シナリオ?

 チュンチュンチュン

 朝日がまぶしく空は青く澄み切っている。そして一人の少女がまだ心地よい夢を見ている時間。

「・・・・・・・6時・・・・」

 目覚まし時計に目をやると起きるのにはまだ早いとおもい、また瞳を閉じ夢の世界へ旅立つ。

「碇クン・・・・」

 レイは再び眠りについた。

「すうすう、すうすう」

 

 

「碇クン」

「何?綾波」

「これ・・・」

「僕に?」

「うん」

「ありがとう、大事にするよ」

「碇クン・・・」

「なんだい、綾波」

「レイって呼んで・・・」

「えっ」

「いやなの?」

「そ、そんな事ないよ」

「呼んで」

「う、うん。レイ」

「嬉しい。碇クン・・・」

「ぼ、僕もシンジって呼んでくれないかな」

「うん、シンジ・・・」

「レイ・・・・」

 

 

 ピピピピピピピピピ!!!

 クライマックスに突入しようとする時、突如レイの携帯がなり始めた。

 ピピピピピピピピピ!!!

「・・・う、う〜ん・・・」

 安眠を邪魔され目を細めながら携帯とった。

「・・・・・・もしもし」

「もしもし、綾波。シンジだけど」

「碇クン」

 携帯の相手に怒りを覚えたのだが、かけてきた相手がシンジであったので怒りはどこかに消えうせた。

「綾波どこか具合でも悪いの?」

「え?どうして」

「学校来ていないから心配しちゃって」

「え?」

 レイは疑問に思った。今はまだ朝、目覚ましはまだなっていない。時間を確認する為に時計に目をやる

「まだ6時だけど・・・」

「6時?もう2時間目の授業終わっちゃったよ」

「!」

 レイはシンジの言葉に驚いた。もう一度時計に目をやるとある事に気がついた。

「・・・・止っている」

「何?綾波」

「なんでもないわ。これから来るから」

「わかったよ」

 携帯を切ると急いで・・・・・というよりマイペースにゆっくりと着替えはじめた。

「いってきます」

 そして急ぐ様子もなく、歩いてアパートをでた。

 テクテクテクテク

 平日のこんな時間に制服を着て歩いていると、他の人は疑問に思うのだが人一人いない。

 テクテクテク

「太陽がまぶしい」

 顔に手をかざし太陽を見る。

 テクテクテク

「みゃあ〜」

「こんにちは、お名前は」

 日向ぼっこをしている猫に挨拶、頭を撫でる。

「みゃあ〜」

「名前・・・無いの?」

「みゃあ〜」

「・・・碇クン、アナタは碇クンよ」

「みゃあ〜」

 勝手に名前をつけてそして歩き出す。

 テクテクテク

「ワンワン」

「こんにちは、お名前は」

 歩いている犬に挨拶、頭を撫でる。

「ワンワン」

「名前・・・無いの?」

「ワンワン」

「・・・碇クン、アナタは碇クンよ」

「ワンワン」

 また勝手に名前をつけてそして歩き出す。学校に行くまでに出会う動物全てにシンジの名前をつけたのであった。すでにこの街の約半分の動物の名前は『碇クン』である。

 

 

「到着ね」

 校門に到着、下駄箱に向かう。靴を上履きに履き替える。

 キーンコーンカーンコーン

 するとちょうどチャイムが鳴った。いままで静かな廊下があわただしくなり始めた、授業が終わったようである。レイは騒がしい中を教室に向かった。

「あ、綾波」

「おはよう碇クン」

 教室に入るとシンジが真っ先に気づいた。

「どうしたんだい?遅れて」

「・・・・・ちょっと寝坊したの」

 少し頬が赤くなりながら細々と呟く。

「何がちょっとよ。もうお昼よ」

 そこへアスカが文句を言いにやって来た。

「そう」

「そうじゃないわよ。まったく」

 アスカはまた席に戻っていった。今まで寝ていたのが羨ましかったのだろう。

「寝坊か、でもなにもなくて良かったよ。ご飯食べようよ」

「・・・・・」

「どうしたの?」

「お弁当・・・・」

「持ってきてないの?」

「うん」

 レイはうつむいていた。横目で教室の時計を見るとお昼、まわりはお弁当を食べていた。

「はい」

 シンジは笑顔で自分のお弁当をレイに差し出した。

「これ・・・」

「食べていいよ」

「碇クンが」

「僕はパンを買ってくるから」

「ありがとう」

 その姿を見ていて黙っていない者が一人いる。

「ファ〜スト、アンタなんでシンジの弁当を食べるのよ」

「くれたの」

「アンタがパンを食べればいいでしょ〜が」

「アスカ、綾波がパンばかりじゃ栄養が片寄るだろ。綾波食べきれなかったら残して良いから」

「うん」

 シンジは笑顔でパンを食べ、アスカは不機嫌でご飯をかきこんでいた。

(碇クンのお弁当・・・・ぽっ)

 一口一口頬を赤らめながら、シンジの手料理を味わった。アスカはそんなレイを見ながら思った。

(なんか、計画くさいわね)


 お弁当補完計画完了です(爆)

 今回は時間が過ぎても慌てないマイペースなレイを描きました。

 ちょっちシリーズでも良かったのですが、タイトルが浮かんだので付けました。

 アスカは何かにつけて文句を言いますが、対抗しているんでしょうか?それは誰の為に・・・

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION シナリオ?