ゲンドウ改造さる!
「出撃しろ」
「お前など必要ない」
「帰れ」
「臆病者は不要だ」
「さっさと帰れ」
「シクシク、碇クン可哀想・・・・・」
リツコの研究室、レイは『新世紀エヴァンゲリオン』のコミックを読みながら涙を流していた。
「シクシク・・・・碇クン・・・・チ〜〜〜〜〜〜ン」
ポイッ
テッシュで涙を拭き鼻をかむとごみ箱へシュウト・・・・・
ポト・・・・・
だが外れた。
「残念・・・・」
悔しくて外れたテッシュを眺め続けた。けっして外れたテッシュをとろうとはしなかった。
「レイ、ゴミはちゃんと捨てなさい」
謎の研究をしていたリツコは手を休めると、レイを注意しテッシュをゴミ箱に捨てた。
「はい・・・・」
「何を泣いていたの?」
レイの瞳はいつも以上に真っ赤になっていた。普通なら一緒にいたのなら、なぜ泣いていたかわかるのだが研究に没頭していて気づいていなかった。
「碇司令が碇クンに冷たいの・・・・シクシク」
レイは読んでいた『新世紀エヴァンゲリオン』を見せると、また涙を流し始めた。
「そうね。でもこの性格が碇司令の持ち味だから仕方ないわね」
「碇クン可哀想・・・・・シクシク・・・・どうにかならないの?」
「そう言ってもね〜・・・・・・・」
タバコをいっぷくして考え込むとあるアイデアが浮かんだ。
ニヤリ
紅い唇が歪み、眼鏡が輝いた。
「可愛い妹の頼み事、何とかしましょう」
その言葉にレイの顔はパア〜と明るくなった。そしてなぜか妹を強調するリツコ、姉妹にしたいらしい。
「ありがとうございます。リツコお母さん」
お母さんを強調するレイ、親子と思っている。
パコッ!
「違うわよ。お姉さんでしょ、お姉さん。呼ばないと実験体にするわよ」
「は、はいリツコ・・・お姉さん・・・・・」
「よろしい」
レイは満足なリツコをよそに、ウソを言ってしまった事を悔いながら研究室を後にした。
「そろそろ新しい実験体が欲しかったところに、ちょうど良かったわ」
コーヒーを飲み、ファイルに目を通すリツコ、ちょっと危ない。
そしてその日の夜、ゲンドウは怪しい白衣軍団に拉致された。
次の日、シンクロテストの為チルドレンはネルフに来ていた。その日はリツコやマヤ、ミサトなどいつもテスト時にいるメンバーだったが、珍しくゲンドウもいた。
ゴクリ・・・・
シンジは緊張していた。サングラスの下から見つめられ集中できるわけが無い。したがってテストは最悪、リツコやミサトはため息をついた。
「はあ〜」
シンジもエントリープラグ内でため息をついた。そしてこれからゲンドウに一言強烈な言葉を浴びせられると覚悟していた。
だが・・・・
「シンジ、疲れているのか?」
「えっ?」
今まで出た事の無い言葉、一瞬耳を疑った。
「疲れているなら今日はもう終わりだ、ゆっくり休め」
「え、え?」
「明日も休みにしよう。小遣いをやるからレイ、アスカ君と遊んで来い」
「え、え、ええっ!」
訳がわからない、シンジ、アスカ、ミサトは混乱していたがレイは笑っておりリツコはニヤリとしていた。
着替えが済み、訳がわからず小遣いを貰いネルフを後にした。
「シンジ、司令どうしたのよ?」
「僕にもわからないよ。綾波、何か知っている?」
「知らない・・・・」
疑問に思う二人、レイはほほ笑みながら答えた。
(博士ありがとう)
このSSのアイデアはエレアさんから貰いました。ありがとうございます(^^)
MADリツコものでゲンドウがシンジに優しく接する。さっそく描きました(アイデアを貰ってから時間は経っていますけどね^^;)
短いですが満足していただけたでしょうか?自信があまりありません。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ゲンドウ改造さる!