星空の下で
「二人とも今日は星を見に行くわよ」
「「えっ?」」
夕食時、ミサトの突然の言葉に二人は驚いた。
「えって知らないの?今日はしし座流星群が見えるのよ」
「あ〜今夜でしたね」
シンジは新聞で今日の深夜流星が降り注ぐ天体ショーを読んだのを思い出した。
「ふ〜〜〜ん、普段は星に興味なんて無いのにね」
「いいじゃない〜こういうイベントに参加する事に意義があるのよん」
「あっそ、で何時に行くの?」
アスカは沢庵を食べながら時間を聞いた、別に自分も興味は無いのだがミサトと同じく少し興味があった。
「ええとね、二時から三時くらいがピークらしいから一時半にでましょう」
「え〜〜〜そんな夜中に?眠たいわよ」
「だからご飯を食べたらすぐに寝るわよ」
「そうね、じゃあご飯食べたら寝ようっと」
食後に寝る事を決めたアスカは食べるスピードを上げた。
「んじゃ私達は寝るから、シンちゃんはどうするの?」
「僕は後片付けがありますから起きていますよ」
食後、早速パジャマに着替えたミサトとアスカ、シンジは家事があるのでずっと起きている事に決めた。
「それじゃあ時間がきたら起こしてくれない」
「ええ良いですよ」
シンジを残して二人は寝る為に自室へ戻っていった。
「ふう〜〜さあて後片付けをしようかな」
お茶を飲み干すと立ち上がり後片付けを始める主夫シンジ。
「ふあああ〜〜そろそろ時間だ」
一日の家事を終えリビングでTVを見ていると二人を起こす時間が来た、最初はアスカの部屋に向かう。
「アスカ〜〜時間だよ」
「う・・・う〜〜〜ん、何よ〜〜アタシは眠いのよ」
「星を見に行くんだろ、ほら起きて」
「そうだったわね・・・ふあああ〜〜〜」
「じゃあミサトさんを起こしてくるから」
「ミサトさん、時間ですよ」
「zzzzzz」
声をかけるが起きないミサト、いびきが部屋に鳴り響く。
「ミサトさん、起きてください」
身体をさすって起こしにかかる。
「ん・・・な〜〜〜に?」
「時間ですよ、起きてください」
「時間?何が〜〜」
「星を見に行くんでしょう」
「あ〜〜そうだったわね・・・眠たいからパスパス、二人で行ってちょうだい」
「・・・」
頭から毛布を被り手をパタパタするミサトにシンジは呆れて何も言えなかった。仕方が無いので部屋を出た。
「ミサトは起きたの?」
「眠いから二人で行ってくれって」
「何よそれ?あんのバカミサトふざけてんじゃないわよね」
アスカが怒るのは当然だろう、誘っておいてキャンセルされたのである。
「しょうがないね、どうする?」
「車が無いんじゃどうしようもないわね」
「屋上で見ようか?」
「そうね、そうしましょう」
二人はだらしない保護者の部屋を横目に屋上に向かった。
「うわ〜〜もう流れているよ」
空を見上げるとすでに流星群の天体ショーが始まっていた。
「綺麗ね・・・」
宇宙の神秘に感動するアスカ、両手を組むと何か呟き始めた。
「?アスカどうしたの」
「これだけ流れているのよ、願い事を沢山言えるチャンスでしょうが!ほらシンジも願うのよ」
「願うって何を?・・・」
一心不乱に願い事を言うアスカに呆れるシンジであった。
「決まっているでしょ、可愛いお洋服が欲しい、お菓子を沢山食べたい、お小遣いをいっぱい貰いたいよ。アンタは何を願ったの?」
「僕は・・・今の生活が続きますようにかな」
「何それ〜?まったく欲が無いわね」
「アスカが欲有り過ぎなんだよ」
「良いでしょ、こんだけ流れていたら願わない方が罰当たるわよ」
根本的に間違っているアスカである。
「でも今の生活が続くってのも良いわね、アタシもそれ願おうっと」
「うん」
微笑みあうシンジとアスカ、星空の下で二人の時間が過ぎていった。
誘ったミサトさんは眠たいからキャンセル、なんとも我侭な。それに怒るアスカちゃん当然でしょうね。
仕方が無いので二人で見る事に、もしかしてミサトさんは二人だけの天体ショーをシナリオにしていたりして?それで眠たいと言ったのかもしれないですね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 星空の下で