腹に効くわね〜〜〜もう一本飲んじゃおうかしら。う〜〜んシンちゃんに怒られちゃうから止めとこう。

 いっただきま〜〜す。

 もぐもぐ

 う〜〜ん、シンちゃんが作った玉子焼きは最高ねえ、サラダも美味しいわ。




 ごちそうさま〜

 食器は流し台に置いておいて・・・洗わなかったらアスカに洗いなさいって言われそうだから洗っておこうっと。

 ふっふ〜〜ん。

 私だってちゃあんと家事くらいできるんだからね。

 さあてご飯も食べた事だし、テレビでも見ようかな。

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 あんまり面白い番組はやってないわね、出かけちゃおうかな。

「クエクエ」

「ん、何よ?」

 ペンペンが私を呼んだわ。

「クエクエ、クエクワ」

「何々、たまには掃除をしたらどうだ。ですって?」

「クエエ」

「そうねえ〜〜いっつもシンちゃんにやってもらっているから恩返しでやっちゃおうかな」

「クワワ」

「ん、でも2人の部屋は掃除するな。ですって?」

「クワワ」

「プライバシーの侵害ね、わかったわ。シンちゃんの部屋からすんごくエッチな本が見つかったら困っちゃうし、アスカの部屋からすんごいBLの同人誌が発見された日にゃあ〜〜お姉さん、どう対処したら困っちゃうわね」

「・・・」

「何よ〜〜その目は?ちょっと想像力が凄いだけじゃないのよ」

「クエ」

「呆れたから寝る。ですって?こんくらいで呆れてどうすんのよ!」

 ペンペンは足音をペタペタさせながら自分専用の冷蔵庫へ戻って行ったわ。まったく飼い主の気持ちがわからないわね。

 んじゃあ、パッパ〜〜って掃除をやっちゃいますか。

 ・・・でも全部掃除すると疲れちゃうからリビングだけにしておこうかな。それにシンちゃんがいっつも掃除しているから汚れていないのよねえ。

 アスカの読み散らかした雑誌を片付けて掃除は終了ね。

 うわっ掃除が五分以内で終わっちゃったわ。

 ♪〜〜

 おや携帯にメールが入ったわ、誰からかしら?

「シンちゃんからだわ、何々〜」

 起きていますか?お昼ごはんは作っていないので出前でも取ってください。ううう〜優しいわね良妻賢母だわ、返信メールを打っておこう。

 シンちゃん、ありがと〜美人のお姉さんは大丈夫よ、勉学頑張ってね。

 返信っと。

 そっか、シンちゃんからのメールで気がついたけど、もうお昼なのね。

 出前取るにも、食べたいものがないわねえ〜買い物に出かけようかな。





 ふんふんふ〜〜ん

 平日の昼間に車で出かけるのも何か良いわね。そうだ!買い物ついでに夕食は私が作ろうっと、ふふふ2人とも驚くでしょうね。

 ええと、まずは自分のお昼ご飯を選んで・・・パンにしようかな。

 続いては夜ご飯の材料、カレーは・・・芸が無いからドライカレーね。

 材料を選んで・・・何かこうしていると主婦って感じがするわね、良い主婦になれるかな?






 買い物をして帰宅、あらペンペン起きてたの。

「クエクエ」

「え、経済のテレビを見ているの?凄いわね」

「クエクエ」

「この株が今買いだって?またまた冗談言っちゃって〜〜」

「クエクワ」

「冗談じゃない?俺は買う。ですって?ちょっペンペン」

 何なの?ペンペンが羽毛の中なら携帯を取り出してメール?ってアンタ携帯持っていたの?

「クエクワ」

「何よ、携帯なんか見せて・・・こ、これって」

 ペンペンの携帯の画面の金額、一十百千万・・・凄いじゃない。

「クエ」

「居候をする身、生活費を払うのは当然だ。ですって?私は貰ってないわよ」

「クエクワ」

「ミサトじゃない、シンジ君に払っている。ですって〜〜?家長は私よ」

「そんなのは知らん。って私の存在は〜?」

「妖怪麦酒女。って〜〜」

 いつの間にか家長がシンちゃんになっている、く・・・くやしい。

「ふ、ふ〜〜んだ、今日の夕食を作ってビックリさせちゃうわよ」

「クエエ?」

「そうよ、今日の夕食は私が作るのよ、ペンペンにもたっぷり食べさせてあげるわよ」

「クエエエエ!!!」

「あっペンペン」

 どうしたのよ?顔を真っ青にして冷蔵庫へ戻っていったわ。まあいいわ、遅めのお昼ご飯を食べて夕食の準備よ。







「「ただいま〜」」

「おかえり〜〜」

 2人が帰ってきたわ、ちょっと遅い時間ね。遊んできたのかしら?

「ミサトさん、すいません。すぐに夕飯の準備を・・・ってミサトさん、何をしているんですか?」

「何をって夕食の準備よん」

「な・・・」

 シンちゃん何固まっているの?

「シンジ〜お腹空いちゃったから早く作ってね。どうしたの?」

「ア、アスカ・・・ミ、ミサトさんが夕飯を作るって・・・」

「えっ!?・・・」

 あらら、今度はアスカが固まっちゃったわ。

「後五分くらいでできるからお皿を出しておいてちょうだい」

「あ、アタシ用を思い出したわ」

「アスカ、ずるいよ」

「ずるくないわよ、たった今用ができたのよ、ネルフに行ってくるわ」

「僕だってネルフに用事ができたよ」

 用事?ネルフから何も連絡ないけど。

「またまた〜〜2人でウソついて私を騙そうとしても騙されないわよ、さあ座って座って」

「は、離してよ〜〜」

「離してください〜〜」

「ダ〜〜メ、食べないと元気になれないぞ〜〜」

「不健康になるわよ〜〜〜」

「アスカ、覚悟を決めよう」

「死にたくないわ〜〜」

「大丈夫〜美味しすぎて死なないわよ」

 いや、美味しすぎて死んじゃうかもね。



「さあ召し上がれ」

 ミサト特製ドライカレー、黄金の輝きね。

「「い、いただき・・・ます」」

「2人ともどうしたの?早く食べないと冷めちゃうわよ」

「シンジ、先に食べなさいよ」

「何で僕が?」

「男の子でしょ、気合見せなさいよ」

「こんな時だけ男の子扱いなんだ」

「食べて気絶するのと、アタシに半殺しにされるのどっちがいい?」

「わ、わかったよ。アスカの鬼」

「何か言った?良いから食べなさい」

「うわっあむっ!」

 おっアスカったら大胆ねえ、自分のカレーをシンちゃんに食べさせたわ。もうお姉さんの前でそんな事されたら私が照れちゃうじゃないのよ。

「どうシンジ?」

「ひ、酷いよアスカ〜〜」

「味はどうかって聞いてんのよ?」

「うん、平気食べられるよ」

「うそ?」

「ウソじゃないよ、ほら、もぐもぐ」

「今日は珍しく成功したのね」

「ほらアスカも早く食べなさい」

「え、ええ・・・ぱく・・・うん食べられるわね」

「美味しいでしょう〜」

「まあね、ミサトにしたら上出来ね」

「ミサトさん美味しいですよ」

「うふふありがと」

 う〜〜ん、平日に余裕があるって良いわね、ゆっくり休める事ができたわ。







「またご飯作っちゃうかな」

「「それだけはダメ!!」」

 ど、どうしてよ?


 有休を取って日頃の疲れを癒すミサトさん、働きづめは疲れますからね。

 時間があるので久々に料理の腕を振るう?ミサトさん、今日は失敗せずに成功しました(^^)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 休日