宴
「フンフンフ〜〜ン」
日本一エプロンが似合う中学生、シンジは夕食の準備を楽しそうにしていた。
「うわ〜〜豪勢ね」
そこへ良い匂いに引き付けられたアスカがやって来た。テーブルには普段食べられない豪華な料理が並んでいた。
「今日はボーナスだからね、奮発したよ」
「そっか〜〜ボーナスだったわね」
そう今日はネルフのボーナス、アスカやシンジも貰い当然ミサトも貰ってくる。
「それにしても量が多くない?」
テーブルには完成した料理が山のように積まれている、アスカが人一倍食べると言ってもそれ以上ある。
「綾波も呼んだんだ」
「げっファーストも来るの?」
「うん、一人じゃ寂しいからね、多いほうが良いじゃない」
「ま、別に良いけどね」
アスカは豪華な料理を横目にリビングに戻って行った。
「さあ、あと少しだ」
シンジは気合を入れると調理スピードを速めた。
「だっだいま〜〜〜!!」
陽気な明るい声が玄関から聞こえた、ミサトのご帰宅である。
「お帰りなさいミサトさん、いらっしゃい綾波」
「碇クンこんばんは」
ミサトの隣にはレイ、ネルフから一緒に帰ってきたのである。
「じゃじゃ〜〜〜ん、ボーナスよん!」
高々と上げたミサトの右手には給与明細書、自慢げにシンジに見せる。
「お仕事お疲れ様でした、今日のご飯は豪勢ですよビールも奮発しますよ」
「わお〜〜〜流石シンちゃん!」
豪勢なご飯よりもビールの奮発に心ときめかせる。
「綾波も沢山食べてね」
「うん」
「んじゃ、ボーナス記念パーティー始まりよん」
ミサトの音頭で宴は始まった。
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!
「ぷっは〜〜〜!美味い!美味すぎるううううう〜〜」
ビールを一気飲みして絶叫、恍惚の表情である。
パクパクパクパクパク!
「美味しい!美味しい!」
アスカは自分の好きな肉類を中心に一心不乱に口に入れていった。
ぱくぱくぱく
「碇クンのご飯・・・ぽっ」
レイは野菜類主にサラダを食べては顔を赤らめていた。
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!
「ぷっは〜〜〜!極楽!極楽ううう〜〜」
今日ばかりはビール飲み放題、普段飲めないのでペースが速い。酒豪のミサトでも顔が赤く染まり酔ってきた。
「ミサトさん、飲みすぎですよ」
「大丈夫、大丈夫、この位飲んだ内に入らないわ・・・ひっく」
体が左右に揺れている、かなり酔っている証拠。
(まあいいか、明日は休みだし)
シンジは今日ばかりは無礼講と止めはしなかった。
ぱくぱくぱく
「碇クンのご飯・・・ぽっ」
「レイ〜〜食べてる〜〜?」
酔っ払い特有のカラミ、レイ肩に手を掛けると臭い息を吹きかけながら話し始める。
「はい・・・・でも」
「でも何〜?」
「葛城三佐、お酒臭いです」
「臭い〜?良い匂いじゃない、レイも飲みなさい〜」
また酔っ払い特有の人にお酒をすすめる。
「ミサトさん、未成年ですよ」
「大丈夫〜法律が変わったから誰でも飲めるわよん」
「・・・・・・・」
シンジは呆れた。
「私は飲めません」
「飲める飲める!飲まないと大人になれないわよ」
「大人・・・・・・」
レイはその言葉に考え始めた。
(大人・・・お酒を飲まないと大人になれないの?大人・・・・碇クンと一緒になれる・・・ぽっ!大人・・・碇クンと一つになれる・・・ぽっ)
ごくごくごくごくごく!
頬を赤らめると同時にビールを飲んでいた。
「うっほ〜〜レイやるわね〜〜」
「綾波〜〜無理しちゃだめだよ」
「・・・・・・・・・・・」
飲み終えたレイ、無言で缶を置いた。
「綾波、大丈夫?」
「・・・・・・」
レイの焦点があっていない、目の前で手を上下させるが反応が無い。
「レイには刺激が強すぎたかしら?」
「・・・・・おかわり」
レイの瞳の赤みが増すと呟いた。
「えっ?綾波どうしたの」
「おかわり」
「えっ?おかわり?」
ごくごくごくごく!
ミサトの前に置いてある缶を掴むと一気に飲み干した。
「綾波飲んじゃダメだよ」
「ファーストって案外イケル口ね」
「そうね、以外だったわね」
シンジ以外は心配していない、むしろ感心している。
ごくごくごくごく!
「おいしい」
「どうしてなの?」
「どうしてって、未成年はお酒を飲んだらいけないんだよ」
「イケナイの?じゃあ碇クンも飲んで」
そう言うと飲んでいた缶を渡した。
「イケナイよ」
「飲んで」
「だからイケナイって」
「飲んでくれないの?」
レイは上目遣いでシンジを見つめた、酒のせいで顔が赤く染まり少し瞳が潤んでいる。その姿がシンジの男心をくすぐる。
(うっ綾波、そんな目で見つめないでよ〜〜飲まなきゃいけないのかな?飲む?これはさっきまで綾波が飲んでいた・・・・ってことは間接・・・・)
みるみるシンジの顔が赤くなっていく。
「シンジ〜〜何赤くなってんのよ、飲まないで酔っちゃたの?」
「そんなんじゃないよ」
「ほれほれ飲みなさいよ、男でしょ?」
アスカがせかせる、アスカも少しアルコールが入っており上機嫌であった。
「碇クン、飲んで」
「シンちゃん、女の子にそこまで言われたら責任とって飲むのよ」
「わかりましたよ、飲みますよ」
意を決した、缶をつぶすほど握ると口をつけた。
(か、間接だあ〜〜)
そのまま上を向き一気に喉に流し込む。
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク!!
「碇クン、素敵・・・ぽっ」
「シンちゃん、おっとこのこ〜〜」
「なかなかやるわねえ〜〜」
三人、シンジの飲みっぷりに感心した。
「ぷはあ〜〜〜」
一気に息をはき、缶を置いた・・・・・そして
「・・・・気持ち悪い・・・・・・・・・・・」
バタンッ!
シンジそのまま仰向けに倒れた。
「碇クン、ご飯中に寝るなんてお行儀悪い」
「ありゃりゃシンちゃん、お子ちゃま〜〜」
「だっらしないわね〜」
3者三様のコメント、その後シンジはそのままにされ、女性三人で宴は続いたのであった。
ボーナス〜〜!遅刻常習犯のミサトさんでも貰えるんですね(笑)この時はビールがいっぱい飲めますね。
シンジ君、一杯で倒れるなんて(^^;)それにしても女性陣は強いですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 宴