ときめき

「早く歩きなさいよ」

「アスカが歩くの早いんじゃないか」

「アンタが遅いのよ、アタシはお腹ぺこぺこなのよ。ほら!早く早く」

 時計を見るとお昼を少し過ぎているわ、アタシはシンジの手を引っ張って目的地へ急いだわ。

「ちょっアスカ、痛いよ」

 強く手を握りすぎたかしら?

「男の子でしょ、文句を言わないの」

 意識しているのかしら?ちょっと強かったわね。








「ほら、ここよ」

「へ〜〜こんなのができていたんだ」

 雑誌で紹介されていたレストラン、ランチが安くて美味しいって書かれていたから来てみたかったのよね。まあヒカリと来てもよかったんだけどシンジと来たのには・・・

「入りましょう」

「うん」

 中に入ったら一瞬でわかったわ。

「ふいんき良いわね」

「アスカ、ふいんきじゃなくて雰囲気だよ」

「べ、別にいいじゃないのよ。日本語が難しすぎるのよ!ほら行くわよ」

 細かい指摘をするんじゃないわよ。テーブルに案内されて周りを見たら・・・

 雑誌に書いてあったとおりにカップルだらけ、ヒカリと2人できたら浮いていたわね。

「アスカどうしたの?」

「へ?な、なんでもないわよ」

 思わず周りのラブラブぶりに圧倒されていたわ。

「さ、さあ〜〜て何を食べようかな」

「メニュー表逆だよ」

「あ、気付いたなら早く教えなさいよ」

「無茶苦茶言うよね」

「う、五月蝿いわね」

 恥ずかしい思いをしちゃったわ。

「シンジは決まったの?」

「うん、和風スパゲッティーにしようかな。アスカは?」

「アタシはハンバーグランチにするわ。それとピザも食べましょう」

「うん、いいよ」

「じゃあ、マルゲリータにするわよ」

「うん」

 アタシはウェイトレスを呼んで注文をしたわ。







「お客多いね」

「そうね、美味しいって評判だからね」

 それにリピーターはカップルが多いみたい。あっ向こうのカップルが大きなアイスを2人で食べているわ。あっちではジュースを2人で飲んでいる。こっちではあ〜んしているわ。

「ん?アスカどうしたの顔が赤いよ」

「な、なんでもないわよ。お腹が空き過ぎて赤くなっただけよ、バカ!」

 でも周りがカップルだらけだとラブラブな好意も普通に見えちゃうわね。ア、アタシのもできるかしら?

「はは、アスカ顔がさっきより赤いよ。よっぽどお腹が空いているんだね」

「う、五月蝿いわね」

 全然周りが見えてないわね。








 それから五分くらいして注文したメニューが運ばれてきたわ。

「うわ〜美味しそう」

 熱々の鉄板にのせられたハンバーグが美味しそうだわ。それにライスとスープにサラダが付いて低価格なのが嬉しいわね。いただきま〜〜す!

 もぐもぐ

「おいし〜〜」

 仲から肉汁が溢れて口の中に広がるわ。

「アスカの美味しそうだね」

「でしょう〜一口あげましょうか?」

「うん」

「はい、あ〜んして」

 ちょっと恥ずかしいけど、周りもしているんだから目立たないわ。

「あ、自分で食べれるよ」

「いいじゃない、ほらあ〜んして」

「あ、あ〜〜ん」

 ふふ、シンジも恥ずかしがっているわ。

「どう美味しいでしょう」

「うん美味しいよ」

「シンジのスパゲッティーも一口ちょうだい」

「うん、いいよ」

「じゃあ、あ〜〜んさせて」

「ええ!?」

「あたしだけしたら不公平でしょう、さああ〜〜ん」

「う、うん」

 シンジは自分のフォークでスパゲッティーをからめ取ったわ。

「ダメよ、あ〜〜んって言いなさいよ」

「い、言うの?」

「言うのよ、あ〜〜ん」

「わ、わかったよ。あ〜〜ん」

 ぱくっもぐもぐ

「美味しいっ〜」

 ソースは醤油がベースなのね。甘辛くて美味しいわ。

「ピザも食べましょう」

 皮がパリパリ、チーズにトマトソースが美味しいわね。

「シンジ、もっと食べていいわよ」

「いいの?」

「男の子だから食べれるでしょう」

 八等分されたピザ、アタシは三つでいいわ。たくさん食べるとお腹いっぱいになっちゃう。






「あ〜〜美味しかった」

「うん、お腹いっぱいだね」

「まだまだよ、デザートが残ってるじゃない」

 アタシはメニュー表を開いたわ、大きなのを一つ頼めば二人で食べれるわね。そこのカップルも食べているわ。

「このアイスとケーキがミックスされているのでいいわね?」

 プリンものっているし美味しそう。

「えっ、そんなに大きいの一人で食べるの?」

「バカねえ〜シンジの分も入っているのよ」

「へえ〜てっきりアスカ一人で食べると思ったよ」

「失礼ね、アタシはそんなに大食いじゃないわよ」

 ふふ、2人でデザートを突付き合って食べて・・・













「そうなのよ〜〜すっごく、ふいんきがよかったのよ〜それに周りがカップルだらけだったから全然恥ずかしくなかったわ」

「そうなんだ、良かったわね〜」

「ヒカリもジャージを誘って行ってみたらいいわよ」

 電話の相手はヒカリ、お昼ご飯の事を自慢じゃなくて報告中よ。

「えっ!鈴原を?」

「安くて美味しくてボリュームもあるから喜ぶと思うわよ」

「で、でも誘うの恥ずかしいわ・・・それに断られたら・・・」

「恥ずかしくなんかないわよ、それにジャージがご飯を断るわけないじゃない」

「そ、そうかしら?」

「ええ、ご飯で誘拐されそうな奴だからね」

「アスカ、それは言いすぎよ」

「ふふ、ごめんごめん。じゃあ報告待っているわね」

「う、うん。頑張ってみるわ」

「頑張ってね。じゃあお休み〜〜」



 うふふ、いいお店見つけてよかったわ。シンジの気に入ったみたいだし、また行こうっと。


 お昼ご飯はシンジ君を誘ってデート気分なアスカちゃんです。

 周りがカップルだらけなので、アスカちゃんもいつもより?大胆になりました(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ときめき