RYDEEN
夏の天候は変わりやすい、先ほどまで雲一つ無い青空でも次の瞬間にはどしゃ降りになっている。四季常夏となった第三新東京も例外ではない。
ピカッ!!
夜、月よりはるかに明るい一筋の光が第三新東京を照らした、その数秒後に・・・
ゴロゴロゴロゴロ!!
天が震えるような地響き、そして・・・
ザッザーーー!!
瀧のような雨が降り出した。
「あ〜あ、降ってきちゃった」
シンジはリビングでカーテンを開け外の様子を眺めた、地面に叩きつけられる雨音が大きく窓に跳ね返っている。
「やむのかな?」
夏休み、予定があるだろうせっかくの休日を雨で流したくない、普通中学生なら遊びだがシンジは・・・
(せっかく洗濯をしようと思ったのに・・・)
激しい雨を見ながら溜息をついた。
「別にやまなくても良いわよ、アスカ王手!」
「むむむむ・・・・・ねえマッタできない?」
今日泊まりに来たマナ、雨の事は気にしないでアスカと将棋をさしていた。マナは雨が降ろうと槍が降ろうとシンジが居れば良いのである。
「良いけど、お菓子ね」
「わかったわよ」
アスカはプウと頬を膨らまして自分専用のお菓子を渡した、お菓子をやるのはイヤだが勝負に負けるのはもっとイヤである。マナはニカッと笑うと10個目のお菓子をゲットしたがまだ満足していない、全てのお菓子を取ろうとする野望が燃えていた。
「へへへ、サンキュ〜〜〜」
「フン!勝って取り戻してやるわよ」
二人の熱い対決は続く。
ピカッ!!
ゴロゴロゴロゴロ!!
また雷、だが先ほどとは違い光ってから鳴るまでの時間が短い。
「近いわね」
「ええ、王手〜♪」
「ゲッ!」
「マッタしても良いわよ♪」
「うぐぐ・・・」
雷が鳴ろうと気にしない、二人の戦いは続く・・・
ピカッ!!ゴロゴロゴロゴロ!!ドーーン!
落ちた。
「落ちたわね」
「ええ、王手♪」
「また!?」
「マッタしても良いわよ♪」
「うぐぐ・・・」
もう何回王手になっただろうか?アスカは腕を組んで悩んだ、先ほどからお菓子を渡し続け手元には後一つしかない、それも大好物のポテチ。勝負に負けるのはイヤだがポテチだけは絶対に渡したくない。
「むむむむっ」
「そう悩まなくて良いでしょ」
「むむむむっむぐ〜〜ぅ」
アスカは頭を抱えて悩んだ、勝負に負けるかお菓子を渡すか大学出の頭がフル回転。マナはそんなアスカをへっぽこと再認識した。
(はあ〜〜考えるのは良いんだけど時間が掛かりすぎるのよね〜〜はあ〜暇・・・・そうだ!)
待っている時ほど退屈な時間は無い、ポケ〜と天井を見ていたが雷光が頭を貫くが如く閃いた。
ガバッ!
「シンジ〜〜雷怖いよ〜〜」
「うわっマナッ!?」
目をつぶりイヤフォンで音楽を聴いていたシンジに抱きつき胸に頬擦りをする。マナはこの時自分の閃きが素晴らしいと心から酔い、シンジの胸を堪能した。
「くおらっ!何やってんのよ!」
この状態をアスカが見逃すはずが無い。思考のループから抜け出し、マナの頭を一閃バレーボールをアタックするかの如く叩いた。
「雷が怖いの〜〜だからシンジに守ってもらうの♪」
普通怖いと緊張して声が震えるものだが、マナの声は楽しそうである、むしろ楽しんでいる。
「何が怖いのよ!雷が鳴って何分後に怖いって言っても説得力が無いわよ」
「そ、そうだよマナ、離れてよ〜〜」
まだシッカリと抱き着いている、まるで接着剤でつけたかのように。
「また鳴るかもしれないから怖くて離れられない〜♪」
「こんの鋼鉄がぁ〜!雷が落ちろ〜〜」
アスカは怒りSALモードになりマナを引き剥がそうとするが、しっかりと抱きついておりなかなか引き剥がせない。
「マナ離れてよ〜〜」
「イヤ〜〜ン怖いの〜〜」
「離れろ〜!!」
アスカとマナ、将棋の勝負から何時の間にかシンジ争奪?の勝負へと移行していった。
雷が鳴っても平気な女の子、マナちゃんとアスカちゃん勝負に熱中。
でもマッタをかけ続けるアスカちゃんにマナちゃんはちょっと退屈しましたが、素晴らしいアイデアが閃き萌え〜の世界へ(笑)
当然怒るアスカちゃん、でも勝負があやふやになったから良いかな?
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION RYDEEN