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「しくしく・・・しくしく・・・」

 レイは自室で床に座り込んで泣いていた。

「しくしく・・・しくしく・・・私のMSスーツが・・・」

 目の前に破損したRX-78-2ガンダムのMSスーツ、修理しなければならないほど傷みが激しい。

「しくしく・・・しくしく・・・アスカのMSスーツに負けないMSスーツをおかあさんに作ってもらわないと」

 アスカのMSスーツはキュべレイMK-U、ガンダムではどうやっても勝てる見込みが無い。

「・・・泣いてても仕方が無いわ、ネルフに行きましょう」

 MSスーツをバックに入れるとネルフへ向かった。










シャイニングゥ!!フィンガァ〜〜〜〜〜!!


「う〜〜〜ん、良いわあ〜〜」

 リツコは研究室で「Gガンダム」のDVDを鑑賞して興奮していた。

「今までとは一味も二味も違うガンダム、良いわね〜特にシャイニングフィンガーにゴットフィンガー、私も作って碇司令の頭を握りつぶしちゃおうかしら」

 リツコなら本気でやりかねない。

「博士・・・」

「なっ、ビックリするじゃないの、どうしたの?いつもより顔が暗いわよ」

 研究室にいきなり現れたレイに驚いた。

「・・・これ」

 レイはバックの中身を見せた。

「あっスーツが壊れているじゃない」

「はい・・・」

 レイはアスカと対決の事を話した。



「そうなの〜〜一年戦争最強のガンダムも時代の流れには勝てないわね」

「アスカに勝てるMSスーツが欲しいの」

「でも今は時間が無いのよね」

 今までDVDを見ていた者の言う台詞ではない。

「お願いお姉さんっ

 レイは抱きついた。

「こ、こらレイ、お姉さんだなんて・・・ようしわかったわ、このお姉さんに任せなさい」

 『お姉さん』と呼ばれ舞い上がるリツコはレイのニヤリと笑う表情を見逃した。

「でも数日かかるから待ってなさい」

「はい」






















「ねえアスカ・・・」

「ん?なあに」

「家の中ではそのMSスーツは脱いだ方が良いんじゃないかな」

 リビングでアスカはMSスーツを着たまま寝転んでいた。

「良いじゃない、気に入ってるんだから、ほれほれ〜〜」

「ちょ、ちょっと」

 アスカはお尻のファンネルコンテナを持ち上げるとシンジに見せつけからかった。

「へへ〜〜ん、赤くなってやらし〜〜んだ」

「もう着替えてよ〜〜」

 MSスーツはレオタードを着てその上に装着するので露出部分が多くシンジには目のやり場に困った。

 ガチャ〜〜〜ン!!

 突然ベランダのガラスが割れた。

「な、何?ってファースト」

「綾波〜玄関から入ってよ」

「ごめんなさい急いでいたから」

 現れたのはMSスーツを装着しているレイ、スーツはRX-78のままで変わっていなかった。

「急いでいたって何よ?」

「アスカ、あなたを倒すためよ」

 指を突きつけるレイ、宣戦布告である。

「倒す?アンタがアタシを?笑っちゃうわね、またコテンパにやられたいのね」

「この前の私とは違うわ」

「違う〜?マグネットコーティングでもしたの?してもどうせ負けちゃうけどね」

「そんなものじゃないわ、いくわよ」

「かかってきなさい」

 ファイティングポースを取る二人、一方シンジは・・・

「二人とも外でやってよ〜〜」

 家の中でやれば散らかるので主夫にとっては外でやってもらいたかったが二人とも聞く耳を持たないだろう。

「合体!パーフェクトパーツ」

「な、何ですって」

 レイが叫ぶと窓の外からパーツが飛んできてレイの体を包んだ。

「そ、それは・・・」

「そうよ武装を施したパーフェクトガンダムよ」

「パーフェクトガンダム・・・ちっこれはやばいかもね」

 アスカは舌打ちした、パーフェクトガンダムは重装備、もし武器が当たれば負ける可能性がある。

「アスカ、あなたに勝ち目はないは」

「こ、こうなったら逃げるしか・・・な〜〜んてね。アンタがパーフェクトで来るのはわかっていたわよ」

「え?これは秘密なのに・・・まさか」

 パーフェクトスーツを製作した事は最重要機密である、外部に漏れることは無いが漏れた。レイは一人の人物が頭をよぎった。

「そうよ、リツコよ。まったく安いものね、子猫の写真五枚で全部喋ってくれたわよ」

「おかあさん・・・」

 リツコはお金より猫である、今ごろ子猫の写真にほお擦りをしているだろう。

「さあ今までの威勢はどうしたのよ?こないならこっちから行くわよ」

 アスカのファンネルコンテナが開きファンネルが飛び出した。

「か、数が多い」

 以前対決したときよりもファンネルの数が倍以上であった。

「そうよ、キュべレイMK-Uでもハマーン専用、ファンネルは三倍よ!いっけえ〜〜ファンネル〜!!」

 いっせいにレイを狙う無数のファンネル・・・

 ババッバッババッバッバッバッバッバ!!

きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

 レイは一度も攻撃する事無くやられてしまった。

「まったく弱いわねえ〜〜出直してらっしゃい」

「うう・・・しくしく、しくしく、またまけちゃった」

 粉々になったMSスーツ、レイはリビングで仰向けに倒れて泣いた。そしてシンジは・・・

「はあ〜〜〜掃除が大変だ・・・」

 昨日の掃除が台無しになりため息をつくのであった。


 レイちゃん、今度はパーフェクトガンダムで再戦を挑みましたが、この事はすでにアスカちゃんは知っていました(リツコさん子猫の写真五枚で買収されるなんて^^;)

 アスカちゃんもファンネルの数を増やして戦いに挑みました、結果は・・・アスカちゃんの勝利、勝因は情報収集でしたね。

 レイちゃん二連敗、この次はどうするのでしょうね。


 どなたかCGを描いてくれると嬉しいですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION MS]