お正月は暇?

「あ〜〜暇ね、暇で暇でたまんないわ」

 正月は何もする事が無くて暇を持て余しているアスカは床に寝転んで叫んだ。

「暇なら掃除くらいしてよ」

「そんな暇ないわよ」

 家事の事になると忙しくなるアスカにシンジは呆れた。

「そうだ!映画を見に行きましょう」

「え?」

「お正月映画よ、今面白いのが上映してあるのよ」

「でも〜〜」

 シンジにとっては正月休みは無い、家事で忙しいのである。

「デモもストライキも無い!行くからさっさと仕度をしなさい」

「わかったよ」

 家事の計画が崩れがっかりするシンジは部屋に戻った。

「さあてアタシも仕度をしよ〜〜と・・・ってこれってまさか今年初めてのデートかしら・・・キャ〜〜〜!!」

 暇で無意識に誘った事がデートになったアスカは嬉しさのあまりシンジに聞こえないように悲鳴をあげた。

「アタシがデート・・・きゃっ」

 ドテッ!

 下を見ていなかった、段差につまずき転んだ。

「あいたたた・・・」

 涙目になり鼻を押さえて部屋に入っていくへっぽこなアスカであった。









「アスカ〜まだ〜?」

「まだよあと五分」

 五分で仕度を済ませたシンジはすでにアスカを三十分待っていた、女の子の仕度は時間がかかる。

「お待たせ〜〜行きましょ」

「あ、うん」

「何よ?アタシの顔に何かついてる?」

「い、いいや行こう」

 シンジはアスカの姿を見るなり固まった。アスカの服は見慣れたワンピースであったが化粧を薄くしておりいつもより違って見えた。

「ふふふ」

 赤くなった頬を隠すために急ぎ足で玄関に向かうシンジを見て微笑むアスカであった。








「アスカ、どれを観るの?」

 映画館に着いた二人、お正月映画が何本も並んでいる、シンジはどれを観るかまだ聞いていなかった。

「ええとね〜〜これよっ!」

「えっ?これえ?」

 アスカが指をさした映画のポスターは黄色いモンスターが電撃を得意とする前世紀に流行ったリバイバル映画であった。

「そうよ、入りましょう」

「アスカ、これってお子様が観るもんだよ、こっちにしようよ」

「これで良いのよ!入るとオマケでキーホルダーがもらえるのよ、お得じゃない」

「お得って・・・」

 入場者全員にもらえるキーホルダー、アスカはのどが出るほど欲しかった。

「さあ入場券を買うのよ」

「・・・わかったよ」

 アスカが折れる事は無いだろう、シンジは渋々二人分の入場券を買った。

「はい、僕の分もあげるよ」

「本当?やった〜〜」

 キーホルダーに興味は無いシンジ、アスカは貰って大喜びである。

「電撃に水攻撃が良いのよね、そう思うでしょ?」

「うん、そうだね」

 無邪気なアスカに家事を中止して来て良かったと思うシンジであった。


 アスカちゃん、お正月休みも三日を過ぎると暇で暇でたまりませんね。

 新年最初のデート?でアニメの映画・・・まあ二人にとっては良いでしょうね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION お正月は暇?