宿題

「夏休みも今日で終わりかァ〜長いようで短かったなあ」

 夏休み最終日だから有意義に過ごそうかな。

「どおしよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 ん?アスカの部屋から地響きのような声が聞えたぞ。

「シンジ〜どうしよう〜〜どうしよう〜〜〜!!」

「アスカ、どうかしたの?」

 まあ予想はついているけどね。

「宿題終わってな〜〜〜い!」

「はいはい」

 僕は新聞を開いて政治欄を読み始めた。

「ちょっとアタシがこんなに困っているのに無視する気?」

「毎年騒いでるじゃないか、それで僕が宿題を見せているだろ」

「な〜んだ、わかっているじゃない。シンちゃ〜〜ん、宿題み・せ・て」

「イヤ」

「おねが〜〜い」

「イヤだ」

「どうしても?」

「うん、どうしても」

 ちゃんと自分でしないと宿題の意味がないからね。

「・・・こら〜〜〜!バカシンジ〜〜〜宿題見せろ〜〜!!」

 ゲシゲシッ!

「いた、いたたた踏まないでよ〜〜」

「アタシの命令を拒否するなんて百億万年早くってよ!」

「やめてよ〜〜」

「あ、アスカなにやってんの?」

「ミサトさん、助けてください」

 ミサトさんが起きてきた、流石に慌てている。

「アスカやめなさい、シンちゃんが死んじゃうでしょ」

「も〜〜、ミサト〜〜ちょっと聞いてよシンジがね」

 アスカがミサトさんに説明し始めた、でもアスカが悪いから怒られるに決まっているよ。

「なるほど〜〜宿題がね〜〜・・・それはシンちゃんが悪いわ!」

「ええっ〜〜〜僕が!?」

 どうして僕が悪いんだ。

「ほらミサトもシンジが悪いって言っているでしょ、さあ宿題を見せなさい」

「ミ、ミサトさん、どうして僕が悪いんですか?」

「夏休みは遊ぶ、宿題は最後の日にする。これが学生の伝統よ」

「そんな伝統聞いた事ありません」

「アスカを見ていると懐かしいわね〜私も夏休み最後の日は慌てふためいていたわ」

「ほら、学生の伝統だって言っているでしょう」

「だからそんなの聞いた事ないよ」

「いいから見せなさい!それともアタシが学校で恥をかいてもいいっての?」

「恥をかくって・・・わかったよ、もう〜〜」

「うんうん、シンちゃん青春だわ」

 青春の意味がわからないよ。しょうがないから僕は部屋から宿題を持ってきた。

「今度からはちゃんと自分でするんだよ」

「わかったわよ、サンキュー」

 絶対にやらないと思うな。

「さあてパッパと写して終わらせようっと」

 そこで気合を入れられてもなあ。




「ちょ、ちょっと宿題の量が多すぎない?」

「うん、多いよ」

「これじゃあ今日中に写しきれないわ」

「そんなの知らないよ、じゃあ頑張ってね」

「ちょ、ちょっとどこへ行くのよ」

「出かけてくるよ」

 本屋へでも行ってこようかな。

「アンタも写すの手伝いなさいよ」

「ええっ?」

「あたし一人じゃ無理なのよ、ほら手伝いなさい」

「手伝ってもいいけど、字でばれるよ」

 今日のお出かけは無理かな。

「アタシの字に似せて書けばいいでしょう」

「ぷっアスカの字に似せたら読めなくなるよ」

「どうしてよ?」

「古代文字みたいで解読不能だよ」

 ドゴッ!

「うぎゃっ!」

「解読不能じゃなくて、達筆すぎるのよ。アタシの字を読むには百億万年勉強しなさい」

 アスカひどいよ、なぐるなんて。

「アンタの字で書いていいのよ。どうせ先生はボケててわかるわけないわよ」

「酷い言い様だね」

「口を動かさないで手を動かす!」

「はいはい」

 夏休み最後の日もゆっくりできそうもないなあ。

「はいは一回でいいの!」

「はいはい」


 宿題をしていなくて慌てるアスカちゃん、でも対策はあります(笑)

 シンジ君に宿題を手伝ってもらって一安心ですね(^^)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 宿題