ペンペン2
「クエッ!」
「むっき〜〜〜〜」
リビング、ペンペンとアスカがオセロに熱中している。
「また負けた、どうして勝てないのよ〜〜」
「クエエ」
悔しさのあまり頭をかきむしりながらテーブルに置かれた盤を見て悔しがるアスカ、その様子を見てペンペンは喜んでいた。
「ペンペン、アンタ本当はペンギンじゃなくて中に小さな人が入っているんでしょう?」
「クエ?」
言葉が通じないのか、首を斜めに傾ける。
「とぼけんじゃないわよ!今日こそ正体を暴いてやるわ」
ペンペンをガッシリ掴むと背中を向かせ調べて行く。
「チャックはチャックはどこよ」
「クエエエエエ!」
「じたばたするんじゃない!正体がばれたって飼ってあげるわよ」
「クワワワワ!」
「イタタタタ!!」
ペンペンは体をよじらせるとアスカの手の甲をくちばしでつついた。アスカはおもわずペンペンを離した。
パシッ!
「うぎゃ!」
ペンペンはジャンプをするとスナップをきかせアスカの頭を叩いた。
「クワワクエエ!」
「わかったよ、いたたたた」
ペンペンは怒りながら羽を台所の方に向けた、アスカはそれを理解しているのか、今叩かれた頭をさすりながら台所に向かった。
「たっく、なんとか勝てないかしら」
「また負けたの?」
台所ではシンジが夕食の準備をしていた。アスカの愚痴から今日も負けている事を察している。
「ええ、ペンペンって本当はペンギンじゃないわね」
冷蔵庫を開けジュースをコップに注ぐと飲み干し、またジュースを注ぐ。
「そんなに強いの?」
「強いってモノじゃないわよ、勝った事が無いわ」
「ふーん、オセロをしていたんでしょ、僕も挑戦してみようかな」
「やめときなさいよ、アタシに勝てないのに勝てるわけ無いじゃない」
事実、シンジはアスカとオセロ勝負で勝った事が無い。
「勝負してみないとわからないよ」
「やるだけ無駄よ」
シンジは料理の手を休めるとエプロンを脱いでリビングに向かった。
「ペンペン、僕と勝負しよう」
「クエ」
ペンペンはコクリと頷くとコマを並べていく。
「ペンペン、ジュースよ」
「クエクエ」
アスカは先ほど注いだジュースをペンペンに渡した。勝負をして負けた方が運んでくるというルールである。
「よし勝負!」
「クエ!」
シンジ対ペンペンの勝負が始まる。
序盤はほぼ互角の戦い、だが後半からコマの置く場所によって戦局が変わってくる。
「よしここだ」
シンジはコマを置いた、6枚か返せる場所。だがアスカは・・・・・
(あーあ何やってるのよ、そこに置いたら返されるじゃないの)
勝負する者より、見ている者が常に先の手を冷静に考える事ができる。シンジのコマを置いた場所が悪い。
「クエ」
(えっ?)
ペンペンの置いた場所を見て驚いた。ペンペンほどの腕なら絶対に置かない場所に置いたのである。
(どうしてそこに置くのよ)
「よしここ」
シンジの番、次々にコマを返していく。
そして・・・・
「やったあ、勝ったぁ〜」
「クエエ・・・」
シンジの勝利である、両手をあげて喜んだ、ペンペンは肩を落して残念がっている。だがアスカは納得が行かない。
「ちょっと、どうしてアンタが負けるのよ?シンジはアタシより度下手なのよ」
「クワワ」
声を張り上げるアスカにペンペンは両手を上げ、お手上げ状態。台所に歩いていった。
「こら!どこいくのよ」
「クエ」
数十秒して戻ってきた、ジュースを持ってきて。それをシンジに渡す。
「ペンペンありがとう」
「クワワ」
シンジとペンペン、熱き戦いを終えた一人と一匹、和やかな時間が流れる。だがアスカはそうではない。
(こ、このペンギン!八百長したわね。シンジにわざと負けるなんて何てずるがしこいの、絶対に勝ってやる)
アスカをペンペンを倒す事を更に心に誓った。
さあペンペン対アスカはペンペンの勝利。でもシンジとの対決では負けました。
この事から葛城家の関係がわかりますね。シンジ>ペンペン>アスカ。ミサトは番外かな。
やっぱり家庭の大蔵省が一番強いですね(^^)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ペンペン2