お中元

「碇クン、これは何?」

 レイはシンジと一緒にデパートに来ていた。

「これ?これはお中元だよ」

「お中元?」

「そうお世話になった人にお礼をする、なんていうか日本人の定番ってやつなんだ」

 フロア一帯に並べられたお中元用の品、シンジは予算と相談しながら品を選んでいく、レイはわけがわからずにただついてまわるだけであった。

「でも嬉しい・・・・・ぽっ」

 そう、二人だけの買い物、レイにとってはデートみたいなものである。

「これは副司令に・・・・これはリツコさんに・・・・」

 シンジは贈る相手の事を考えて商品カードを取っていく。

「綾波は贈らないの?」

 不意に話題を振った。

「私?誰に贈れば良いの?」

「そうだね綾波だったら、リツコさんかな」

「博士に・・・・・」

 考えた。

(博士に・・・・お世話になったかしら?逆に迷惑だったけど・・・・・でも碇クンがそう言うのなら贈りましょう)

「わかったわ」

 レイは商品を物色し始めた、シンジは選び終わったのでそれに付き合う。

「これなんかどう?喜ぶと思うよ」

 シンジが見つけたのはネコ缶であった、ネコファンには最高級の品である。

「じゃあそれにする」

「あ、案外さっぱり決めるね」

「うん」

「じゃあ注文しようか」

「うん」

 二人はカウンターに向かい、手続きをおこなった。

(お中元・・・お世話になった人にお礼・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日後

 ピーンポーン

「は〜〜〜い」

 呼び鈴が鳴りシンジはドアを開けた。

「こんにちは」

「珍しいね、どうしたの?」

 玄関先にはレイが立っていた。

「お中元を持ってきたの」

「お中元?」

「そう、碇クンにはいつもお世話になっているから」

 レイの頬が赤く染まる。

「そうかな、綾波にお世話になっているけど」

 日本人特有の低姿勢。

「碇クンにはお世話になりっぱなしお中元」

「そう、じゃあありがたく頂くよ」

「うん、貰って・・・・ぽっ!」

「う、うわ!」

 レイはいきなりシンジに抱きついた。突然の事でシンジは驚く。

「私がお中元なの・・・・・ぽっ」

「そ、それはお中元って言わないの」

 真っ赤になって引き離そうとするシンジだが力が入らない。

「お中元・・・・お世話になった人に・・・・ぽっ」

「あ、綾波〜〜〜」

 シンジはこの後レイの勘違いを正すために説明を数時間しなければならなかった。


 ふう〜〜短いな(^^;)まあネタがネタだけに許してね<_>

 キチンと日本人のお約束を守るシンジ君、ちょっと勘違いのレイちゃん。

 でもシンジ君にとってもレイちゃんにとっても嬉しいお中元かな?

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION お中元