仕事納め

「シンちゃんガンバレ〜アスカもガンバレ〜」

「何がガンバレよ、すっごく迷惑よ」

「こまめに掃除をしてくださいっていつも言っているのに・・・」

 シンジとアスカは呆れていた。ネルフでミサトの作戦室の大掃除を手伝わされているからだ。

「ごめんごめん〜〜忙しくてついつい掃除が疎かになっちゃったのよね」

「暇なときがあってもしないでしょうが」

「み、耳が痛いわね〜」

 机を拭きながら愚痴をこぼすアスカにミサトは苦笑いをした。

「ミサトさん、この書類はどうするんですか?」

「それは要らないから捨てていいわよ」

 不要物をゴミ袋に入れていく、すでにゴミ袋は十枚使っていた。

「あ〜〜ファーストはいいわよね〜昨日からリツコと旅行に行ったのよ」

「面目ない」

 リツコはすでに今年の仕事を終わらせて有休を取りレイと旅行に出かけていた。

「ミサトさんも、もう少しリツコさんを見習ってくださいね」

「来年から見習うわね」

 シンジの言葉に半笑いし頬を書きながら返事をした。

「それにしても凄い汚れよね、一年間全然掃除していないのがわかるわ」

「アスカ、この本を並べて」

「わかったわ」

 シンジから本を渡されて戸棚に並べていく。

「うんうん、綺麗になっていくわね〜」

 ミサトは感心して頷いた。

「アンタが一番動きなさいよ〜〜」

 バチッ!

「ふぎゃ!」

 アスカが投げた本が見事にミサトの顔に直撃した。

「ミサトさん大丈夫ですか?」

「いたた、大丈夫よ」

「ほらテキパキ動く」

「わかりますた〜〜」

 アスカに怒られるミサトであった。











「ちょっち休憩しましょう」

 ミサトは冷蔵庫からジュースと麦酒を取り出した。

「ミサトさん麦酒はダメですよ」

「え〜〜いいじゃん、休憩なんだから」

「バカミサト!まだ仕事中でしょうが!」

 げしっ!

 アスカのキックがミサトのお尻に飛んだ。

「いたた、怒らないでよ〜〜」

「怒るわよ!真面目にやんなさい。こっちはタダで手伝ってやってんのよ」

「アルバイト代だすから堪忍して〜〜」

「アルバイト代だすなら、勘弁してやるわよ」

 アスカはジュースを渇いた喉に流し込んだ。

「さあ後もう少しだから頑張ってね〜〜」













「これも要らないこれも要らない」

 ミサトは不要な紙を捨てていった。

「ミサト〜これはどうするの?」

「何て書いているの?」

「始末書って書いてあるわ」

「あ〜〜それね、捨てて良いわよ」

「出さなくていいの?先月の日付が書いてあるわよ」

「みんな忘れているからいいのよ」

「あっそ」

 アスカは始末書を破ってゴミ袋に入れた。

「ミサトさん真面目に仕事していないでしょう?」

「しているわよ、失礼しちゃうわね」

「ミサト、ガンダムのプラモデルがあるわよ」

 プラモの箱を開けた。

「作りかけみたいね」

「あ〜それね、暇だから作っていたのよ。飽きちゃったけどね、シンちゃんにあげるわ」

「仕事してないじゃん・・・」

「呆れましたよ・・・」

 ジト目でミサトを見る2人であった。

「い、良いじゃん。休息も必要なのよ」

「ミサトさんの場合、休息がメインなような気がするんですけど」

「よくクビにならないわね」

「だ〜か〜ら〜ちゃんと仕事しているからクビにならないの!」

 力説するが信じてもらえないミサトであった。










「おっわり〜〜〜」

「やっと終わったね」

 2人の努力があって部屋は綺麗になった。

「あれ、ミサトさんは?」

「あらいつのまにか居ないわ」

 ミサトの姿が部屋にはなかった。

「あんの〜〜逃げたわね、これはお仕置きが必要だわ」

「どこ行ったんだろう?電話してみようか?」

「ごっめ〜〜ん、遅れちゃった〜」

「ミサトどこ行ってたのよ?」

「掃除終わりましたよ」

「ちょうどよかったわ、これがアルバイト代よ」

 ミサトは袋から何かを取り出し机に置いた。

「わあ〜お寿司じゃないのよ」

「お腹空いたでしょう〜スーパーで買ってきたやつだけど食べてね」

「買い物に行っていたんですか、お茶入れますね」

「ありがとシンちゃん」

 ミサトは更に袋からデザートを取り出し机に置いた。

「お〜〜豪勢じゃない」

「たくさんあるからお腹いっぱい食べてね」

 きゅるるる〜

 アスカのお腹が鳴った。

「きゃっ恥ずかしい〜〜」

「ははは、アスカは頑張っていたからね」

「レディーのお腹の虫を聞くなんて信じられないわ」

「じゃあ食べよう」



「「「いただきま〜す」」」

 3人はお茶で乾杯をすると食べ始めた。

「ミサトさん、来年はこまめに掃除してくださいよ」

「努力するわねん」

「まあこんなアルバイト代なら、来年も手伝っていいわよ」

「出費が痛いけどね」

 作戦室に笑い声が響くのであった。


 ミサトさんの作戦室は夢の島?シンジ君とアスカちゃんは大掃除の手伝いに。

 頑張ってくれたアルバイト代はお寿司、出費は痛いですが無事に部屋が綺麗になりました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 仕事納め