ペンペン3

「あんのトリ畜生が〜〜〜」

 バスバス!

 アスカは自室で叫びながらマクラを殴った、すでに中身が飛び出して羽毛が舞っている。

「トリの分際でアタシに逆らうなんてふざけるにも度が過ぎるわ」

 アスカが言う『トリ』とはペンペンの事である、それに『逆らって』もいないゲームでアスカがペンペンに負けるだけである。

「何とかギャフンと言わせたいわねえ〜、良いアイデアはないかしら?」

 ベッドの上であぐら、腕を組み考え込む・・・・

「う〜〜ん、EVAを持ってくれば一発で済むんだけどそれは無理だし・・・・バカシンジならビンタ一発でKOできるけどトリは強いから返り討ちにあうし・・・・」

 喧嘩で勝てない事は十分承知している、だから頭を使って勝負である。

「相手はトリ・・・・・考えるのよアスカ、相手はトリよトリ、絶対に弱点があるはず」

 大学出の優秀な頭脳をフル回転、勝利の方程式を弾き出す。

「トリだから・・・トリモチはどうかしら?・・・・・引っかからないわね」

「闇討ちでもしようかしら・・・・・闇討ち?・・・・そ、そうだわ!」

 何かを閃いたようだ、ガバッとベッドからおりると机に座りノートに何かを書き込んでいく。

「そうよ、これよこれ!アタシとした事が今まで気づかなかったなんて不覚ね」

 書いているのは作戦のようである、完璧な作戦だろうアスカの顔が緩んでいる。

「ふふふふふふふ、待っていなさいよトリ、今日がアンタの命日よ!ほ〜ほっほっほほ〜〜」

 甲高い笑い声が家中に響いた。

 

 

 

 

 

「作戦名『美少女アスカの史上最強の作戦!』2300作戦開始」

 作戦を考えてからすぐに実行に移したかったのだが、作戦決行は23:00今作戦が始まる。

(ふっふっふっふ、これから地獄を見るというのに、のん気にゲームをしているわ。所詮トリね)

 ペンペンはシンジと一緒にTVゲームをしていた、アスカはそんなペンペンを台所から見ながら笑いをかみ殺していた。

(所詮はトリ、アスカ様の敵ではないわ。作戦・・・・GO!)

 ドン!

 アスカはスイッチを押した、その瞬間家中が暗くなる。

「うわっ!停電」

「クエクエクエ」

 突然暗闇に包まれ驚くシンジとペンペン。

(ふふ、驚いている驚いている)

 ブレーカーを落したのだ、アスカはすかさずリビングに走った。

(ふふ、ペンペンアンタの弱点は鳥目よ、暗闇だと何にも見えないわ。この勝負アタシの勝ちね)

 アスカは暗闇なのでボンヤリとしか見えなかったが、こぶしをペンペンめがけて放った。

ASUKA STRIKES!

 ゴン!

 手応えがあった、だが・・・・

んぎゃっ!

 聞こえた絶叫は人間の声、シンジである。

(あっちゃあ〜〜シンジに当たっちゃった、アンタがそんなとこにいるから悪いのよ、知〜らないっと)

 シンジ沈黙、アスカ責任逃れ。

(今度は外さないわよ、さあどこ?)

 次第に目が慣れペンペンを探すが見つからない。

(どこよ?どこに行ったのよ?)

「クエッ」

「えっ?」

 アスカは後ろを振り向いた。そこには・・・・

「げっ、まさか!・・・・」

クエエエエエ!!

 ペンペン、ジャンプ一番アスカに向かってキック。

 ドッゴ〜〜ン!!

きゃああああ!」 

 吹っ飛ぶアスカ、壁に背中をぶつけ次第に意識が遠のいていく。

「ま、まさか・・・・・そんなのを・・・用意して・・・・いる・・・な・・・・ん・・・・・・て・・・・・・・・・」

 アスカ沈黙。

「クエクエエエ」

 ペンペンはブレーカーを上げに台所に向かった、暗闇で歩けるペンペン不思議である。

「クエッ」

 ブレーカーを上げると室内の電気がついた、光りに映ったペンペンの顔には・・・・・

「クワ」

 暗視ゴーグルが着けられていた。アスカがペンペンに勝利する日はまだ遠い。


 ペンペン暗視ゴーグル装備、アスカちゃんの奇襲を予想していたのでしょうか?ペンギン用の暗視ゴーグル、やはりネルフ特製?

 可哀想なのはシンジ君、殴られ損ですね(^^;)

 アスカちゃんは果たしてペンペンに勝つ日が来るのでしょうか(笑)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION ペンペン3