買い物にて
普通買い物をする人はその家の主婦がする。葛城家では主婦がいないので家長のミサトがしなくてはならないのだが、生活能力ゼロのミサトではできないので主夫シンジの役目である。
「さあて買い物に行こうかな」
シンジは自室で財布の中身を確認し夕食の献立を考え部屋を出た。
「シンちゃん買い物に行くのね?私も行くわ」
「アタシも行く〜〜〜」
リビングにはTシャツにGパンのミサトと黄色いワンピースを着たアスカが座って待っていた。
「ええ良いですけど・・・」
「よっしゃあ行くわよ〜〜」
「お〜〜〜!!」
こぶしを振り上げ気合が入っている二人、シンジはその姿に小さくため息をついた。
スーパーに着いた三人、夕方なので主婦で賑わっていた。
「さあシンちゃん今日の献立は何?」
「今日はグラタンを作りますけど」
「わあ〜〜グラタンね」
おもわずよだれがたれそうになるアスカ、瞳が輝きだした。
「よし!シンちゃん頑張って買い物してきて私達は店内を見て回るから行くわよアスカ」
「OK〜〜シンジ楽しみにしてるわよ」
「うん・・・」
二人はシンジの手伝いをすることなく店内に入っていった。
「はあ〜〜〜・・・またなのか」
ため息をつき買い物篭を手に取ると材料を買うために店内を歩き始めた。
「野菜が安いやサラダも作ろうかな」
野菜売り場に行き新鮮なトマトを品定め、主夫の眼力が光る。
「ん?」
トマトを選んでいると手に持っている買い物篭が微妙に重くなった、見てみると・・・
「アスカだね・・・」
買い物篭の中にはお菓子が一つ入っていた、アスカの姿はどこにも見えない。
「次はレタスだ」
レタスここでも質の良いものを選ぶ眼力が光る。
「・・・」
またしても買い物篭が微妙に重くなった。
「ふう〜〜」
見てみるとまたお菓子が一つ入っておりアスカの姿は無かった。
「さあてこのくらいで良いかな」
材料を選び終え忘れた品は無いか買い物篭を調べた時は材料とお菓子が5:5の割り合いで入っていた。
「アスカ〜〜〜お菓子は一つだけだよ」
「ええ〜〜〜良いじゃん全部買ってよ〜〜」
物陰に隠れていたアスカが顔を出した、お菓子を全部買うとしたらかなりの額になる。
「駄目だよ、わざわざ一個ずつ持ってこなくても良いのに」
「良いじゃん、ばれないように入れるのが面白いんだもん」
「・・・」
すでに何回もやっているのですでにばれているがシンジはそれを言わない。
「それにミサトよりましよ」
「シンちゃ〜〜〜ん、はい」
ミサトが両腕におつまみを抱えてやって来て買い物篭に入れた。
「ミサトさん、おつまみは一つだけですよ」
「ええ〜〜〜〜良いじゃないこれだけ買ってこそおつまみと言えるのよ」
「一個でもおつまみです」
「ちえシンちゃんのけちィ〜〜〜」
「アスカも他のお菓子は戻しておいで」
「むう〜〜〜」
頬を膨らますミサトとアスカ、渋々選んだおつまみ、お菓子を元のところに返しに行った。
「ふう〜〜〜まったく世話が焼けるなあ〜〜〜」
口では呆れていても顔は楽しそうに微笑んでいるシンジであった。
主夫シンジ君が活躍する買い物、ミサトさんとアスカちゃんが同行しますが役立たず(^^;)
二人の持ってきた分を全部買っては家計は火の車ですから一つだけですね。シンジ君はみんなの為にミサトさんとアスカちゃんは自分の為だけに行く買い物でした。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION 買い物にて