およぎにいくの

 ふう〜〜・・・・・

 今日も雲一つ無い青空・・・・・・夏の陽射しが眩しいの、汗が瀧のように流れるくらい・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・暑い、こういうときは泳ぎたいの・・・・・・

 泳ぎ・・・・・・水・・・・・・冷たい・・・・・・・ヒンヤリ・・・・・・気持ち良い・・・・・・碇クン・・・・・私と一つにならない・・・・・ぽっ!

 碇クンを誘おう、海に・・・・そんなに遠くに行けないからネルフのプールで我慢しましょう。

 プール・・・・・泳ぐ・・・・・水着・・・・・・

 すくーる水着・・・・・・ダメ、碇クンに見てもらいたいから・・・・・・買いに行きましょう。

 

 電車に揺られてデパートへ・・・・・・私の選んだ水着喜んでくれるかしら?

 

「碇クン、この水着似合う?」

「うん、似合うよ綾波が一層綺麗だよ」

「ありがとう、ぽっ!碇クンの為に選んだの」

「えっ!?僕の為に」

「うん、喜んでもらいたくて」

「嬉しいよ綾波、いやレイ」

「碇クン・・・・」

「レイ・・・・」

 

 ・・・・ぽっぽっぽ!碇クンは必ず言ってくれるわ・・・・ぽっ!

 あっ!イケナイ下りないと駅を通りすぎてしまうわ。碇クンと私の愛の為にデパートにGO〜〜

 

 

 

 しくしく、しくしく

 デパートについたけど入り口には無常にも『本日定休日』の札が・・・・・しくしく、しくしく

 止めど無く流れ出る涙、デパートの前で立ちすくむ私・・・・・しくしく、しくしく

 しょうがないわ、すくーる水着で我慢・・・でも以前学校ですくーる水着の私を見ていてくれたから・・・ぽっ!

 そういうわけで家に帰って準備をして碇クンを呼びに行くの。

 

 

 

 ぴーんぽーん

「はーーい」

 碇クンのお家、呼び鈴を押したら碇クンの声、わくわく出てくるまでちょっとドキドキ。

「どちらさま?綾波、どうしたの」

「プールに行くから誘いにきたの」

「プール?」

「うん、ネルフの」

「わかった、良いよ〜」

 碇クンは一瞬考え込んだが、ニッコリ微笑んで頷いてくれた、嬉しい。

 

 

 そして電車に揺られてネルフヘ、これはデートなのかしら?碇クンの隣に私が座っている・・・あっ肩が触れた・・・・ぽっ!

「珍しいね、綾波が誘ってくれるなんて」

「今日は暑かったから、碇クンが干上がってないかと心配だったの」

「は、はは水分を取っているから大丈夫だよ」

 碇クンは笑って答えてくれた、でも汗をかいている、なぜ?

 

 

 楽しい会話をしていると電車はすぐに着いたの、さっそくプールへ・・・・でも

 しくしく、しくしく

 プールの入り口には無常にも『調整中』の札が・・・・・しくしく、しくしく

 止めど無く流れ出る涙、プールの前で立ちすくむ私・・・・・しくしく、しくしく

「あ、綾波泣かないで、また今度にしようよ」

 しくしく、碇クン優しい・・・・でも今日泳ぎたいの、しくしく

「綾波〜・・・そ、そうだ!市民プールに行かない?」

「えっ?」

 市民プール、第三新東京市にもそんな場所があったのね。

「広いし、色々なものがあるから楽しいと思うよ」

「うん、行きましょう」

 二人だけで泳ぎたかったけど、しょうがないから我慢。

 

 

 電車に揺られて市民プール、また触れ合う肩と肩、嬉しい。ずっと乗っていたいけどそれはまた今度。

 肩の温もりを味わっていると電車はすぐに着いたの、さっそく市民プールへ・・・・でも

 しくしく、しくしく

 プールの入り口には無常にも『本日清掃中』の札が・・・・・しくしく、しくしく

 止めど無く流れ出る涙、プールの前で立ちすくむ私・・・・・しくしく、しくしく

「あ、綾波泣かないで、また今度にしようよ」

 しくしく、碇クン優しい・・・・でも今日泳ぎたいの、しくしく、しくしく。他に泳ぐところないかしら?

 

 

 

 

 

 

 

「綾波、気持ち良い?」

「・・・・・・うん」

 ここは碇クン家のベランダ、確かにプールだけど、丸いビニールプール・・・・・碇クンがバケツに水を入れてプールに移しかえる。私は呆然とプールの中に座っているの。

「これペンペン用だけど結構大きいでしょ?」

「・・・・・・うん」

 確かに二人っきりのプールだけど全然ろまんちっくじゃない、しくしくしくしく

 今日も雲一つ無い青空・・・・・・夏の陽射しが眩しいの、涙が瀧のように流れるくらい・・・


 せっかく張り切っていたレイちゃんですが、悪い事が重なる重なる、シンジ君と二人でラヴラヴ計画?が失敗に終わりました。

 ビニールプールでも二人だけだから良いかな?<良くないの、しくしく

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION およぎにいくの